2025-04-27 コメント投稿する ▼
コメ不足と高騰が止まらない本当の理由──「お金さえ出せば手に入る」と語った農水相の無責任
いま、主食が買えない国になっている
「米さえあればなんとかなる」。そう信じてきた日本人が、今、スーパーで足を止めている。5キロで4,000円台、都心部では5,000円以上するケースも珍しくない。農水省の最新データ(4月21日)によれば、全国平均で5キロあたり4,217円と、前年の約2,000円から倍増している。
一方で、品薄の棚を前にして立ちすくむ消費者は、ただ価格に驚いているわけではない。こうした危機に対し、政府が機能していないのではないかという不信感が、静かに広がっている。
「お金さえ出せば手に入ると日本人が信じ過ぎた」発言が波紋
4月22日、江藤拓農林水産大臣は会見でこう述べた。
お金さえ出せば手に入るということを、日本人が信じ過ぎたがゆえに、私は食料自給率が低すぎたという側面があると思っています
買い占めが問題だとするこの姿勢に、消費者からは怒りと困惑の声が広がっている。「信じ過ぎた」責任をなぜ国民が問われなければならないのか、という反発が強い。
スーパーの副店長は「そもそも買い占めるほどの米がない。欲しい人に行き渡るような量が市場にない」と話す。つまり、現場には“買い占め”以前に“買える米”が少ないのだ。
減反政策の“ツケ”と備蓄米の不全
背景にあるのは、長年続けられてきた減反政策と、それに依存した制度設計だ。表向きには2018年に減反廃止が宣言されたが、実際には転作への補助金などによって、コメの作付面積は減り続けている。
加えて、政府が「緊急放出」と称して出してきた備蓄米も、ほとんど市場価格を抑える効果を発揮していない。消費者の手元には、備蓄米は全体の0.3%程度しか届いていないという指摘もある。
SNS上の声──「原因は明らかに政府」
X(旧Twitter)などSNSでも、次のような声があがっている。
「減反してたら足りなくなるの当たり前でしょ」
「庶民に責任を押しつけるなよ」
「コメ買い占めなんてしてない。そもそも売ってない」
「備蓄米の放出って名ばかり。市場に出てこないじゃん」
「大臣の発言、まるで他人事」
政治の責任を問うとき
昨年、「秋には価格は落ち着く」「新米が出れば解消する」と政府は説明していた。しかし現実はまったく逆。その場しのぎの予測に終始し、結果的に信頼は地に落ちている。
東京都内の米屋の店主はこう語る。
「もう政府には期待できない、という空気を感じます。備蓄米も回ってこないし、価格だけがどんどん上がっていく。こんな状況を“消費者のせい”にするのは筋違いでしょう」
主食が高騰するという国の異常
- コメ価格が倍増、5キロで4,000~6,000円という異常事態
- 政府は「消費者が買いすぎた」と責任転嫁
- 減反政策の実質継続と備蓄米流通の失敗が供給不足を招く
- 消費者や現場からは「政府の失策」との声
- 必要なのは言い訳ではなく、現実に即した政策転換と責任ある対応
いま政府に求められているのは、国民に“考えろ”と説くことではなく、自らの政策判断の誤りと向き合い、主食を守る覚悟を示すことではないか。