2025-06-05 コメント投稿する ▼
南城市・古謝市長が5期目を辞退 ハラスメント認定には「政治的意図」と反論し任期全うへ
古謝南城市長、勇退を表明 政治人生に自ら幕
沖縄県南城市の古謝景春市長は6月5日、定例市議会で「今期限りで退任する」と明言し、来年2月の任期満了をもって政治の一線を退く意向を正式に表明した。これまで市長として4期、市政に携わること延べ20年以上。自らのタイミングで退く決断に、これまでの実績と誠実な姿勢がにじむ。
古謝氏は2002年に旧知念村の村長に初当選し、2006年に南城市が誕生して以降は初代市長として手腕を発揮。市町村合併による混乱を抑え、観光振興や子育て支援策の拡充に注力し、住民満足度の向上にもつなげてきた。2022年には再び市長選に出馬し、幅広い世代の支持を得て返り咲いた。
セクハラ認定も「政治的意図」と反論 辞職は否定
一方で、市が設置した第三者委員会によるセクシャルハラスメントの認定報告が波紋を呼んでいる。報告書では市長の言動を問題視し、辞職を促す内容となっていたが、古謝氏は「まったく身に覚えがない」と主張し、政治的な意図で仕組まれたものだと強く反論している。
市長は「セクハラもパワハラもしていない」と重ねて否定し、辞職については「私を陥れる目的でつくられた流れだ」と訴える。その上で「一度選ばれた立場として、責任を持って任期をまっとうする」と語った。
市議会で不信任否決 支持の声も根強く
古謝市長への不信任決議案は市議会で提出されたが、賛成9、反対10という僅差で否決された。現在市議会は定数20から1人欠員しており、19人構成。不信任を否決した結果は、市長のこれまでの功績や姿勢に一定の評価を寄せる議員も少なくないことを物語っている。
実際、地域住民からは「市の発展に尽くしてくれた」「誤解されている部分も多い」といった声も聞こえており、報道や一部の報告だけでは測れない複雑な背景がある。
ネットでも賛否分かれる声
SNS上では様々な意見が交錯しているが、肯定的な声も目立つ。
「古謝市長は本当に地域に尽くしてくれた方。一方的な報道だけで判断してほしくない」
「ここまで長く勤め上げた市長が、自らの意志で身を引く。その覚悟に敬意」
「すぐ辞めろと言うのは簡単。でも市民が選んだ人。任期を全うするのも責任の形」
「政治的な狙いで攻撃されることもある。真実はそう単純ではない」
「引退の意向を貫いた古謝氏の姿勢は立派。これからの人生も応援したい」
誠実な幕引き 南城市の未来を託して
古謝市長は今回の一連の出来事について、最後まで真摯な態度を崩さず、市政の混乱を最小限に抑えるよう努めてきた。「市民と共に歩んできた22年に感謝している」と語る姿には、南城市への深い愛情が感じられた。
次期市長選では、地域の舵取り役を誰が担うかに注目が集まるが、古謝氏が築いた信頼と基盤は、南城市の政治と行政の貴重な土台として残り続けるだろう。