2017-05-11 コメント投稿する ▼
「なんとなく28度」で国民を我慢させた?クールビズの室温設定に科学的根拠なしと元環境省課長が証言
「なんとなく28度」に国民唖然 クールビズの室温設定、科学的根拠なしの驚愕実態
毎年夏になると、「冷房は28度で」と繰り返されるクールビズの呼びかけ。その室温設定が「なんとなく」で決まっていた——。2005年に制度を立ち上げた当時の環境省担当課長で、現在は法務副大臣を務める盛山正仁氏が、政府内の副大臣会議で衝撃の事実を口にした。
「科学的知見をもって28度に決めたのではない。なんとなく28度という目安でスタートした。それが独り歩きしたのが正直なところだ」——。盛山氏のこの発言が公になり、SNSでは怒りと呆れの声が噴出している。
「そりゃ暑いと思ってたけど、“なんとなく”で決めてたとは…」
「省エネの皮を被った“思いつき政策”だったのか」
「科学的根拠ないのに、企業や学校が従ってたの馬鹿みたい」
「不快な28度」は科学でも常識でもない 官邸内でも見直し論
盛山副大臣の発言を受け、官邸内でも28度設定に対する見直しの動きが強まっている。ある副大臣は「28度は無理があるのではないか。実はかなり不快な温度。科学的に検討を加えるべき」と発言。官房副長官の萩生田光一氏も「汗をかいて洗濯物が増える」と、生活者目線からの見直しの必要性に言及した。
菅義偉官房長官(当時)も会見で「28度をメドにするという決まりにはなっているが、皆さんが過ごしやすい温度でいいのでは」と語り、実質的に一律設定の意義を否定した。
こうした声は、現場の実感とも大きく一致する。実際に28度という設定は、湿度や服装、空気の流れなどの条件次第で極めて不快な環境を作り出すこともある。
“根拠”とされたのは法律の上限値 基準と目安は違う
環境省は現在も「冷房時の室温28度」を公式に推奨しているが、その根拠として挙げているのは、労働安全衛生法に基づく「事務所衛生基準規則」で定められた上限温度。この規則はあくまで「許容範囲」であり、「快適」とはまったく別物である。
さらに、クールビズの公式サイトでは「28度にすることで1.8度分の電力削減効果が期待できる」と説明しているが、これは空調設備の稼働率を前提としたモデルケースに過ぎず、体感温度や業務効率とのバランスを考慮したものではない。
「法律の“上限”を“最適”にすり替えるの、完全に詐欺的だよね」
「不快でも我慢しろって政策はもうやめてくれ」
小池百合子氏が始めた「演出型政策」の功罪
クールビズは2005年、当時環境大臣だった小池百合子東京都知事が打ち出した政策である。軽装での勤務を推奨し、冷房使用を控えて地球温暖化対策を行うという“見た目にもわかりやすい”取り組みとして、多くの官公庁や企業に浸透した。
しかし今回の発言で明らかになったのは、その「見た目の美しさ」の裏にある、科学的な根拠の欠如だ。「なんとなく」で決めた28度が、数十年にわたって行政・民間双方で遵守されてきたという事実は、まさに“演出優先”の政治の典型とも言える。
こうした方針が現場の生産性や労働環境を無視し、「我慢」を美徳とするような同調圧力を生んだ可能性は否定できない。実際、オフィスでの冷房調整を巡っては、労使間のトラブルや健康被害を訴える声も存在してきた。
「脱・思いつき政策」へ転換を 省エネと快適さの両立こそ課題
政府や自治体が環境政策を進めるうえで、必要なのは科学的な根拠に基づくデータ主導の判断だ。「とりあえずこれでやってみよう」という感覚的な政策ではなく、生活者の感覚や体への影響、さらには働く現場の実態を踏まえた設計が求められている。
冷房の温度設定一つとっても、それが何千万人もの国民生活に影響を与えるという認識を、政策担当者は忘れてはならない。省エネの必要性は否定しないが、快適さを犠牲にした「なんとなく」は、もう許される時代ではない。