2025-04-04 コメント投稿する ▼
赤木氏遺族の訴え受け…財務省が森友文書公開 全17万ページ段階開示へ
加藤勝信財務大臣は同日の記者会見で、「公益上、特に必要であると判断した。情報公開法第7条に基づいて開示した」と述べ、黒塗り(マスキング)は可能な限り減らしたと強調した。
段階的に17万ページを開示へ
今回の文書開示は一度きりではない。財務省は今後1年かけて、段階的に約17万ページに及ぶ資料を公開していくという。初回となる今回の開示では、約2000ページが対象となった。これらには、財務省本省と近畿財務局とのやり取りや、森友学園側との交渉内容、職員間のメールなどが含まれている。
個人名やメールアドレスなど、いわゆる個人情報については引き続き黒塗りとされたが、それ以外の部分は極力隠さずに公開された。
なぜ今、開示なのか
森友学園問題が表面化したのは2017年。小学校の建設をめぐり、学園が国有地を大幅に値引きされて取得していたことが報じられ、安倍晋三元首相の妻・昭恵氏が名誉校長を務めていたことも重なり、国会でも大きな論争となった。
2018年には、財務省が関連文書の改ざんを認めたが、問題はそれだけにとどまらなかった。改ざんの中心にいたとされる近畿財務局の職員・赤木俊夫さんが自ら命を絶ち、遺族が真相解明を求めて裁判を起こす事態にまで発展した。
遺族「ようやく、ここまで来た」
赤木さんの妻・雅子さんは、今回の文書開示を受けて記者団の取材に応じ、「夫が命をかけて伝えたかったことが、ようやく一歩前に進んだ」と話した。開示された文書の一部をバッグに入れ、夫の遺影の前に供えたという。
「まだ全てが開かれたわけではないけれど、少しずつでも明らかになっていってほしい」と、静かに語った。
今後の見通し
今後、6月には赤木さんが生前にまとめていたとされる詳細な業務記録も公開される見込みだ。さらに、他の職員による記録やメモも順次開示され、最終的には来年3月までにすべての文書が公開される予定となっている。
ただし、その総量は膨大であり、すべての内容を精査し、責任の所在を明確にするには、まだ時間がかかりそうだ。
- 財務省が森友学園問題関連の文書を開示開始。初回は約2000ページ。
- 約1年かけて17万ページ以上を段階的に公開予定。
- 黒塗りは最低限に。個人情報などを除き、やり取りが明らかに。
- 赤木俊夫さんの遺族が開示を評価。「ようやく一歩進んだ」とコメント。
- 6月には赤木さん作成の業務記録も開示予定。