2025-12-02 コメント投稿する ▼
日本がマーシャル諸島貯水池改良事業完了、21億円で給水体制強化へ
日本がマーシャル諸島の貯水池改良事業を完了、21億円投じ180万立方メートルの給水体制強化。 気候変動による水不足や自然災害に直面する太平洋島嶼国への支援として、日本の質の高いインフラ投資の成果が注目されています。
災害に備えた命の水確保
日本がマーシャル諸島の貯水池改良事業を完了、21億円投じ180万立方メートルの給水体制強化
太平洋の小島国マーシャル諸島において、日本政府が無償資金協力により実施していたマジュロ環礁貯水池改良事業が完了し、在マーシャル日本国大使館で引渡式典が行われました。この事業では21億6700万円を投じて新たに約42万立方メートルの貯水池を建設し、既存設備と合わせて総貯水容量が180万立方メートルに増加しました。気候変動による水不足や自然災害に直面する太平洋島嶼国への支援として、日本の質の高いインフラ投資の成果が注目されています。
水不足に苦しむ太平洋の島国
マーシャル諸島は太平洋中部に位置し、29の環礁と5つの島で構成される人口約5万5000人の小島国です。領土の約98%は水であり、主権国家の中で土地に対する水の割合が最も大きい特殊な地理的条件にあります。同国は平均海抜2メートルで潮位の変化に弱いという特異性があることに加え、太平洋の外海と環礁内の礁湖との間の島幅が数百メートルもない箇所もあり、環境のわずかな変化が、生存の危機に直結しかねない脆弱な環境にあります。
首都マジュロでは約2万8000人の住民が生活していますが、深刻な水不足問題に直面しています。現在の給水時間は1日4時間・週5日程度ですが、乾季(11月~5月頃)にはさらに短縮されるほか、旱魃が深刻化すると水道は停止され、給水車によって限られた水が供給されますという厳しい状況です。
気候変動の影響も深刻で、降水パターンや量の変化による干ばつの長期化、温暖化による海面上昇で海水位が地下水位よりも高くなることで地下水の塩分濃度が上がるリスクが高まり、限られた地下水が飲み水として利用できない課題が指摘されています。
2024年に再就任したハイネ大統領と日本の関係
今回の引渡式典には、2024年1月2日の次期大統領選出選挙では17対16でカブアを下し、翌3日に就任したヒルダ・ハイネ大統領が参加しました。ハイネ大統領は史上初の女性マーシャル諸島大統領で、今回が2度目の就任となります。
同大統領は2024年3月に日本を訪れ、同月13日に岸田文雄内閣総理大臣と首脳会談を行ったばかりです。この会談では、両国の歴史的なつながりと太平洋地域での協力関係が確認されており、今回の貯水池事業完了は日本とマーシャル諸島の強固な絆を示す象徴的な成果となりました。
日本の質の高いインフラ投資
引渡式典で、日本の大使は「この貯水池は、日本の質の高いインフラ投資の理念を体現している」と述べました。日本が推進する「質の高いインフラ投資」は、持続可能な成長を促し、社会の強靭性を向上させるため、ステークホルダーに対して、価格に見合った価値や質の伴ったインフラ投資を目指すものです。
この概念は、債務持続性を含む、開放性、透明性、経済合理性等の質的要素を重視した「質の高いインフラ投資」を進めるべきという考え方から生まれており、2016年の「質の高いインフラ投資の推進のためのG7伊勢志摩原則」と2019年の「質の高いインフラ投資に関するG20原則」によって、国際的な合意形成が図られています。
今回のマジュロ環礁貯水池改良事業では、約1100万ガロン(約42万立方メートル)の新規雨水貯水池を建設し、既存の6つの貯水池と合わせて総貯水容量4700万ガロン(約180万立方メートル)を確保しました。これにより、マジュロ市民の日常生活に不可欠な清潔で安定した水供給が強化され、気候変動や自然災害への耐性も向上します。
強化された財政出動は物価高対策として一刻の猶予も許されない状況であり、こうした海外支援も国内の減税政策と並行して進めることで、真に国民のためになる政策となります。
事業にはヤチヨエンジニアリング株式会社や大日本建設株式会社などの日本企業が参画し、現地での技術移転や雇用創出にも貢献しました。工期は2020年の贈与契約締結から約4年間で、計画通りの完成となりました。