2025-11-17 コメント投稿する ▼
南城市議会が古謝市長辞職届承認せず、不信任決議で失職へセクハラ問題で混乱2年
議会は辞職届を「受理」したものの「採用しなければならない法的根拠はない」と判断し、予定通り不信任決議案を採決する方向です。 古謝市長は16日に當眞隆夫副市長に辞職の意向を伝え、17日の臨時議会で不信任決議案が可決される直前に辞職届を提出していました。
南城市議会、古謝市長の辞職届を承認せず不信任決議へ セクハラ問題で失職確実
沖縄県南城市議会は11月17日の議会運営委員会で、古謝景春市長から提出された辞職届について承認しない方針を決定しました。議会は辞職届を「受理」したものの「採用しなければならない法的根拠はない」と判断し、予定通り不信任決議案を採決する方向です。9月に続く2度目の不信任決議案可決は必至で、古謝氏は17日付で失職する見通しです。
辞職届提出も議会が拒否の姿勢
古謝市長は16日に當眞隆夫副市長に辞職の意向を伝え、17日の臨時議会で不信任決議案が可決される直前に辞職届を提出していました。しかし議会運営委員会は午後1時に終了した後、「辞職届は議会として『受理』はしているものの、採用しなければならない法的根拠はない」との見解を示しました。
安谷屋正市議会議長(保守系4期目)は報道陣の質問に対し、議会として辞職届は取り扱わない方針を明らかにしています。これにより休憩中だった本会議が再開され、予定通り不信任決議案が上程されることになります。
セクハラ問題で2年間の混乱
今回の問題は2023年12月、公用車の運転手だった女性職員が古謝市長による車内でのセクハラを訴えたことが発端となりました。2025年5月には市議会の第三者委員会が調査を実施し、9人の職員が被害を告発。古謝氏が職員に対してキスをしたり足を触るといった行為が認定され、辞職勧告が出されていました。
「やっと終わりが見えてきた。被害者の気持ちを考えると涙が出る」
「市議選で2千万円もかかったのに、結局不信任決議になるなんて無駄だった」
「辞職届を出すタイミングが遅すぎる。最初から素直に謝罪すべきだった」
「議会が辞職届を承認しないのは当然。責任逃れは許されない」
「被害者の救済が最優先。市長の都合で逃げられてはいけない」
市議会では昨年3月と今年6月、7月に野党議員から不信任案が提出されましたが、与党議員の反対により否決され続けました。しかし9月23日に古謝氏が被害職員に口止めを迫る音声データが公開されると、一部の与党議員も不信任案提出に踏み切りました。
市議選で市長派惨敗、民意は明確
9月26日に4度目の不信任決議案が初めて可決された後、古謝市長は10月16日に市議会を解散しました。11月9日の市議選では定数20に対し25人が立候補し、市長派は4人のうち当選が2人にとどまり、得票合計は投票総数のわずか7%という惨敗を喫しました。
一方で前回の不信任案に賛成した前職は立候補した14人全員が返り咲き、報道各社のアンケートで不信任案に「賛成」すると答えた候補者18人が当選しました。地方自治法の規定により、改選後の不信任案可決には3分の2以上の出席とその過半数の賛成が必要ですが、18人という数字は余裕でこの条件を満たしています。
最後まで責任逃れを図る市長
古謝市長はこれまで「辞職すると、否定してきたセクハラ事案を事実として認めることになる」として辞職を頑なに拒み続けてきました。市議選後も「悪いことはしていない」として出直し市長選への立候補意欲を示し、「何のための議会解散だったのか」と市民から厳しく批判されていました。
17日の臨時議会では午前中に議長・副議長の選出が行われ、その後に不信任決議案の採決が予定されています。市議選の経費約2490万円に加え、市長選にも最低1千万円の費用がかかる見通しで、古謝氏の最後の抵抗により市民の税負担がさらに増加することになります。
人権侵害に対する厳正な対処
内閣府男女共同参画局の報告書でも「セクハラは重大な人権侵害」とされており、今回の不信任決議はようやくこの方針に沿った対応と言えます。古謝氏の失職により、来年1月6日までに市長選が実施される予定ですが、市民からは「辞職届を出すのが遅すぎる」「最後まで責任逃れを図っている」との厳しい声が上がっています。