2025-12-17 コメント投稿する ▼
日本がシリア新政権下で7.92億円人道支援 茂木外相がUNHCRに法的文書発行支援実施
日本政府が2025年12月10日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に対して7.92億円の無償資金協力を実施することが明らかになりました。2024年12月8日にアサド政権が崩壊し、シリア情勢が劇的に変化する中で、新たな支援の必要性が高まっています。この協力事業は、シリアにおける法的文書の発行体制整備を通じて、帰還民や国内避難民の権利保護を図るものです。
アサド政権崩壊後の新たな局面
反政府勢力が首都ダマスカスを制圧し、半世紀以上続いたアサド政権が崩壊しました。これまでに120万人以上のシリア難民が近隣国から自主的に帰還し、国内避難民も190万人が元々住んでいた地域へ戻っていますが、法的地位の確立が急務となっています。
茂木敏充外務大臣の下で実施されるこの支援は、政権交代という歴史的転換期におけるシリア復興支援の一環として位置づけられます。茂木氏は2025年10月に高市内閣で外務大臣に再任されており、シリア情勢の変化に対応した迅速な外交判断として注目されます。
法的文書発行体制の整備支援
今回の無償資金協力「持続可能な帰還及び再統合のための人道的保護計画(UNHCR連携)」は、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ダラア県、スウェイダ県、デリゾール県の5県において実施されます。
具体的には、出入国管理局、住民登録所、登記所の整備を通じて、法的文書の発行および住民登録等の社会サービスへのアクセス改善を図ります。UNHCRはシリア政府と協力し公的証明書の発行機関の整備を進め、帰還民や国内避難民、受け入れコミュニティの人々が法的身分を確立し、基本的な権利にアクセスできるよう支援します。
「ようやくシリアに平和が来るかもしれない。法的地位が確立されれば安心して生活できる」
「アサド政権下では身分証明すら危険だった。新政権で状況が改善されることを願う」
「帰還した家族が法的な手続きを安心してできる環境が必要だ」
「日本の支援で行政システムが整備されれば、復興も早まるはず」
「証明書発行が円滑になれば、教育や医療も受けやすくなる」
日本のシリア支援の継続性
日本は2012年以降、シリア及び周辺国に対して総額約35億ドルの支援を行ってきており、2024年10月にも1,000万ドルの緊急無償資金協力を実施しています。今回の7.92億円(約537万ドル)の支援は、政権交代後の新たなニーズに対応した追加的措置として実施されました。
2011年3月以降のシリア危機により、全土で約40万人以上の死者、670万人以上の国内避難民が発生し、今世紀最悪の人道危機の一つとされる状況が続いてきました。アサド政権崩壊後も、国内の9割がいまだ人道支援を必要としている状況です。
暫定政権との協力課題
暫定政府を率いるシリア解放機構(HTS)は3月までの暫定統治と新憲法制定を発表していますが、新政権の統治能力や国際的正統性には課題も残されています。
今回の日本の支援は、特定の政治勢力を支援するのではなく、人道的観点から市民生活の基盤整備に焦点を当てている点が特徴です。行政サービスの復旧は政治的立場を超えた基本的ニーズであり、どのような政権下であっても必要な支援として位置づけられています。