2025-10-16 コメント: 1件 ▼
逢沢一郎「論外」発言で火種 維新・吉村は「譲らない」議員定数削減で激突
議員定数削減案の落とし穴 地方の声、制度設計を読む。 これに対し、日本維新の会の吉村洋文氏(代表)は「そこは譲らない」と強調し、両者の主張が真っ向からぶつかっています。 逢沢氏は投稿で「身を切る改革、イコール議員定数削減ではない」と述べました。 一方、吉村氏は16日夜の報道番組で「議員定数の大幅削減を臨時国会でやるべきだ」「そこは譲らない」と発言しました。
「論外」発言で火花 逢沢一郎氏、維新の定数削減に強く反発
維新・吉村洋文氏「譲らない」 臨時国会で成立へ強硬路線
議員定数削減案の落とし穴 地方の声、制度設計を読む
自民党の逢沢一郎氏(選挙制度調査会長)は2025年10月16日、自身のX(旧ツイッター)で、日本維新の会が自民党との政策協議で掲げる国会議員定数削減案を「論外」と断じました。これに対し、日本維新の会の吉村洋文氏(代表)は「そこは譲らない」と強調し、両者の主張が真っ向からぶつかっています。
逢沢氏は投稿で「身を切る改革、イコール議員定数削減ではない」と述べました。現行制度下で定数削減を行うと、都市部ではなく地方の議席がさらに削られると指摘し、「この状況のなか、自民・維新でいきなり定数削減は論外です」と明言しました。逢沢氏は衆院選挙制度協議会の座長も務め、制度の複雑な仕組みを熟知しています。
一方、吉村氏は16日夜の報道番組で「議員定数の大幅削減を臨時国会でやるべきだ」「そこは譲らない」と発言しました。さらに翌17日の番組でも「年内に定数削減を明記した合意ができなければ、連立は組まない」と述べ、強硬姿勢を崩していません。維新は国会議員の1割削減を目標としており、連立協議での最重要要求の一つと位置付けています。
「地方の声を切り捨てる改革に未来はない」
「議員数減らして質が上がるなら賛成するが…」
「削減強行は権力集中の入口だ」
「維新が言う“身を切る改革”とは?」
「議員定数より政策を問え」
市民の声には、賛否が混じります。議員定数削減は一見「改革的」に映りますが、実際には地域代表性や議論の質を損なう危険も孕んでいます。とくに地方議席が削減されれば、過疎地の声が国政に届きにくくなる懸念が強まります。
自民党内では、萩生田光一氏(幹事長代行)が「維新内でも意見の温度差がある」と指摘しています。維新が掲げる「副首都構想」よりも、「安倍晋三氏と野田佳彦氏がかつて約束した議員定数削減」を重視する声が党内で根強いという見方も出ています。
議員定数削減論の課題は大きく三つあります。
第一に、公平性の問題です。削減によって一票の格差が広がれば、憲法上の「投票価値の平等」に反する可能性があります。
第二に、削減が政治改革の象徴として誤用される点です。議員の数を減らせば政治が良くなるわけではありません。政策立案や監視機能を担う人員が減れば、逆に行政へのチェック機能が弱まる懸念があります。
第三に、制度設計の軽視です。選挙区制や比例制の見直しを伴わないまま定数だけを削減すれば、特定勢力への有利不利が発生しかねません。
逢沢氏の発言は、制度の整合性を守るための警鐘です。一方、吉村氏の主張は、国民にわかりやすい「改革姿勢」を打ち出す戦略といえます。両者の対立は、単なる政策論争ではなく、「政治の信頼をどう取り戻すか」を問う根源的テーマに広がっています。
臨時国会では、定数削減が連立協議の焦点となり、今後の政局に大きく影響する見通しです。改革を掲げる維新の意欲と、制度の安定を重視する自民党の現実主義。その衝突の行方が、今後の国会運営を大きく左右するでしょう。