2025-05-03 コメント投稿する ▼
日本政府の対応に疑問の声 日米通商協議、自動車関税でアメリカの強硬姿勢続く
日米通商協議が始動 アメリカの“強気”に翻弄される日本
日米両政府は4月下旬、ワシントンで通商協議をスタートさせた。会談に臨んだのは、米側からベッセント財務長官やラトニック商務長官、グリア通商代表といった閣僚級メンバー。日本からは赤沢亮正・経済再生担当相が出席し、関税や経済安全保障を含む幅広いテーマについて意見を交わした。
アメリカ側は協議後、「率直かつ建設的だった」と前向きに発表。一方、日本側は慎重な姿勢を崩さず、日経新聞は「米側は関税撤廃に消極的だった」と報じている。
進展見えぬ関税交渉 日本は主導権を握れず
今回の交渉で焦点となったのは、自動車や鉄鋼、アルミニウムへの追加関税。トランプ政権下で導入された最大25%の関税に対し、日本は撤廃を求めている。しかし、米側は「議題にすら上げなかった」とされ、協議の主導権は完全にアメリカに握られたままだ。
経済専門家のリチャード・カッツ氏は、「トランプ政権の姿勢はかなり攻撃的。議論すら拒むのは異常だ」と指摘している。
また、ベッセント長官はSNSで「日本の迅速で前向きな姿勢に勇気づけられた」と述べたが、その言葉とは裏腹に、実質的な譲歩は一切なかったというのが現場の見方だ。
“丁寧すぎる”日本政府の対応に疑問の声
日本側も一定の譲歩を模索している。米国産農産物の輸入拡大や、自動車分野の非関税障壁の見直しといった案も検討されているが、それでもアメリカの態度は変わらない。
石破茂首相は「自動車に関する関税は絶対に受け入れられない」と明言。「貿易赤字の是正には協力するが、日本の雇用を犠牲にするわけにはいかない」と話している。
一方、赤沢氏は「5月中旬に再び会談できれば」と語っているが、どこか他人事のようにも聞こえる。
こうした政府の“丁寧すぎる”対応に対し、国内からは「もっと主張すべきだ」「アメリカに押し切られてばかり」といった不満の声が上がっている。
日本経済の行方を左右する通商交渉
今回の協議は、トランプ氏が全世界に対し追加関税を発動したことを受けた流れで行われている。特に日本にとっては、自動車輸出に25%もの関税が課されれば、国内産業に深刻な打撃が避けられない。
交渉期限とされるのは、相互関税停止の90日間が終了する7月まで。だが、現時点で合意に近づいている様子はない。むしろ、アメリカの強硬姿勢に対し、日本政府が有効な対抗策を打ち出せずにいるのが現実だ。
* 日米通商協議がスタート。日本は関税撤廃を求めるも、米側は消極的
* 自動車・鉄鋼・アルミの関税が議題にすら上がらず、日本は蚊帳の外
* 日本政府は農産物輸入拡大など譲歩姿勢を見せるが、実効性は疑問視される
* 石破首相は「関税は容認できない」と明言も、実務レベルの交渉力に課題
* 7月の交渉期限までに合意に至るかどうか、展望は不透明