2025-05-28 コメント投稿する ▼
子どもの性被害に「時効撤廃」求める声広がる 法務大臣が制度見直しに言及
子どもの性被害に時効はなじまない 声上げる議員と被害者支援の現場
衆議院法務委員会で5月28日、日本共産党の本村伸子議員が、子どもの頃に受けた性被害の訴追期限や損害賠償請求の時効について根本的な見直しを訴えた。鈴木馨祐法務大臣は「重要な課題」と応じ、制度改正の可能性に言及した。
現在の法律が抱える大きな壁
現在の刑法では、性犯罪に関する公訴時効が5年間延長されており、被害者が18歳になるまではその時効が進まない特例も設けられている。しかし一方、民法上では、被害者が加害者の存在を認識してから3年、例外的に5年で損害賠償の請求権が消滅する仕組みとなっている。
この制度では、たとえ加害者が裁かれても、時効の壁により被害者が損害賠償を受けられない事例が少なくない。幼少期の性被害は、心の傷や記憶の整理に長い年月を要することが多く、「気づいたときにはすでに時効が成立していた」という現実が横たわっている。
法相が「検討に値する」と言及
本村議員はこうした実態を踏まえ、「時効制度は被害の実情に即していない」と指摘。刑事訴追だけでなく民事賠償の道も閉ざされている現状を問題視し、性犯罪に関する公訴時効および損害賠償請求の時効そのものの撤廃を求めた。
これに対し、鈴木法務大臣は「時効のあり方そのものが議論の対象となりうる」と述べ、法改正の余地を残す発言をした。また、損害賠償の権利が確保されることの重要性にも言及し、関係省庁と連携した検討を進める意向を示した。
当事者の声に基づく政策形成へ
本村議員は、2023年に成立した改正刑法の付則で定められた「性被害の申告の困難さを明らかにするための調査」が未実施であることを問題視。調査を速やかに始め、被害者の声を直接聞くことを通じて制度設計を行うべきだと訴えた。単なる制度論ではなく、当事者のリアルな声を政策に反映させることが求められている。
SNSでも賛同と期待の声
この議論に対し、SNS上では多くの共感と期待の声が寄せられている。
「子ども時代の性被害は、時間が経ってから自覚することが多い。時効撤廃は必要」
「大臣の『検討対象』発言は一歩前進。でも、言葉だけで終わらせないでほしい」
「実際に泣き寝入りした人の話をもっと取り上げてほしい。社会の理解が足りない」
「子どもの人権にもっと光を。加害者が守られて、被害者が取り残される構造はおかしい」
「損害賠償が時効で消えるのは不公平。『被害に時効なし』を法で示してほしい」
法改正の行方と社会の責任
性被害の時効撤廃を巡る議論は、単なる法律論を超えた、被害者に対する社会のまなざしの転換を求めている。とりわけ子どもを性暴力から守るためには、時効制度が持つ構造的な障壁を再検討しなければならない。
法務省と国会の議論に、現場の声や当事者の体験をどれだけ反映できるか。これからの立法プロセスに注目が集まる。