2025-12-04 コメント投稿する ▼
企業・団体献金全面禁止を求める塩川鉄也氏の訴え――賄賂政治と決別を
与党側は「透明性強化」や「規制の強化」で対応する方向を示す一方、塩川鉄也議員(日本共産党=共産)は、献金と企業のパーティー券購入も含めた全面禁止を最優先すべきだと訴え、与野党の間に大きな溝が浮き彫りとなった。 塩川議員は、過去の裏金問題――特に政治資金パーティー券が企業・団体献金の“形を変えたもの”だったという認識を示し、こうした仕組みが温存されている現状を厳しく批判した。
与野党の対立鮮明に ― 衆院政治改革特別委
2025年12月4日、衆議院政治改革特別委員会(以下、特別委)で、いわゆる「企業・団体献金」をめぐる政治資金規正法改正案などについて、各党が意見を表明した。与党側は「透明性強化」や「規制の強化」で対応する方向を示す一方、塩川鉄也議員(日本共産党=共産)は、献金と企業のパーティー券購入も含めた全面禁止を最優先すべきだと訴え、与野党の間に大きな溝が浮き彫りとなった。
塩川議員は、過去の裏金問題――特に政治資金パーティー券が企業・団体献金の“形を変えたもの”だったという認識を示し、こうした仕組みが温存されている現状を厳しく批判した。裏金の使途や関係者の責任を明らかにすることを、今国会の最優先課題と位置づけている。
献金禁止を主張する理由 ― “金で買われる政治”への危機感
塩川氏によると、企業・団体による献金は本質的に「賄賂性」を孕んでおり、政治が大企業や財界の手先になってしまう恐れがあるという。企業は参政権を持たないため、献金を通じて政治に影響を与えることは、国民主権や参政権の価値をゆがめる行為だと指摘する。
さらに、1990年代後半から企業献金が禁じられた後、自民党の派閥がその穴埋めとして政治資金パーティー券の販売を大幅に拡大した経緯を挙げ、「献金の形を変えただけの抜け道」を許すべきではないと主張する。こうした構造こそが、過去の政治資金スキャンダルや“裏金”問題の温床になったという。
この視点に立てば、単なる「透明性の強化」や「報告義務の見直し」では不十分だ。政治への影響力の源泉そのものを断つ――つまり、企業・団体献金を根本から断つ必要がある。これが塩川氏の主張だ。
与党案・他党案の問題点 ― 本丸に手をつけない“政界の言い訳”
一方で、与党や一部野党が提出してきた改正案は、「献金の公開強化」や「制度の透明化」「政党助成金の見直し」などを柱としてきたが、一段踏み込んで献金そのものの根絶には手を付けていない。これに対し、塩川議員は「見せかけの改革」でしかないと厳しく批判する。
また、今回の改正案の一部には、政党への国家による関与や、政党助成金制度の存続が見え隠れする内容もあり、政党の依存先を変えるだけでは問題の根本は解決しない――という懸念がある。企業・団体献金の禁止とともに、政党助成制度の抜本的な見直しも必要だと塩川氏は主張する。 ([日本共産党][2])
市民の声と民主主義の未来 ― なぜ今、全面禁止なのか
企業・団体献金を巡る国会の議論は、ただの法改正ではなく、日本の将来の政治のあり方を問うものだ。多くの有権者が「金で政策が左右される政治」に強い不信を抱いており、過去の裏金スキャンダルは、それを象徴する事件だった。献金問題を放置したままでは、政治への信頼回復は望めない。
企業献金への依存を断ち、政党運営の資金源を市民の献金や政党助成金に限定する――これは単なるコスト削減ではなく、政治とカネの関係を根本から見直す大きな一歩となる。透明性や説明責任だけを強化するのではなく、制度設計そのものに正義を取り戻すべきだ。
もし政治が国民の代表であるべきなら、国民一人ひとりの声が等しく反映され、企業や団体の財力によって優遇されない構造が不可欠だ。今こそ、企業・団体献金全面禁止に踏み切るべき時だ。