2025-11-16 コメント投稿する ▼
薛剣駐大阪総領事が高市早苗首相に「汚い首斬る」暴言で与野党が国外退去要求
2025年11月8日深夜、薛剣氏は「その汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやる」などとXに投稿し、文明国の外交官とは思えない暴言で日本国民の怒りが爆発した。 日本政府は「中国の在外公館の長の言論として極めて不適切と言わざるを得ない」として強く抗議し、「中国側から明確な説明がなされるよう求めていく」と表明している。 しかし、中国外務省は薛剣氏の発言を擁護しており、問題の根深さが浮き彫りになっている。
外交の一線を越えた中国総領事の暴言
高市首相への殺害予告とも取れる投稿で政府が厳重抗議、国外退去要求も
中国の薛剣駐大阪総領事が高市早苗首相に対して行った過激な投稿が、与野党を問わず激しい批判を浴びている。2025年11月8日深夜、薛剣氏は「その汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやる」などとXに投稿し、文明国の外交官とは思えない暴言で日本国民の怒りが爆発した。
問題投稿の詳細と経緯
事の発端は、高市首相が11月7日の衆院予算委員会で台湾有事について答弁したことだった。高市首相は台湾有事で「存立危機事態」にあたる具体例について問われた際、集団的自衛権の行使が可能になる可能性があるとの見解を示した。
薛剣氏はこの答弁を報じた朝日新聞デジタルの記事を引用し、「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟が出来ているのか」とし、怒り顔の絵文字を添えて投稿した。投稿は数時間後に削除されたが、スクリーンショットが瞬時に拡散し、国内外で大きな波紋を広げた。
「一国の首相に殺害予告なんて、外交官として完全にアウトでしょ」
「中国は文明国じゃないの?品位もクソもないね」
「こんな人物を駐在させている中国政府も同罪だ」
「即刻国外退去させるべき。日本をなめすぎ」
「戦狼外交もここまで来ると、もう病気のレベル」
与野党が一致して強く批判
自民党外交部会などは11日、薛剣氏の投稿に対する非難決議を取りまとめ、首相官邸に提出した。決議では「外交官としての品位を著しく欠く」として、中国側が自主的な対応をとらない場合、国外退去処分となる「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」への指定を含む「毅然とした対応」を求めた。
批判は野党にも広がっている。公明党の斉藤鉄夫代表は「品位に欠け、恫喝とも受け取れる。外交官としてあるまじき投稿だ」と批判し、在日中国大使館に懸念を伝えたと明らかにした。国民民主党の玉木雄一郎代表も記者会見で「今回の発言は度を越している」と厳しく批判した。
立憲民主党の蓮舫参院議員は、「外交には礼節が必要です。他国の首脳への不当な発言は、信頼を損なう行為です」と投稿した上で、中国語による抗議のメッセージも書き込んだ。日本と台湾にルーツを持つ蓮舫氏の強い抗議は、問題の深刻さを物語っている。
問題外交官の素性と過去の暴挙
薛剣氏は1968年7月生まれの57歳で、北京外国語学院日本学部を卒業し、30年以上の外交官経験を持つベテランだ。しかし、その経歴とは裏腹に、過去にも数々の問題行動を起こしている。
2024年10月25日、衆議院議員選挙の期間中に「全国どこからでも、比例代表の投票用紙には『れいわ』とお書きください」と投稿し、特定の政党(れいわ新選組)への投票を呼びかけた。これは明白な内政干渉として日本政府が抗議し、投稿は削除されている。
2021年には「台湾独立=戦争。はっきり言っておく!」と投稿し、国内外から批判を浴びた過去もある。2025年6月にもXにイスラエルとナチス・ドイツを比較した投稿をし、駐日イスラエル大使が「恥ずべき扇動」「反ユダヤ的で重大なホロコースト侮辱」として非難した経緯もある。わずか一年という短期間で、選挙介入と首相への暴言という外交官として最もタブーとされる行為を繰り返している。
国際社会からも厳しい視線
この問題は米国でも大問題になっており、「33年歴のベテラン外交官にはあるまじき、外交儀礼を無視した、横暴で下卑た発言である」と元国務省高官が強く非難している。
グラス駐日米大使は「高市首相と日本国民を脅迫している」とX上で糾弾し、「再び本性を露呈した」と非難した。さらに「中国政府は『良き隣人』を口癖のように繰り返すが、全く実態が伴っていない」と中国の偽善的な姿勢を厳しく批判している。
日本政府は「中国の在外公館の長の言論として極めて不適切と言わざるを得ない」として強く抗議し、「中国側から明確な説明がなされるよう求めていく」と表明している。しかし、中国外務省は薛剣氏の発言を擁護しており、問題の根深さが浮き彫りになっている。
今回の暴言は、中国の文明国としての品格を根本から疑わせる事態だ。他国の首相に対する殺害予告とも取れる投稿は、どんな理由があろうとも決して許されるものではない。高市早苗首相の毅然とした外交姿勢を評価する声が高まる一方で、中国の戦狼外交がいかに異常で危険なものかが改めて証明された形となっている。