2026-01-07 コメント投稿する ▼
自民小林政調会長がフィリピン国防相と会談し防衛装備供与推進で一致
自由民主党の小林鷹之政調会長は2026年1月7日、フィリピンの首都マニラでヒルベルト・テオドロ国防相と会談しました。海洋進出を強める中国を念頭に、安全保障分野での協力強化を確認し、同志国軍に防衛装備品や機材を供与する枠組み「政府安全保障能力強化支援」の推進を伝えました。中古の護衛艦を含めた装備品移転について、党内で議論を進める意向も示されました。
南シナ海の平和と安定を重視
小林氏は会談で「南シナ海を平和で開かれた海にすることは、地域と国際社会の平和と安定に大きく寄与する」と強調しました。両氏は中国、北朝鮮、ロシアによる軍事的協力深化への懸念を共有し、米国や韓国、オーストラリアなど多国間連携の重要性を確認しました。
フィリピンは南シナ海で中国と領有権を巡る対立を続けており、中国海警局の船舶によるフィリピン船への威嚇行為が相次いでいます。2024年には補給活動を妨害する中国の危険な行動に対し、フィリピン政府が強く抗議する事態も発生しました。こうした状況下で、日本との安全保障協力強化は、フィリピンにとって重要な選択肢となっています。
小林氏は防衛装備品の移転について「中古の護衛艦を含めて移転ができるよう党で議論したい」と伝達しました。日本政府は2014年に防衛装備移転三原則を策定し、厳格な条件のもとで防衛装備品の輸出を可能としていますが、中古装備品の移転については慎重な検討が必要とされています。
OSAによる支援拡大
政府安全保障能力強化支援は2023年4月に創設された新しい無償資金協力の枠組みです。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に置かれる中、政府開発援助とは別に、同志国の軍等が裨益者となる支援を行うことで、インド太平洋地域の平和と安定を確保することを目的としています。
フィリピンに対しては、2023年11月に岸田文雄首相がマニラを訪問した際、OSA創設後初の案件として沿岸監視レーダーシステムの供与が決定されました。供与額は6億円で、フィリピン軍、特にフィリピン海軍を含む国防省の海洋状況把握能力を強化し、日本にとって重要なシーレーンの安全確保に寄与することが期待されています。
2024年12月には、16億円を供与額とする2024年度OSA案件の署名が行われました。フィリピン海軍への海洋安全保障能力強化支援と、フィリピン空軍への警戒監視能力向上支援が含まれています。特にフィリピン空軍に対しては、日本が初の完成品の防衛装備移転として納入した警戒管制レーダーの関連機材を供与することで、同レーダーの継続的な運用を支援します。
日本の防衛協力体制の深化
日本とフィリピンの防衛協力は近年急速に進展しています。2023年11月の首脳会談では、自衛隊とフィリピン軍の相互訪問を容易にする部隊間協力円滑化協定の交渉開始が決定されました。2024年7月には同協定が正式に締結され、両国は「準同盟」の関係に進化したと評されています。
この協定により、自衛隊とフィリピン軍の共同訓練や災害救援活動が容易になり、南シナ海における抑止体制の強化につながると期待されています。日本、米国、フィリピンは「トライアングル防衛協力」を構想しており、2023年6月には3カ国による初のハイレベル協議が行われました。
日本製防衛装備品の実績
フィリピンに対する日本の防衛装備品移転は着実に実績を積み重ねています。2020年8月、フィリピン国防省と三菱電機との間で警戒管制レーダー4基を約1億ドルで納入する契約が成立しました。これは2014年の防衛装備移転三原則策定以来、日本から海外への完成装備品の移転としては初の案件となりました。
2023年12月と2024年4月には、テオドロ国防相出席のもと、レーダーの引渡し式典が実施されました。航空自衛隊と陸上自衛隊はフィリピン空軍の要員に対する教育支援も実施し、装備品供与と人材育成を一体的に進めています。
偽情報対策でも連携
小林氏とテオドロ氏は、事実に基づかない発信に対し、両国が連携して対峙していく方針でも一致しました。近年、南シナ海情勢を巡って偽情報や誤情報が拡散される事例が増えており、両国は情報戦への対応でも協力を深める必要性を認識しています。
現地視察でODA事業も確認
会談などに先立ち、小林氏は沿岸警備隊を訪れて日本が供与した大型巡視船を視察しました。また、政府開発援助で支援する地下鉄の建設現場を訪れ、作業の進み具合を確認しました。日本はODAとOSAの両輪で、フィリピンの安全保障と経済発展を支援する姿勢を示しています。
フィリピンのマルコス政権は、ドゥテルテ前政権と異なり、南シナ海での中国との緊張状態に対処するため、同盟国米国、パートナー国日本やオーストラリアとの協力強化に積極的です。日本にとっても、ルソン海峡や南シナ海に面するフィリピンは、シーレーンの安全確保において極めて重要な位置を占めており、両国の戦略的利益は高度に一致しています。
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