2025-04-11 コメント投稿する ▼
「消費税率の引き下げは適当でない」加藤財務相、減税論に改めて否定的見解
しかし、政府側は冷静な構えだ。11日、加藤勝信財務大臣は「消費税率の引き下げは適当でない」との見解を改めて示し、減税論には明確に否定的な姿勢を崩さなかった。
現金給付より減税?維新・萩原議員の提起
この日の衆院財務金融委員会で、日本維新の会の萩原佳衆院議員は、政府の物価高対策として打ち出された現金給付政策に疑問を呈した。
「6兆円以上の予算をかけて国民に5万円を配るより、食料品の消費税を0%にした方が、効果があるのではないか」
こう問いかけた萩原氏に対し、加藤大臣は「政府としては石破総理の方針のもと、消費税の引き下げは適当でないとの認識に変わりはない」と答弁した。
もし0%にすれば…減収は5兆円規模
財務省幹部によると、仮に軽減税率の対象である食料品などの税率を8%から0%に引き下げた場合、国と地方を合わせて約5兆円の減収になるという。こうした試算が、政府が慎重姿勢を取る一因でもある。
一方、立憲民主党内では食料品の消費税ゼロを参院選の公約に掲げようという動きもあり、野党側の圧力は強まっている。
国民の6割が減税に「賛成」
JNNの最新世論調査では、消費税減税に「賛成」と答えた人が61%に上った。政府に慎重論が根強い一方で、生活者の実感としては負担感の軽減を望む声が明らかに増している。
また、経済界からも動きが出始めており、全国商工団体連合会は「消費税を5%に戻し、インボイス制度は廃止すべき」と訴える。
焦点は「持続可能な財源」
もっとも、減税には当然ながら財源の裏付けが必要だ。一部では「使途不明瞭な積立基金」などの活用が提案されているが、継続的な運用には疑問の声もある。
財政の健全性と国民生活の安定。この両立をどう図るかが、今後の焦点となりそうだ。