2025-11-21 コメント投稿する ▼
外務省事業で日本研究者が中国共産党と交流
「JENESYS2025」の一環として実施された日本青年研究者訪中団が、中国共産党との直接交流を行い、参加者から中国に批判的な世論は「メディアの影響」によるものだという中国側の主張に同調する発言が出ていることが明らかになりました。 今回問題となっているのは、公益財団法人日中友好会館が実施した「JENESYS2025」日本青年研究者訪中団で、10月19日から25日にかけて実施されました。
外務省事業で中国共産党と直接交流
外務省が推進する対日理解促進交流プログラム「JENESYS2025」は、日本とアジア大洋州の各国・地域との間で、将来を担う人材を招聘・派遣し、政治、経済、社会、文化、歴史、外交政策等に関する対日理解の促進を図ることを目的とした事業です。
今回問題となっているのは、公益財団法人日中友好会館が実施した「JENESYS2025」日本青年研究者訪中団で、10月19日から25日にかけて実施されました。この事業は、中国社会科学院の招待により、日本の大学・研究機関等に所属する青年研究者を訪中派遣したものです。
訪中団の活動内容には、中華人民共和国外交部訪問、「可能有書」書店・27院児視察、日中青年学者座談会(中国社会科学院日本研究所の学者との交流)、中国共産党中央対外連絡部訪問、中国考古博物館視察、中国歴史研究院の学者との交流などが含まれていました。
参加者から問題発言が続出
特に深刻なのは、参加者から出た感想です。ある参加者は「中国では、中国社会がすでにかなりの発展をみせているにもかかわらず、日本人が中国に良いイメージが無いのは、メディア等の影響で中国の真の姿を見ていないからとの認識が根強い。それ故に、中国は日本人を中国に招いて等身大の中国を見て欲しいと考えている」との感想を述べました。
また別の参加者は「中国の伝統文化に親しみを持っていたつもりでした。しかし、恥ずかしながら、実際は日本の源流という意味で中国の文化を見ていたに過ぎず、中国自身の文化、そして現代の中国について関心を向けていたかと問われれば、そうではなかったということに気づきました」と述べています。
中国共産党の統一戦線工作の疑い
過去の同様の事業では、共産党中央対外連絡部で同部や中国国際交流協会、中国経済交流センターの若手職員らと「互いの国への印象や日中関係」をテーマに日中代表者による発表が行われたことが報告されています。
中国共産党中央対外連絡部は、外国の政治家、学者、ジャーナリストなどに対する統一戦線工作を担当する機関として知られています。日本の研究者を招待して中国に好意的な印象を植え付け、帰国後に親中的な発言をさせることは、典型的な統一戦線工作の手法とされています。
外務省の責任と改善の必要性
日中友好会館は日中両国政府の合意に基づき1983年に設立された公益法人であり、外務省の拠出を受けて日中青少年交流事業を実施しています。外務省の予算で実施される事業において、中国共産党の宣伝に同調する発言が出ることは極めて問題です。
今回の事例は、中国側が巧妙に設計したプログラムによって、日本の若手研究者が中国共産党の主張を受け入れさせられた可能性を示しています。外務省は事業の実施方法を根本的に見直し、国益に反する結果を招かないよう厳格な管理体制を構築する必要があります。
このような状況が放置されれば、日本の将来を担う研究者や学術関係者が中国の影響下に置かれ、長期的に国家安全保障上の重大なリスクとなる恐れがあります。