2025-08-24 コメント投稿する ▼
小川幹事長、熊本豪雨被害を視察 被災農家の声に「従来型対応では限界」
小川幹事長、熊本豪雨被害を視察
立憲民主党の小川淳也幹事長は8月24日、酒井なつみ衆院議員とともに熊本県八代市を訪れ、線状降水帯による豪雨被害の現場を視察した。県連関係者や農協関係者の案内で、深刻な被害を受けたトマト農家やい草農家を訪ね、被災状況と今後の課題を確認した。小川氏は「これまでの延長線上の災害対応では限界がある」と述べ、従来型の公共事業中心の復旧支援から、農家や被災者の生活再建に重点を移す必要性を強調した。
住宅と農業に広がる深刻な被害
熊本県の集計によれば、今回の豪雨で県内の住宅浸水は床上1940戸、床下2165戸の計4105戸に達し、そのうち八代市だけで1537戸が被災した。農林水産業関連の被害は151億円に及び、農業施設や作物、畜産や漁業にまで広がっている。
とりわけ八代市の特産であるトマト農家は壊滅的な打撃を受けた。ある農家では3万6千本の苗が冠水し、全体の92%が失われた。残ったのはわずか8%で、ポンプやボイラーなどの設備も水没。農家からは「ハウス共済では苗や収穫前の作物が補償対象外。収入保険は掛け金が高く加入率が低い。市場価格が下がれば収入は激減する」と切実な声があがった。
熊本県は全国有数のトマト産地であり、例年13万トンを出荷し全国シェアは19%と1位を誇る。そのため「冬場の供給を支える大産地の被害は全国の相場や消費者の食卓に影響する」と農協関係者は警鐘を鳴らした。追加で50万本の苗を確保したが、被害の規模を考えれば十分ではないという。
い草産業への打撃と畳文化への影響
一方、い草農家でも深刻な状況が報告された。収穫後に乾燥・保管していた原料が冠水で約250束が使用不能になったほか、倉庫や乾燥機も冠水被害を受けた。い草は年に一度しか収穫できず、次回は翌年11月となるため、長期にわたって収入が途絶える恐れがある。
八代市は畳表の全国シェア1位を占める地域であり、い草の不作は畳文化そのものに影響を及ぼす。農家からは「次の収穫までの生活の見通しが立たない」との不安の声が上がり、伝統産業の存続に危機感が漂っている。
被災者支援と制度改善を要望
立憲民主党熊本県連との意見交換では、要望書が小川氏に手交された。そこには、線状降水帯災害に特化した補助基準の創設や、被災者生活再建支援の拡充、無利子融資制度の導入、自家用車再購入支援、避難所環境改善、災害対策基金の新設などが盛り込まれていた。
さらに復旧作業に必要な人員確保や自衛隊派遣の柔軟化も求められ、災害発生時の即応力強化を訴える内容となった。小川氏は「被災農家や被災者の生活を再建することを中心に据えるべきだ」と応じ、党として制度改善を政府に強く求めていく姿勢を示した。
豪雨災害と農業再建の課題
今回の豪雨災害は、農業インフラや食料供給網に甚大な影響を与えた。被災地支援は単なる復旧にとどまらず、制度の不備を補い、持続可能な農業と生活再建につなげる取り組みが不可欠となっている。災害多発時代に突入する中、農業を守り、地域の基盤を強化する政策が国民全体の課題として問われている。