2025-04-03 コメント投稿する ▼
雇い止め急増、国の支援打ち切りに現場悲鳴 消費生活相談員の雇用継続を本村議員が訴え
雇い止め率が倍増 専門職が次々と現場を去る現実
消費生活相談員は、契約トラブルや詐欺被害など、消費者のさまざまな悩みに対応する専門職だ。しかし、現在多くが「会計年度任用職員」という一年単位の契約で働いている。この不安定な雇用形態が、雇い止めのリスクを高めている。
本村議員によると、相談員の雇い止め率は2018年度の13.3%から、2024年度には34.7%へと大幅に上昇しており、わずか6年で倍以上に跳ね上がったことになる。
「知識も経験も豊富な方々が、突然仕事を失う。これでは安心して働けない。相談業務の質にも大きな影響が出かねない」と本村氏は訴えた。
国の支援金、今年度で打ち切り 自治体はどうする?
現在、相談員の人件費などに充てられている「消費者行政推進交付金」は、今年度で終了する予定だ。今後は地方自治体の自前の予算で雇用を続けなければならなくなるが、自治体ごとの財政力には差があり、継続は難しいとする声も上がっている。
「人手が足りない」「予算が出せない」「いい人材が集まらない」——自治体の声は切実だ。
本村氏は、「国が責任を持って10分の10の交付金などを引き続き措置しなければ、現場がもたない」と、国による財政支援の継続を強く要望した。
政府の姿勢は?
答弁に立った伊東良孝・消費者担当大臣は、「経験や能力、実績を踏まえて、できるだけ相談員の方々には継続して働いていただきたい」と答えた上で、「行政サービスの水準が落ちないように、必要な対策を講じていく」との考えを示した。
とはいえ、支援金の具体的な継続策については言及がなく、先行きは依然不透明なままだ。
消費者行政の屋台骨を守れるか
消費生活相談員は、消費者が泣き寝入りせずに済むための“最後の砦”ともいえる存在だ。契約トラブルや悪質商法が巧妙化する中で、相談員の存在意義はむしろ増している。
専門知識を持ち、住民の生活を支えてきたベテラン相談員が、雇い止めによって現場を去ってしまえば、その損失は数字では測れない。
国と自治体が連携し、安心して働ける職場環境と、持続可能な相談体制をどう築くかが今、問われている。