2025-06-24 コメント投稿する ▼
立憲・小川幹事長が蓮舫氏に「成熟と寛容さ」を期待 参院選比例擁立に賛否の声
「成熟と寛容さ」蓮舫氏に期待 立憲・小川幹事長が擁立理由を語る
立憲民主党は6月24日、常任幹事会において、7月の参議院選挙(比例代表)で蓮舫元参院議員を擁立することを正式決定した。発表後の記者会見で小川淳也幹事長は、「党内には賛否両論があった」と率直に認めたうえで、「北海道から沖縄まで走り回り、果敢に貢献してもらえると期待している」と強い期待を口にした。
蓮舫氏は昨年夏の都知事選で無所属として立候補し、3位にとどまった。その後、自身のSNSでは「国政復帰は考えていない」と明言していただけに、今回の参院選出馬には「ブーメラン」との批判も上がっている。しかし党執行部は、知名度と存在感を高く評価し、選挙戦での「顔」として再起用する方針を固めた。
「一度“もう出ない”って言った人がまた出るの、どうして?」
「発信力はあるけど、信頼感は薄れたよね」
都知事選後の“変化”に期待 小川幹事長の語る蓮舫像
記者会見で小川氏は、蓮舫氏のこれまでの歩みと今後の変化について言及。「これから、よりある種の寛容さ、よりある種の懐の深さをまとった蓮舫さんとして、一皮も二皮もむけて、成熟した政治家へと成長されることを期待している」と語った。加えて「その変化の過程を党として支援していきたい」と、個人としての再構築をも党の方針としてバックアップする姿勢を強調した。
この発言には、蓮舫氏に対する一種の“イメージ刷新”戦略が透けて見える。かつて「攻撃的」「排他的」と評されることもあった蓮舫氏に対し、「柔らかさ」や「包容力」を加えることで、有権者に新たな印象を与えようとするものだ。
「攻めるだけじゃない蓮舫さんを見せられるかどうかだね」
「変わるって言っても、信じるにはまだ時間がいる」
参院選での役割と課題 “選挙の顔”にふさわしいのか
立憲民主党が蓮舫氏に求めるのは、単なる当選ではない。全国比例という枠組みの中で、知名度を武器に全国で票を掘り起こす“集票マシーン”としての働きだ。小川幹事長も、「知名度、圧倒的な存在感からすれば党にとってプラスであるのは当然」と語っており、選挙の浮沈に大きく関わる存在として位置づけている。
ただし、その一方で、党内や支援団体からは「参院選の比例枠は限られており、蓮舫氏が上位に入ることで、他の組織内候補が押し出されるのでは」との懸念も根強い。特に連合傘下の産業別労働組合(産別)からは、「なぜ今このタイミングで蓮舫なのか」という声もあがっている。
また、有権者の側も「実績はあるが、信頼できるかどうかは別」と見る層が一定数存在しており、党としてのメッセージや選挙戦略の一貫性が問われることになる。
「変化」を演出する前に、政治の本質を問うべきでは
政治家にとって「イメージの変化」は重要な戦略だ。しかし、根本的な信頼を得るためには、表面的なキャッチフレーズや“見せ方”の変更ではなく、政策の一貫性と誠実な説明が不可欠である。都知事選後、「国政には戻らない」と断言した言葉をどう捉えるのか、有権者は決して忘れていない。
ましてや、給付金偏重・バラマキ型の政策姿勢を改めることなく、「改革派」を名乗り続ける姿には限界がある。今こそ問われるのは、減税による家計支援や、インボイス廃止、スパイ防止法の制定など、政治の根幹にかかわる部分に対して、どれだけ本気で向き合えるのかだ。
小手先の印象操作でなく、「変わった」と信じさせるだけの中身ある言動こそが、成熟の証明になるはずである。