2025-04-28 コメント投稿する ▼
コメ価格高騰止まらず、5キロ4220円に 16週連続上昇と政府の備蓄米放出策
コメ価格が5キロ4220円に 記録的高騰続く
全国の食卓に欠かせないコメの価格が、またもや最高値を更新した。農林水産省が4月28日に発表したところによると、4月14日から20日の間に全国のスーパーで販売された5キロ当たりの平均価格は4220円。前週より3円高く、これで16週連続の値上がりとなる。
前年同期と比べると、その価格はほぼ倍増。昨年同時期には2088円だったことを考えると、家計への負担が大きくなっているのは間違いない。
背景には、昨年の天候不良による作柄の悪化、肥料や燃料価格の高騰、そして物流コストの上昇といった複合要因がある。加えて、円安の影響で輸入コストも押し上げられ、国内の農業経営も厳しさを増している。
政府は、こうした事態に対応するため、備蓄米の放出に踏み切った。これまで2回の入札で21万2千トンを市場に供給し、その94%を全国農業協同組合連合会(JA全農)が落札。JA全農は4月末までに、落札分のうち約3割弱を卸売業者に販売する予定だ。すでに一部スーパーでは陳列が始まっているが、店頭価格の下落にはつながっていないのが現状だ。
石破茂首相も動いた。新米が出回る7月ごろまで、毎月備蓄米を放出するよう江藤拓農相に指示。政府は3回目の入札(10万トン規模)を4月23~25日にかけて実施した。今回の放出分はすべて2023年産であり、鮮度の関係から、スーパー店頭よりも外食産業向けに多く流れる見通しだ。
農林水産省によれば、スーパーでのコメの販売数量は前年同期比で14.9%増加している。これは、家計防衛意識の高まりからまとめ買いが進んでいる影響もあるとみられる。
一方、備蓄米の放出効果が広く浸透するには、時間がかかる可能性が高い。5月以降も高値が続く見込みで、新米の出荷が本格化する7月以降にようやく価格が落ち着くかどうかが注目される。
全国の食卓を支えるコメ。価格高騰に直面する中で、消費者、農業者、政府それぞれの対応が問われている。
- コメ5キロ平均価格が4220円、16週連続上昇
- 前年同期比で約2倍の高騰、家計への影響拡大
- 政府の備蓄米放出は2回で計21万2千トン、効果は限定的
- 石破首相が7月ごろまで毎月放出を指示、3回目の入札も完了
- スーパー販売量は前年より14.9%増、消費者のまとめ買い傾向も