2025-04-11 コメント投稿する ▼
関税交渉へ赤沢再生相が訪米 自動車・農産品・防衛費が焦点に
石破茂首相は本部会議で「関係省庁が一丸となり、政府全体で対応に当たる」と強調。「オールジャパン」の体制を築き、国内の影響を最小限に抑えながら米側に粘り強く見直しを迫る姿勢を示した。
焦点は自動車・農産品・防衛費
今回の協議では、日本からの輸出に対して米国が課す自動車への25%関税や、農産品への高関税の撤廃・緩和が最大の焦点となる見通しだ。加えて、米側は「非関税障壁」として日本の自動車安全基準や農産品の輸入規制の緩和を求めてくる可能性もある。
さらに、米国はアラスカの液化天然ガス(LNG)プロジェクトへの日本の経済支援や、在日米軍駐留経費、いわゆる「思いやり予算」の増額にも言及する可能性がある。
実際、トランプ大統領は10日のホワイトハウスでの会合で「日米安全保障条約は不公平だ」と繰り返し不満を述べており、日本側の負担増を強く意識しているとみられる。
赤沢氏「国難を乗り越える覚悟で」
こうした厳しい交渉を控え、赤沢経済再生相は記者団に対し、「今は国難とも言える状況だ。国益のために何が最善かを考え抜き、全力で臨む」と語気を強めた。政府内で新設された作業部会は、林芳正官房長官と赤沢氏が共同で率いる形となり、米側との駆け引きの戦略立案と、国内対策の具体化が急ピッチで進められている。
米側「日本は優先的に扱う」も成果は未知数
米財務長官のベッセント氏は米メディアに対し、「日本は交渉にいち早く名乗りを上げた。優先的に対応したい」と語っており、一定の交渉意欲をにじませる。一方で、交渉の議題が多岐にわたるため、短期間での合意は難しいとの見方も強い。
実際、トランプ政権は一部の関税を「90日間停止」するとしたものの、自動車への追加関税は維持しており、交渉のハードルは依然として高い。
交渉の行方は国内経済にも直結
日本政府にとって今回の交渉は、単なる関税問題にとどまらず、エネルギー政策や安全保障、そして国内産業の雇用や物流コストにも直結する極めて重いテーマだ。特に自動車業界や農業団体からは、早期の打開を求める声が強まっている。
政府は「オールジャパン」での体制を活かし、米側との外交交渉を乗り切る構えだが、その成否は今後の日本経済の方向性にも大きく影響することになりそうだ。