2025-04-24 コメント投稿する ▼
備蓄米は“おいしい” 江藤農相が試食で品質アピール 価格高騰への対策は道半ば
江藤農相、備蓄米を試食
~「どれもおいしい。違いは分からない」と品質を強調~
備蓄米の品質に太鼓判
江藤拓農林水産大臣は24日、2022年から2024年に収穫された政府の備蓄米を自ら試食し、保存状態の良さと品質の高さをアピールした。試食は、茨城県産の「にじのきらめき」という品種で行われ、炊飯後に冷めた状態でも味や食感に違いが出ないことを示す狙いがあった。
「どれもおいしい。収穫年の違いは、私にはわかりません」と語った江藤大臣は、備蓄米の管理が十分に行き届いていることを強調した。
市場への備蓄米放出、思うように進まず
今回の試食は、価格高騰が続くコメ市場への対応の一環でもある。政府は2023年度から2024年度にかけて、31万トンにのぼる備蓄米の放出を決定。さらに、4月23日からは、おととし産の10万トンを対象に3回目の入札が始まっている。
しかし、農水省の調べによると、3月の初回入札で放出された備蓄米のうち、小売店や飲食店に届いたのはわずか0.3%。流通経路の停滞が原因とみられており、市場価格への影響も限定的にとどまっている。
価格高騰と消費者の不安
コメの価格は依然として高値圏にある。全国の平均小売価格は、5キロあたり4217円と15週連続で上昇中。前年と比べると2倍を超えており、家計への負担感が高まっている。
「備蓄米を市場に出しても、なかなか店頭価格に反映されない。重く受け止めていますし、国民に申し訳なく思っている」と、江藤大臣は記者団に語った。
課題は「出して終わり」ではなく「届く仕組み」
政府は今後、今夏まで備蓄米を毎月放出していく方針だ。ただし、備蓄米を出して終わりではなく、それが実際に小売現場に届き、消費者の手に渡る仕組みの整備が急務となっている。
中でも、小規模な流通業者や飲食店にまで行き渡らせるには、供給体制の見直しや、新たな支援策が必要だ。消費者の不安を払拭し、安定した米供給の実現に向けた地道な取り組みが求められている。
- 江藤農相が2022~2024年産の備蓄米を試食し、「違いが分からないほどおいしい」と評価
- 備蓄米の市場放出が続いているが、実際の流通は滞り気味
- コメ価格の高騰が続き、消費者の不安が増加
- 今後は放出と同時に、流通経路の改善が重要課題