2025-06-27 コメント: 1件 ▼
参政党・吉川りな議員が「国会はプロレス」発言で謝罪 「競技を貶める意図はなかった」
比喩表現に批判噴出、プロレス関係者やファンから抗議
参政党所属の吉川りな衆院議員(38)が27日、自身のX(旧Twitter)を更新し、「国会はプロレス状態であり、茶番」と発言したことについて謝罪した。演説での比喩に対し、プロレス関係者やファンから批判が相次ぎ、「競技を貶めた」との抗議が殺到。吉川氏は「深く反省している」と述べ、政治家としての表現のあり方に今後は一層の注意を払う考えを示した。
吉川氏は投稿で、「政局ばかりが優先され、真剣な議論が交わされない国会の現状を憂いて比喩的に表現した」と釈明したが、プロレスという競技の価値や意味を軽視したとの受け止めが広がり、「競技に対する敬意を欠いた」「表現が稚拙だった」との批判の声も相次いだ。
「プロレスは“真剣勝負”だ。茶番扱いするな」
「比喩に使う時点で、プロレスの精神を分かっていない」
「あの言い回しはプロレスに失礼だし、政治家としても軽率」
「“プロレス状態”が悪口みたいに聞こえるのは悲しい」
「政治を変えたいなら、プロレスのような“真摯な戦い”を学んでくれ」
SNS上では、プロレスファンからの怒りと失望の声が広がり、一部では「観戦に来て自分で確かめてほしい」との呼びかけも行われている。
吉川氏「政治家としての言葉の重み痛感」
吉川氏は「尊い競技を比喩に用いたことを深く反省している」「今後はあらゆる方々への敬意をもって慎重な表現に努めたい」と繰り返し謝罪。プロレスに対する敬意を明確に表し、「競技を貶める意図は一切なかった」と強調した。
また、自身を支援する党員・サポーターに対しても「不安や失望を抱かせてしまい、申し訳ない」と述べた。
看護師で3児の母という異色の経歴を持つ吉川氏は、昨年の衆院選で参政党の比例九州ブロックから立候補し初当選。今年5月には神谷宗幣代表の再選に挑んだ党代表選にも立候補するなど、党内では積極的な姿勢が評価されてきた。だが今回の発言は、そのイメージに水を差す結果となった。
「プロレス比喩」は過去にも問題化
今回の騒動は吉川氏に限った話ではない。2023年にも立憲民主党の女性議員がネット上の誹謗中傷に対して「アンチのプロレス芸」と発言し、プロレス団体から抗議を受けた前例がある。その際は謝罪のうえ、試合観戦を通じて理解を深め、関係改善が図られた経緯がある。
政界において「プロレス=茶番」という短絡的な比喩が根強く残っている現状は、競技に対する理解不足と軽視の表れとして批判されており、今後も言葉選びが問われる問題だ。
参政党の勢いと責任
参政党は、今月の東京都議選で都議会に初進出を果たし、3議席を獲得するなど躍進。SNSを中心に若年層や政治不信層からの支持を広げつつあり、7月の参議院選挙でも比例票の伸びが注目されている。
今回の発言により、党の「誠実」「真面目」「日本人ファースト」といったイメージに悪影響が出る可能性もあるだけに、参政党としても発信の質や表現のあり方について再考が求められそうだ。
政治における比喩表現は、しばしばその人の価値観や感覚を浮き彫りにする。軽々しい表現が競技者や支持者の誇りを傷つけてしまった今回の件は、吉川氏個人にとどまらず、全ての政治家にとって教訓とすべき事例といえる。