2025-04-18 コメント: 1件 ▼
財務省が減税を嫌がる本当の理由――補助金で“配る快感”に酔う官僚たち
ガソリン減税をめぐる“財務官僚の都合” 補助金優先の裏にある本音
ガソリン価格の高止まりが続く中、政府は6月からリッターあたり10円の補助金を出す方向で動いている。物価高対策の一環というが、その一方で、与党3党(自民・公明・国民民主)が昨年末に合意した「ガソリン暫定税率の廃止」はいまだに棚上げ状態だ。
この“減税アレルギー”の根っこには、財務省の強い抵抗があると見る向きが多い。
なぜトリガー条項を使わない?
ガソリン税には「本則」と「暫定」の二本立てがある。もともと28.7円/Lの本則税率に、25.1円の暫定税率が上乗せされてきた。この暫定税率は、本来“臨時”の措置だったが、すでに常態化して久しい。
そして、この暫定税率を一時的に停止する「トリガー条項」も制度としては存在する。全国平均価格が160円を3カ月連続で超えれば自動的に発動、25.1円分がカットされる仕組みだ。しかし、東日本大震災後に「復興財源が必要」との理由で凍結されたまま、今も解除されていない。
財務省は「一気に25円も下がれば混乱が起きる」と説明するが、これは正直、詭弁に近い。市場が混乱するのではなく、財務省の都合が悪くなるだけだ。
なぜ補助金ならOKなのか?
今回検討されている補助金案は、石油元売り会社に対して政府が支払う仕組み。財源はもちろん国民の税金だ。しかも、2023年のガソリン補助金支出は1.6兆円と、トリガー条項での減税(約1.57兆円)を上回っている。
減税ならば、そもそも税金を取らないので国民にもわかりやすく、事務コストも抑えられる。しかし財務省としては、徴収した税金を“再分配”する補助金のほうが扱いやすいのだ。
この「取って配る」構造こそが、官僚にとっての“既得権益”なのである。
国民の感覚とずれる“財務省の論理”
さらに不可解なのは、減税には必ず「代替財源を示せ」と言うのに、給付金や補助金になると途端にその話が出てこなくなることだ。財務省は「減税は恒久的で財政に影響が大きいから」と説明するが、そうであればなおのこと、国民にとって恒久的に負担が軽くなる減税のほうが優先されるべきではないか。
民間経済が混乱すると決めつける財務官僚の姿勢には、国民の生活実感とかけ離れた“上から目線”が透けて見える。
政治家の責任は“官僚の顔色”ではなく“国民の声”に応えること
ガソリン価格の高騰は、特に地方や物流業界にとっては死活問題だ。にもかかわらず、トリガー条項の解除もせず、暫定税率の廃止も進まず、毎年のように巨額の補助金が積まれていく。
今こそ政治家は、財務官僚の“理屈”ではなく、国民の“常識”に応えるべきだろう。減税は「無理」なのではなく、「やりたくないだけ」——その現実を、国民は見抜き始めている。