2025-06-17 コメント投稿する ▼
【森友問題】佐川宣寿・元国税庁長官が自民献金企業に天下り 東証上場企業が用意した“安住の地”
森友問題の“顔”が天下り 佐川元長官に東証上場企業が用意した“安住の地”
森友学園をめぐる公文書改ざん問題で国会に50回の答弁拒否を重ね、「疑惑の象徴」となった元財務官僚・佐川宣寿氏が、自民党と親密な企業に“天下り”していたことが明らかになった。
週刊文春の報道によると、佐川氏は鹿児島県に本社を置く東証プライム上場企業の顧問に就任していたという。この企業は、過去に自民党への政治献金を継続的に行っていた“政界寄り”の体質を持ち、国政と財界とのなれ合いが、ここでも露呈した形だ。
「森友の…」が忘年会に参加 財務省で何が行われたかを知る男
佐川氏の名前が一躍全国に知れ渡ったのは、2018年3月の国会証人喚問。当時、森友学園に関する財務省の決裁文書が改ざんされていた問題の渦中にあった彼は、与野党の質問に対し約50回にわたり「刑事訴追の恐れがあるため答弁を差し控える」と繰り返し、国民の怒りを買った。
改ざんを強いられた近畿財務局職員・赤木俊夫さんが命を絶ったのち、佐川氏は国税庁長官の職を辞任。その後、動向は表舞台から消えていた。
だが今回、同氏が顧問を務めていた企業の内部関係者が、「2023年の冬から社内で見かけるようになった」と証言。忘年会にも参加し、役員たちと親しげに酒を酌み交わしていたという。
「国の信用を傷つけた人間が上場企業の“ご意見番”とは…」
「赤木さんの遺族は今も闘ってるのに、これはない」
“献金企業”が用意したポスト 自民と企業の癒着は今もなお
この企業は、2010年以降、政治献金の窓口である「国民政治協会」に対し、グループ会社も含め合計330万円を献金。また、特定の自民党議員と関係が深いことも報じられており、政界との結びつきがうかがえる。
週刊文春の直撃取材に対し、副社長は佐川氏の就任を認めたものの、「経緯は社長が対応した。自分は詳しく知らない」と回答。後日企業側は「個人情報に関わるためお答えできません」と口を閉ざした。
「献金してる企業に官僚が天下り…この国は変わらないのか」
自民党政権が続く中で、政界と特定企業の親密な関係はますます見えづらくなっている。今回のケースも、“元官僚”という肩書がどこで、どう生かされているのか。少なくとも「政治と金」の距離が遠いとは言いがたい構図だ。
責任から逃れ、報酬と安定は確保 問われる道義と倫理
佐川氏は公文書改ざん問題において、調査報告書でも「改ざんの方向性を決定づけた」と明記された人物である。それにもかかわらず、起訴も辞職勧告もなく、退職後は上場企業の“顧問”という立場で厚遇されていた。
一方で、赤木俊夫さんの妻・雅子さんは今もなお国と闘い続け、真相究明と謝罪を求めている。そのコントラストはあまりにも鮮烈だ。
「責任を取らない政治、取らせない構造。その象徴が佐川氏」
財務省が「問題の核心にいた」と認定しながらも、処分も追及も及ばないままの“幕引き”。そこに企業という“受け皿”が存在することが、この国の統治構造の欠陥を浮かび上がらせている。
天下りを許す企業の倫理、登用する政治家の責任、そして再発防止への制度改革。問われているのは過去ではなく、今とこれからの「政治の透明性」そのものである。