2025-11-19 コメント投稿する ▼
自民政調会長が中国水産物輸入停止報道を否定 情報混乱で政府対応に課題
自民党の小林鷹之政調会長は11月19日、中国政府が日本産水産物の輸入停止を日本政府に通知したとの報道について「日本政府として、通知を受けたとの事実はないとうかがっている」と否定した。 共同通信などによると、中国政府が日本産水産物の輸入を停止すると日本政府に伝えたことが19日分かった。
自民政調会長、中国水産物輸入停止報道を否定 高市発言への反発で緊張高まる
自民党の小林鷹之政調会長は11月19日、中国政府が日本産水産物の輸入停止を日本政府に通知したとの報道について「日本政府として、通知を受けたとの事実はないとうかがっている」と否定した。一方で、複数の報道機関が同日朝に中国から正式な通知があったと伝えており、情報の食い違いが生じている。
共同通信などによると、中国政府が日本産水産物の輸入を停止すると日本政府に伝えたことが19日分かった。政府関係者が明らかにしたもので、同日朝、正式な外交ルートを通じ連絡があったという。この措置は、高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁に反発した対抗措置の可能性があると指摘されている。
報道と政府見解に食い違い
小林政調会長は党本部で記者団に対し「こうした案件は科学的見地に基づいて判断が行われるべきだ。仮に2国間関係の動向などで判断が行われているとすれば、冷静に対応していくべきだ」と述べた。また「日中関係はわが国にとって非常に重要な関係」と強調し、「対話を通じて2国間関係を建設的かつ安定的な関係へと作り上げていく。その姿勢に一切揺らぎはない」と語った。
しかし、複数の報道機関が政府関係者の証言として同様の内容を伝えており、政府内での情報共有に問題がある可能性も指摘されている。NHKも「中国政府が日本産水産物の輸入停止措置を日本側に通知したことが分かった」と報じている。
国民からはこの混乱に対して厳しい声が上がっている。
「政府内で情報が統一されていないのは問題だ。しっかりと確認してほしい」
「中国の圧力に屈してはいけない。毅然とした対応を求める」
「水産業者のことを考えると、正確な情報を早急に提供すべきだ」
「政府の対応が後手に回っている印象を受ける」
中国の圧力強化が背景
台湾有事が日本の集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得ると高市早苗首相が発言した7日以降、中国は日本に対し圧力を強めている。中国外務省は14日、国民に日本への渡航自粛を要請するなど、外交圧力を段階的に強化している状況だ。
中国は東京電力福島第1原発処理水海洋放出に伴い2023年8月に輸入全面停止。今年11月上旬に日本産ホタテの対中輸出の再開が確認されていたばかりであり、今回の措置が事実であれば、せっかく改善しつつあった経済関係が再び悪化することになる。
日本政府関係者によると、そのホタテも通関を通っていないという情報もあり、実質的に輸入停止が始まっている可能性が高い。
科学的根拠を欠く措置への懸念
関係者によると、中国側は福島第1原発の処理水に関してモニタリング(監視)が必要と主張しているという。しかし、国際原子力機関(IAEA)は既に処理水の安全性を確認しており、科学的根拠を欠いた政治的判断との批判が強い。
日本政府はこれまで、処理水の安全性について国際的な監視体制のもとで透明性を確保してきた。今回の中国の措置が事実であれば、科学ではなく政治的思惑による貿易制限であることが一層明確になる。
小林政調会長の否定発言と報道との食い違いについては、今後の政府の正式発表が注目される。仮に輸入停止が事実であれば、日本の水産業界への打撃は深刻であり、政府には迅速かつ適切な対応が求められる状況だ。
外交関係への深刻な影響
この問題は単なる貿易問題を超えて、日中関係全体に深刻な影響を与える可能性がある。高市首相の台湾有事発言以降、中国側の反発は段階的にエスカレートしており、経済制裁的な措置にまで発展した形となっている。
小林政調会長が強調した「対話による建設的関係の構築」という方針が、現実の外交圧力の前でどこまで有効性を保てるかが問われている。日本政府には、国益を守りつつ関係改善を図る高度な外交手腕が必要な局面となっている。