2025-10-07 コメント投稿する ▼
自民・鈴木俊一幹事長、公明の懸念「払拭する」も下村氏続投へ 高市政権の連立運営に早くも矛盾
自民党の鈴木俊一幹事長は7日の記者会見で、公明党側が高市早苗総裁の歴史認識などに懸念を示していることについて、「懸念を払拭する中で、お互いの信頼関係をさらに深める方向に持っていきたい」と述べた。 鈴木氏は「世論の動向を注視する」と付け加えたが、判断を覆す可能性は示さなかった。 鈴木幹事長の発言は、表向きは「融和」を掲げながらも、旧安倍派の影響力を残したままの体制維持を優先する姿勢をにじませた。
自民・鈴木幹事長、公明の懸念払拭に意欲 「信頼関係深める」も下村氏続投方針変えず
自民党の鈴木俊一幹事長は7日の記者会見で、公明党側が高市早苗総裁の歴史認識などに懸念を示していることについて、「懸念を払拭する中で、お互いの信頼関係をさらに深める方向に持っていきたい」と述べた。与党関係の安定を重視する姿勢を明確にした形だ。
高市政権と公明の温度差
公明党の斉藤鉄夫代表は4日、高市総裁と会談し、靖国神社参拝や戦争認識などをめぐって懸念を伝えていた。自民党内では「右傾化への警戒」が広がる公明側の動向を見極めながら、連立維持の調整を進める方針だ。鈴木氏は「自公連立の歴史は四半世紀に及ぶ。高市氏も自公の枠組みを一丁目一番地と位置づけている」と強調した。
「懸念を払拭し、信頼を深める方向に持っていきたい」
「高市氏は自公連立を基本に据えている」
「連立の歴史は25年に及ぶ」
「政権の安定には協力が欠かせない」
「世論の動向も注視していく」
鈴木氏は終始、公明党との協調を軸に据えた発言を繰り返した。
下村氏の続投に批判も
一方で、旧安倍派幹部で派閥パーティー収入不記載問題に関与した下村博文元文部科学相を選挙区支部長に正式任命した判断については「正式な手続きを踏んで決められたことは尊重すべきだ」と述べ、変更しない方針を明言した。
この人事をめぐっては、党内外から「説明責任を果たしていない」「世論の信頼を損なう」との批判が出ている。鈴木氏は「世論の動向を注視する」と付け加えたが、判断を覆す可能性は示さなかった。
自公関係の試金石に
高市政権の船出は、保守色の強さと派閥処遇のバランスが注目される中で始まった。とりわけ靖国や安保政策をめぐるスタンスは、公明党の支持母体である創価学会の意向にも関わる微妙なテーマだ。
鈴木幹事長の発言は、表向きは「融和」を掲げながらも、旧安倍派の影響力を残したままの体制維持を優先する姿勢をにじませた。
政権安定か、矛盾の温存か
今回の対応は、自民党が“安定第一”の政権運営を続ける一方で、裏金問題の処理や派閥政治の構造を温存していることを象徴する。
高市政権が掲げる「新しい自民党像」は、早くも矛盾を抱えたままの船出となった。
公明党の支持層がどこまでこの現状を容認するかが、連立維持の今後を左右する。政権の「信頼関係」が本当に深化するのか、それとも形だけの融和に終わるのかが、今後の焦点となる。