2025-12-03 コメント投稿する ▼
塩川鉄也「介護・保育賃金を全産業平均へ」 公定価格見直しを迫る
しかし、こうした加算をすべての施設が同じように活かせているわけではなく、施設ごとの経営状況や運用の差で待遇にばらつきがあります。 現状のままでは、仮に多少の改善があっても、保育・介護の現場で働く人たちが安心して職を続けられる待遇には程遠い可能性があります。 仮に国が公定価格を引き上げ、保育士・介護職員の賃金を全産業平均に近づけようとしても、それだけでは十分とは言えません。
査定価格(公定価格)引き上げを求める主張
2025年12月3日、衆議院内閣委員会で、塩川鉄也議員(日本共産党=共産)が、介護職員や保育士の賃金を「全産業平均並みに引き上げよ」と国に強く迫りました。塩川氏は、公的サービスの料金や報酬を決める「公定価格」は国が決める制度である以上、賃上げに対する責任は国にあると主張しました。さらに、政府自身が公表した方針でも「物価上昇を上回る賃金上昇を率先すべき」と記されている点を挙げ、「言葉だけではなく実行を」と迫りました。
厚生労働省の審議官は、2024年の統計で、介護職員の賃金は全産業平均に比べ8万3000円低く、保育士は5万7000円低いとの見解を認めました。塩川氏はさらに、「この賃金格差は2023年から拡大している」として、国がいつまでに差を埋めるのか、具体目標を明示するよう政府側に迫りました。ところが、担当閣僚は目標時期を示すことを拒み、「格差解消は重要だ」と述べるにとどまりました。
塩川氏は、「目標年次を決めずに“いつか賃上げ”と言い続けても、差は埋まらない」と断言し、「専門職である介護・保育の担い手にふさわしい大幅な処遇改善」を国の責任で行うべきだと強調しました。
現状の賃金水準と処遇改善の流れ
現時点での保育士の平均年収は、2024年度の統計で約406.8万円(月額約27.7万円+賞与等)となっており、過去5年で上昇傾向にあります。ただし、この数値は手取りではなく、年齢・地域・勤務形態などで大きく差があります。
国は長年、処遇改善を目的とした加算制度 ― たとえば「処遇改善等加算Ⅰ〜Ⅲ」 ― を設け、経験年数や研修、キャリアパスによって賃金の上乗せを進めてきました。しかし、こうした加算をすべての施設が同じように活かせているわけではなく、施設ごとの経営状況や運用の差で待遇にばらつきがあります。
また、研究では補助金によって保育施設の時給が平均で約7%上がると確認されており、それによって離職希望率が下がるというデータもあります。つまり、賃金が改善されれば現場の人手不足が多少なりとも緩和される可能性があるという指摘が過去にあります。
だが、塩川氏が指摘するように、国が示す「全産業平均並みの賃金」という目標に対し、時期も達成プランも示されていないのが今の現実です。現状のままでは、仮に多少の改善があっても、保育・介護の現場で働く人たちが安心して職を続けられる待遇には程遠い可能性があります。
なぜ今、“全産業平均並み”が問題か
日本では少子化と高齢化が同時に進行し、介護と保育の需要が急激に増しています。両分野とも「人の手が必要な仕事」であり、AIなどで代替しにくいため、将来的にも重要で持続的な職種です。
一方で賃金が低いままでは、若い人が続けにくく、人材の流出や現場の疲弊が避けられません。保育士の求人倍率はいまだに高水準で、職を求める人は多くても待遇の改善が追いつかない施設も少なくありません。
国が責任を持って公定価格を見直し、待遇改善を明確な目標とともに進めない限り、「単に制度だけ整える」「加算制度を残す」では不十分です。塩川氏の主張には、ケアの質を守るためにも、そして担い手を守るためにも、正当な重みがあります。
展望と課題 ― 賃金改善だけで足りるか
仮に国が公定価格を引き上げ、保育士・介護職員の賃金を全産業平均に近づけようとしても、それだけでは十分とは言えません。待遇改善とあわせ、施設の経営健全化、業務負担の軽減、キャリア形成の明確化が必須だからです。
現在、一部の施設では加算や手当が導入されて待遇は改善傾向にあります。だが、この流れを全国・すべての現場に広げるには、国の予算確保と制度運用の徹底が必要です。特に地方や私立の小規模施設では、加算制度を活かしきれず待遇が改善しないケースも報告されており、賃金の地域格差・施設格差をぜひ正したいところです。
塩川氏の追及は、単なる野党の批判ではなく、現場の当事者と制度の歪みに向き合う提案です。介護・保育がこれからの社会を支える重要な仕事であるなら、待遇を「お手盛り」ではなく「責任ある正当な評価」に変える必要があります。国会での議論を通じて、制度が現実に即したものになるか注目したいところです。
賃金だけでなく、職場環境、キャリア、安定性――そうした包括的な改善こそが、これからのケア労働にとって必要です。
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