2025-06-04 コメント投稿する ▼
本村伸子議員「今度こそ選択的夫婦別姓を」 衆院で28年ぶりの本格審議開始
本村議員「今度こそ選択的夫婦別姓を」衆院法務委で28年ぶりの本格論戦
衆議院法務委員会で6月4日、選択的夫婦別姓制度の導入をめぐる法案審議が本格的に始まった。議論の中心に立ったのは、日本共産党の本村伸子議員。自身も長年この制度の実現に取り組んできた立場から、各党に対し、制度の本質や人権意識に基づいた丁寧な議論を求めた。
「氏名は人格そのもの」 本村氏、他党議員に本質を問う
本村議員は冒頭、「選択的夫婦別姓を求める声が国会に届いて50年、ようやく本格的な審議の場が整った」と語り、長年の取り組みに節目を刻む思いを表した。
議論では1988年の最高裁判決を引き合いに出し、「名前はその人の尊厳と切り離せない」と主張。立憲民主、維新、国民民主の法案提出者に対し、「あなたにとって氏名とは何か」と踏み込んだ問いかけを行った。これに対し各議員は、「氏名は個人のアイデンティティーであり、人格権の一部」との考えで一致した。
通称使用では限界がある 本村氏、維新案を批判
本村氏は、日本維新の会が提出した「通称使用の法制化」案について、「名前を社会的に使えるというだけでは不十分」と指摘。戸籍上の姓が変わっても、実生活で旧姓を使える仕組みでは、根本的な人格尊重にはつながらないと批判した。
「周囲から呼ばれる名前こそが、自分として認識される手段。通称ではなく、法的に認められた選択的別姓が必要」と語った。
当事者の声を代弁 「58万人が結婚をためらっている」
本村氏は、一般社団法人「あすには」が行った調査を紹介。事実婚を選ばざるを得なかったカップルが推計で約58万7,000人にのぼるとし、「本来、法律婚ができたはずの人たちが、制度の不備で排除されている」と警鐘を鳴らした。
さらに「キャリアと名前が一致しないことで、自己の存在が崩れるような苦しさを抱える人がいる」と、実際のアンケート結果も読み上げた。「泣くほどつらい経験をしている人がいるのに、“我慢しろ”で済ませるのか」と訴える姿は、委員会室に重い空気をもたらした。
子どもの視点にも言及 「親と姓が違うからといって、不利益があってはならない」
また本村氏は、「離婚後や国際結婚など、親と名字が異なる子どもはすでに社会に数多く存在する」として、選択的夫婦別姓に対する「子どもがかわいそう」という批判に反論。「姓が違うことで不幸になるわけではない。不寛容な社会の視線こそが問題だ」と語り、制度の導入に向けて社会的理解の深化を求めた。
ネットユーザーの反応
「ようやく本気の議論になった。本村さんの訴えが響く」
「“名前は人格”って本当にそう。通称では意味がない」
「制度がないことで婚姻を諦める人がいるって、やっぱり異常」
「子どもの名字を理由に反対する人は、実情をもっと知ってほしい」
「本村議員の熱意に感動した。28年ぶりの審議、期待したい」
本村議員の質疑は、制度の細部にとどまらず、社会のあり方や人権への意識までを問い直すものだった。「今度こそ制度を実現するために、真剣な合意形成を」と呼びかけた姿に、改めて問題の根深さと、変革の必要性が浮かび上がった。