2026-03-15 コメント投稿する ▼
日米が重要鉱物で迅速対応グループ設置、供給途絶回避へ連携強化
日米など18カ国の閣僚らが参加し、インド太平洋地域のエネルギー安全保障を議論する国際会議が3月15日、東京都内で閉幕しました。2日間にわたる会議では、域内でのエネルギーの安定供給に向け、インフラ投資などの協力を盛り込んだ共同声明を取りまとめました。会議に合わせて開いた日米の担当閣僚会合では、重要鉱物の供給途絶に対し迅速に対応するための枠組みづくりで合意しました。赤沢亮正経済産業相は会議終了後に記者団に対し、米国のバーガム内務長官らとの閣僚会合では、原子力や液化天然ガス、重要鉱物の開発やファイナンスの分野で協力を深化することで一致したと説明しました。中国などを念頭に資源国の輸出制限による重要鉱物の供給途絶を回避するため、両国の担当省庁の幹部らで構成する迅速対応グループを設置し、情報共有や重要鉱物の融通などで協力していくことで合意しました。日米両政府は昨年10月に重要鉱物及びレアアースの供給確保のための枠組みを締結しており、今回の合意はその具体化と位置付けられます。19日の日米首脳会談につながる足場固めができたと赤沢経産相は述べました。
18カ国が東京で閣僚会議
日米など18カ国の閣僚らが参加し、インド太平洋地域のエネルギー安全保障を議論する国際会議が3月15日、東京都内で閉幕しました。
2日間にわたる会議では、域内でのエネルギーの安定供給に向け、インフラ投資などの協力を盛り込んだ共同声明を取りまとめました。共同声明では、地域の安定的なエネルギー供給の確保に協働する決意を共有すると盛り込まれました。
「エネルギー安全保障は、もはや一国だけでは守れない」
会議には、18カ国から首脳やエネルギー担当相が参加しました。日本からは赤沢亮正経済産業相、米国からはバーガム内務長官やゼルディン環境保護局長官らが出席しました。
赤沢経産相は3月15日、会議終了後に記者団の取材に対して明らかにしました。首脳会談につながる足場固めができたと述べています。
重要鉱物の迅速対応グループ設置
会議に合わせて開いた日米の担当閣僚会合では、重要鉱物の供給途絶に対し迅速に対応するための枠組みづくりで合意しました。
日米間では、中国などを念頭に資源国の輸出制限による重要鉱物の供給途絶を回避するため、両国の担当省庁の幹部らで構成する迅速対応グループを設置します。情報共有や重要鉱物の融通などで協力していくことで合意しました。
「中国が輸出規制を強化したら、どうやって重要鉱物を確保するのか」
赤沢経産相は記者会見で、重要鉱物のサプライチェーン途絶時の情報共有や協力を検討する迅速対応グループの立ち上げで合意したと一連の会談の成果について述べました。
新しい協力の枠組みは事務レベル級です。米国エネルギー長官と日本の経済産業大臣の下に米日重要鉱物供給安全迅速対応グループを設置し、優先する鉱物及び供給上の脆弱性を特定し、加工された鉱物の供給を加速するために調整された計画を策定します。
原子力やLNGでも協力深化
米国のバーガム内務長官やゼルディン環境保護局長官らとの閣僚会合では、原子力や液化天然ガス、重要鉱物の開発やファイナンスの分野で協力を深化することで一致したと赤沢経産相は説明しました。
このほか、米国とは液化天然ガスや原子力といった分野で協力を深めることでも一致しました。19日の首脳会談につながる足場固めができたと話しています。
「エネルギーと重要鉱物、両輪で日米協力を進める」
日米両政府は昨年10月28日、採鉱および精製を通じた重要鉱物及びレアアースの供給確保に関する枠組みに署名しています。先端技術産業に不可欠な重要鉱物及びレアアースの安定供給を確保し、採鉱から精製に至る供給網の強靱性と安全性を高めることを目的としています。
今回の迅速対応グループ設置は、この枠組みの具体化と位置付けられます。日米両政府は、資金支援、貿易措置、備蓄制度などを活用して協力を強化する方針です。
中国依存からの脱却目指す
重要鉱物やレアアースは、電気自動車のモーターや風力発電機、半導体などの製造に不可欠です。しかし、中国が世界の生産や精製の大半を握っており、日米両国は中国依存からの脱却を目指しています。
日米両政府は、鉱山や精製事業への官民投資を助成、保証、融資等で支援し、永久磁石、電池、触媒、光学材料など派生製品を含む供給網の隙間を埋める重点案件を共同選定する方針です。
6カ月以内に資金供給措置を講じ、180日以内に大臣級投資会合を開催し、投資方針と優先分野を協議することになっています。
また、採掘、分離、加工の許認可手続きを迅速化、簡素化するとともに、高水準市場と価格メカニズムの構築を通じ、非市場的政策や不公正貿易慣行に対処します。
両国の備蓄制度を補完的に活用する枠組みも検討します。日本は国家備蓄としてレアアースを保有しており、米国も戦略備蓄を持っています。これらを相互に融通し合うことで、供給途絶時のリスクを軽減する狙いです。
今回の合意により、日米両国は重要鉱物の安定供給に向けた協力を一層強化し、中国依存からの脱却を加速させることになります。