2026-01-04 コメント投稿する ▼
日本政府、米ベネズエラ攻撃で国際法尊重を強調も評価は保留
日本政府は2026年1月4日、米国によるベネズエラへの軍事攻撃とマドゥロ大統領拘束を受け、外務報道官の談話を発表しました。一貫して国際法の原則の尊重を重視してきたと強調する一方、米国の軍事行動への明確な評価は避け、同盟国として難しい立場に立たされています。
邦人保護に万全、連絡室を設置
政府は米国によるベネズエラ攻撃を受け、外務省内に中南米局長をトップとする連絡室を設置しました。在ベネズエラ日本国大使館には現地対策本部を立ち上げ、領事メールとスポット情報を発出するなど、在留邦人の安全確保に対応しています。
ベネズエラには約160人の邦人が滞在していますが、これまでに大半の在留邦人と連絡が取れており、現時点までに邦人被害の情報はありません。政府は邦人の安全確保に最優先に取り組み、関係国と緊密に連携して情報収集を含めた対応に努めるとしています。
国際法の尊重を強調、米国への評価は保留
外務報道官談話では、日本政府としてこれまでも一刻も早くベネズエラにおける民主主義が回復されることの重要性を訴えてきていると述べました。その上で、米国による軍事攻撃を念頭に、わが国は従来から自由、民主主義といった基本的価値を尊重してきたとし、一貫して国際社会における国際法の原則の尊重を重視してきたと強調しました。
しかし、談話では米国の軍事行動が国際法に違反しているかどうかの評価や、行動を支持するかどうかについては明言を避けています。今後についても、こうした一貫した立場に基づき、G7や地域諸国を含む関係国と緊密に連携しつつ、引き続き邦人保護に万全を期するとともに、ベネズエラにおける民主主義の回復及び情勢の安定化に向けた外交努力を進めていくとしています。
「日本政府また玉虫色の対応か」
「国際法の尊重って言うなら米国にもはっきり言えよ」
「同盟国だから何も言えないんだろうな」
「ロシアには厳しいのにアメリカには甘い二重基準」
「難しい立場なのはわかるけどモヤモヤする」
日米同盟と国際法、板挟みの日本政府
トランプ大統領が国際法違反の疑いもある武力行使に踏み切ったことで、日本政府は同盟国として米国を支持するかどうか、難しい判断を迫られる可能性があります。
日本を含むG7外相は2025年1月の声明で、ベネズエラのマドゥロ大統領を民主主義上の正統性が欠如していると非難しました。民主主義や人権の観点では米国と問題意識を共有してきた経緯があります。
しかし、今回の軍事攻撃を容認すれば、ウクライナ侵略を続けるロシアや、インド太平洋地域で覇権主義的な動きを強める中国に誤ったメッセージを送りかねないとの懸念があります。日本政府は従来から力による一方的な現状変更は世界のどこであっても許されないと主張してきました。
複数の国際法専門家が、米国の行動は国連憲章2条4項違反の可能性があると警告しています。麻薬カルテルが危険だという理由だけでは、国連憲章が認める自衛権として認められないとの見解が強いのです。主権国家の元首を武力で拘束する行為は、極めて異例で国際法上の正当性が問われる事態です。
各国の反応、評価分かれる
米国の軍事行動に対する国際社会の反応は分かれています。中国外務省は米国の覇権的行為は国際法に著しく違反し、ベネズエラの主権を侵害しているとして断固反対を表明しました。ロシアはマドゥロ大統領の解放を要求し、米仲介のウクライナ和平に影響が出る可能性を示唆しています。
キューバは卑劣な行為と批判し、コロンビアは対話を促しています。ベトナム外務省報道官も深い懸念を表明しました。国連のグテーレス事務総長は強い懸念を示し、国連安全保障理事会は1月5日に緊急会合を開催する予定です。
一方、英独仏は米国の攻撃への評価は回避しつつ、マドゥロ大統領の拘束自体は受け入れる姿勢を示しています。米国内でも民主党はベネズエラ攻撃を違法と非難し、共和党は正当性を強調するなど、評価が分かれています。
G7対応を注視、日本の判断は
日本政府は国家安全保障会議の開催を検討しており、G7各国の対応を注視しながら慎重に判断を進めるとみられます。高市早苗政権にとって、日米同盟の維持と国際法の尊重という二つの原則の間で板挟みの状態です。
トランプ大統領は拘束したマドゥロ大統領を米国に移送した上で、無法な独裁者を法の裁きに付すと述べました。また、埋蔵量が豊富なベネズエラの石油について、米石油大手が権益を掌握する方針も打ち出しています。
日本政府の談話は、民主主義の回復を訴えつつ国際法の尊重を強調することで、米国への配慮と国際法重視の立場のバランスを取ろうとする姿勢がうかがえます。しかし、明確な評価を避けたことで、日本の外交姿勢に対する国内外の注目が高まっています。
ベネズエラ情勢は今後、国際秩序のあり方を巡る議論に発展する可能性があり、日本政府の対応が問われる局面が続きそうです。