2025-08-09 コメント投稿する ▼
赤沢経済再生相、関税交渉中の「ラトちゃん」発言に批判集中 国益より軽口優先か
赤沢経済再生相、関税交渉中に「ラトちゃん」発言 国益交渉での軽率さに批判噴出
米国による相互関税問題の対応で訪米した赤沢亮正経済再生担当相が、交渉相手のラトニック米商務長官をSNSで「ラトちゃん」と呼び、批判が相次いでいる。日米関税交渉は、日本が特例措置から外された事態を受け、早期修正を求める極めて重要な局面だった。それにもかかわらず、交渉直後に親しげな呼称を発信した赤沢氏の姿勢に、国内外から疑問の声が広がっている。
赤沢氏は5日からの訪米でラトニック氏、ベセント米財務長官と会談。SNSには「#ラトちゃんとの話し合いは割とうまくいきました」「大親日家の#ベッちゃんとも旧交を温めました」と投稿した。だが、関税問題は輸出産業や国民生活に直結する重大案件であり、交渉の緊張感を欠く印象を与える発言だった。
「国益を守る場であだ名はあり得ない」
「仲良しアピールより結果を持ち帰れ」
「これでは日本の交渉力が疑われる」
「関税負担に苦しむ企業や国民の気持ちが分かっていない」
「軽率な発信が国益を損なう」
交渉の本筋を外した印象
今回の訪米の目的は、米国が6日付で発表した関税特例対象から日本を外した大統領令の早期修正を実現することだった。にもかかわらず、赤沢氏の発信は交渉内容よりも相手との個人的な親密さを強調するもので、国内では「本気で修正を迫ったのか」と疑念を抱く声が上がっている。
経済界からも、「関税が続けば輸出企業の収益悪化や物価上昇を招きかねない。交渉相手と友好的な関係を築くこと自体は否定しないが、発信内容は国益を意識すべきだ」との批判が出ている。
政治家のSNS発信と責任
閣僚のSNS利用は国民との距離を縮める一方で、公的立場としての責任も伴う。特に外交や経済交渉の場面では、一言一句が相手国や市場に影響を与える可能性がある。今回のような軽い呼称は、友好演出どころか交渉の重みを軽減して見せてしまいかねない。
加えて、関税問題はすでに国内の消費者物価や企業活動に影響を及ぼしており、SNSでの「うまくいきました」という楽観的な表現は、現状の厳しさとの乖離を感じさせる。政治家の発信は、場の空気だけでなく、結果と責任を伴うべきだ。
結果で示すべき段階
野田佳彦立憲民主党代表は「ちゃん付けしている状況じゃない。いつ大統領令を修正するか詰めるべきだ」と批判。与野党を問わず、赤沢氏に求められているのは関税負担軽減という具体的成果であり、交渉の舞台裏での友好アピールではない。
今後、赤沢氏は帰国後に交渉内容と成果を説明する責任がある。軽率なSNS発信で国民の不信を招いた以上、結果でその疑念を払拭しなければならない。もし修正時期が明確にならず関税負担が長期化すれば、その責任は免れないだろう。