2025-11-21 コメント投稿する ▼
本村伸子議員主導でDV・ストーカー法改正成立 追跡タグ規制で被害者保護強化
紛失防止タグなどを使った「追跡・監視行為」を規制対象とする、 ストーカー規制法 と 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(以下 DV防止法) の改正案が、2025年11月25日の衆議院本会議で、全会一致で可決されました。
衆院本会議で改正案可決
紛失防止タグなどを使った「追跡・監視行為」を規制対象とする、 ストーカー規制法 と 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(以下 DV防止法) の改正案が、2025年11月25日の衆議院本会議で、全会一致で可決されました。これにより、ストーカーやDVの被害者が、紛失防止タグなどを使ったいやがらせや監視から守られやすくなります。今回の改正は、被害者の安全確保を求める声に応えたものです。
改正の中身――追跡タグの悪用を規制
今回の改正で、紛失防止タグ(いわゆる GPS タグなど)が悪用され、加害者が被害者の居場所を無断で把握したり、被害者のバッグや車にタグを付けて監視したりする行為が規制対象となります。ストーカー被害者本人からの申し出なしでも、警察が職権で加害者に警告を出すことが可能となります。DV防止法では、こうした監視行為を「接近禁止命令」の対象行為に明記しました。
政府・与党側は、こうした改正の必要性を説明していました。過去には無断で GPS 機器を取り付け位置情報を追尾する行為が、既存の法制度では十分に取り締まれなかったためです。今回の法改正は、こうした法の空白を埋めるものです。
質疑で浮き彫りにされた“監視そのものが暴力”という意識
質疑を主導したのは、 本村伸子 議員(日本共産党)です。本村議員は、過去に ▲神奈川県川崎市で起きたストーカー殺人事件 ▲DVから逃げた被害者が子どもとともに避難した際、「実子誘拐」と言われる脅しを受けた例 などを挙げ、追跡・監視行為そのものが「暴力」であるという認識を政府に問いました。特に「タグによる監視」は、身体的暴力でなくとも、心身に害を及ぼすという指摘です。こうした視点は従来の法律議論では軽視されがちでした。
さらに本村氏は、こうした被害者が長期裁判に追い込まれ、弁護士費用が底をつくケースがあると紹介し、弁護士費用の公費支援制度の創設を強く求めました。加えて、被害者や支援者へのニーズ調査の実施と、その結果を国の政策に反映させるよう要求しました。これに対し、政府側は慎重な姿勢を崩さず、「必要性と範囲を整理する」との答弁にとどまりました。
改正成立でも残る課題と現場への期待
法改正により、テクノロジーを使ったストーカー・DV行為に対する法的な歯止めが強化されたことは、被害者保護の観点から大きな一歩です。特に、加害者が自らの手を汚さずとも、タグやアプリを使って逃げ場を奪うような行為を抑止できる可能性があります。
しかし、課題も残ります。たとえば、第三者(探偵業者など)を通じた情報提供の禁止や、監視そのものを「DV行為」と明言するかどうかは、まだ法整備の検討対象です。本村氏が強く主張したように、被害者の安全を第一とするなら、監視そのものを暴力と認める明文化が必要だという声は、今後も根強いでしょう。
また、実際に被害者が避難したり、子どもを連れて逃げたりする際の支援体制、さらには経済的・法的支援がどこまで整備されるかが問われます。特に地方都市や離島を含む全国の自治体で、支援の実効性があるかが重要です。
今回の改正は被害者を守るための制度整備の出発点ですが、監視を暴力と捉える社会的な認識改変、実務面での警察・行政の対応強化、そして被害者への包括的支援の拡充が求められます。
2025年11月、日本の法制度はようやく「見えにくい暴力」にメスを入れた。だが、真の意味で被害者の命と尊厳を守るためには、これからが勝負です。