2025-11-22 コメント投稿する ▼
再審法改正求め集い 愛知・半田 本村伸子議員も参加
今回の集会には、県弁護士会「再審法改正実現本部」の後藤昌弘弁護士も参加し、東京をはじめ全国各地の冤罪支援団体からの参加もありました。 集会では、2005年に「名張毒ぶどう酒事件」で再審開始決定をした伊藤納弁護士が記念講演を行い、「再審法改正により実効性のある救済手続きとして保障されることが、冤罪に苦しむ人の救済だけでなく、将来の冤罪発生の防止にも役立つ」と述べました。
再審法改正求め市民が集う 愛知・半田で宣言
2025年4月22日、愛知県半田市で「再審法改正をめざす知多半島市民の会」が集会を開催しました。参加者は約70人で、冤罪支援団体や弁護士らが再審制度の抜本的な見直しを訴えました。
再審制度の現状と課題
今回の集会には、県弁護士会「再審法改正実現本部」の後藤昌弘弁護士も参加し、東京をはじめ全国各地の冤罪支援団体からの参加もありました。主催者である稲生昌三氏(「名張毒ぶどう酒事件」特別面会人)は「今国会で再審法改正を審議入りしてほしい。冤罪事件解決と再審法改正は一体です」と明言しました。
現行の再審制度については、1948年制定の刑事訴訟法第4編「再審」の規定が長らくほとんど手つかずのままで、救済手続きとして実効性を欠くという指摘があります。とくに、証拠開示の制度が整っておらず、再審開始決定後に検察が不服申し立てを行える点が、救済の障壁という声が強まっています。
集会での訴えと論点
集会では、2005年に「名張毒ぶどう酒事件」で再審開始決定をした伊藤納弁護士が記念講演を行い、「再審法改正により実効性のある救済手続きとして保障されることが、冤罪に苦しむ人の救済だけでなく、将来の冤罪発生の防止にも役立つ」と述べました。
また「えん罪豊川幼児殺人事件 田邉さんを守る会」の渡辺達郎事務局長は、「再審開始を裁判官の裁量に任せるのではなくルールを作り、公平・公正に事実を調べてほしい」と強く訴えました。
さらに、衆議院議員の本村伸子(日本共産党)が登壇し、「検察は『無罪は検察の負け』ではなく、事実に基づいて人権を守る立場であるべきです」と述べ、再審法改正への決意を語りました。
改正を巡る政治の動き
法務省は来春にも、法制審議会の「刑事法(再審関係)部会」に諮問し、制度見直しを検討する方針を固めています。この部会は、再審請求審における証拠開示、再審開始決定に対する不服申立て、裁判官の除斥・忌避に関する規律などを中心に議論を進める予定です。ただし、確定判決を覆す制度改革には慎重な意見も根強く、改正実現までには時間を要するとの見方もあります。
制度改革の必要性と課題
冤罪事件の救済制度が十分機能していない現状は、人権保障の観点から看過できません。再審法改正が実現すれば、冤罪被害者の救済だけでなく、再発防止という観点からも大きな意義を持ちます。証拠開示制度の明文化や、検察官の不服申立て制限など具体的なルール整備が欠かせません。一方で、確定判決の安定性や司法制度全体への信頼をどう保つかも同時に問われます。時間をかけすぎると救済が遅れ、被害者の苦しみが長引くリスクがあります。早期に議論を進めるべきです。政治的には、改正の実現には政府・国会の強い意思が必要です。今回の集会で示された市民・弁護士らの声を、政界が軽視すべきではありません。