2025-11-04 コメント投稿する ▼
斎藤元彦兵庫県知事が選挙ファクトチェックに慎重姿勢 宮城県デマ拡散問題で表現の自由重視
兵庫県の斎藤元彦知事は11月4日の定例会見で、宮城県知事選でSNS上にデマや偽情報が拡散した問題について言及し、選挙のファクトチェックには「表現の自由から慎重にすべきという意見もある」と述べました。
兵庫県の斎藤元彦知事は11月4日の定例会見で、宮城県知事選でSNS上にデマや偽情報が拡散した問題について言及し、選挙のファクトチェックには「表現の自由から慎重にすべきという意見もある」と述べました。一方で、SNS時代の選挙における課題解決に向けて、政府での対応が必要との認識を示しました。
宮城県知事選で深刻なデマ拡散が問題化
2025年10月26日に投開票された宮城県知事選では、現職の村井嘉浩氏の6選を巡り、SNS上で大量の偽情報やデマが拡散される異例の事態となりました。特に「メガソーラー大歓迎」「土葬墓地推進」などと村井氏が公約にない主張をしているかのような偽情報が広く拡散されました。
実際には、村井氏はメガソーラー建設について「断固反対・阻止」の立場を明確にしており、土葬墓地についても2025年9月に「今後一切検討しない」と表明していました。しかし、これらの事実とは正反対の情報がSNSで大量に拡散され、選挙戦に大きな影響を与えました。
村井氏は選挙期間中に法的措置の検討を表明するまでに追い込まれ、当選後には「県として第三者的な立場でファクトチェックしたい」と発言。宮城県選挙管理委員会の委員長も「公正な選挙をどう構築していくか議論を深めていく必要がある」と異例の言及を行うなど、選挙制度そのものへの影響が懸念される状況となりました。
「デマに惑わされずに正しい情報で判断したい。でもどれが本当かわからない」
「SNSの情報だけで投票を決めるのは危険だと改めて感じた」
「ファクトチェックは必要だが、誰がどんな基準で判断するのか不安」
「表現の自由は大切だが、明らかな嘘で選挙が左右されるのは問題」
「政治家自身がしっかり発信して、デマに対抗することが重要では」
斎藤知事は政府主導での対策を重視
斎藤知事は記者からの質問に対し「詳細は承知していない」と前置きしつつも、「さまざまな課題が選挙制度において生じていることがあれば、政府においてさまざま対応していくことが大事だ」と述べました。
特にファクトチェックについては、村井知事が表明した県による第三者的なファクトチェックの取り組みに対し「個別のものについてチェックすることが表現の自由から慎重にすべきという意見もある」と慎重な姿勢を示しました。
その上で「政府与党や国会で、SNS時代の選挙における課題について議論して必要な対策ができるのであればやっていくことが大事」と述べ、地方自治体レベルではなく、国政レベルでの対応が適切との考えを示しました。
斎藤知事自身もSNS問題の当事者
斎藤知事がファクトチェックに慎重な姿勢を示す背景には、自身も2024年の兵庫県知事選でSNS関連の問題に直面した経験があります。パワハラ疑惑などを告発した県職員への対応を巡り県議会から不信任決議を受けて失職し、出直し選挙となった際、SNS上では真偽不明の情報が大量に拡散されました。
特に県議会の調査特別委員会(百条委員会)の委員らに対するSNSでの中傷が相次ぎ、百条委員長を務めた奥谷謙一県議らが激しい攻撃の標的となりました。また、告発した元県職員の個人情報がネット上に流出するなど、深刻な問題が発生していました。
斎藤知事は結果的に出直し選で再選を果たしましたが、その選挙戦ではSNSが大きな役割を果たしたとされています。政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が選挙に立候補しながら斎藤氏支援を公言する「2馬力選挙」と呼ばれる手法も注目を集めました。
全国的に広がるSNSと選挙の課題
SNSが選挙に与える影響は全国的な課題となっています。2024年の東京都知事選でも候補者を巡る大量の偽情報が拡散され、2024年のアメリカ大統領選挙でもSNSでの情報戦が激化しました。
日本では公職選挙法によりインターネットでの選挙運動は一定程度認められていますが、偽情報の拡散を防ぐ具体的な仕組みは整備されていないのが現状です。各国では選挙期間中のファクトチェック体制の整備や、プラットフォーム事業者による自主規制の強化などが検討されています。
総務省も「インターネット選挙運動の適正な実施に関する研究会」を設置し、SNS時代の選挙制度のあり方について検討を進めています。しかし、表現の自由との兼ね合いから、規制の導入には慎重な意見も根強くあります。
斎藤知事の発言は、こうした全国的な課題を踏まえたものとみられます。地方自治体による独自のファクトチェックよりも、国レベルでの統一的な対策が必要との判断を示したものといえるでしょう。
今後の選挙においてSNSの影響力はさらに拡大することが予想される中、民主主義の根幹である選挙の公正性をどう確保するかが重要な課題となっています。