2025-11-23 コメント投稿する ▼
能登被災地視察で深刻な人口流出対策を約束した赤沢亮正経済産業相
輪島塗は能登の代表的な伝統産業ですが、震災により工房や販売店に甚大な被害が発生しています。 職人の高齢化に加えて震災による人口流出により、技術継承の担い手確保が一層困難になっています。 現在の制度では中小企業などの施設・設備復旧費用を最大15億円まで、補助率4分の3で支援していますが、被災地の実情に合わせた制度改善が求められています。
深刻な人口流出による人手不足が課題
赤沢氏は会見で、被災地が直面する最大の課題として人口流出による人手不足を挙げました。実際、能登半島地震の被害が大きかった輪島市、七尾市、珠洲市、能登町の4市町では、震災後の人口減少が深刻化しています。8月1日時点で、これら地域の人口は1月1日時点から5266人減少し、転出超過は前年同期比4.8倍の3446人に達しました。
特に輪島市の状況は深刻で、震災前の約2万1903人から7か月間で1662人が減少し、減少率は7.6%に及んでいます。このペースが続けば数か月以内に人口が2万人を切る可能性があります。
「仕事があっても働く人がいない。これでは復興は進まない」
「子どもたちがどんどん他県に移住してしまう。学校も統廃合が避けられない」
「伝統文化を継承する人がいなくなって、400年続いた祭りも危機的状況だ」
「和倉温泉も旅館の多くが再開できず、観光客を受け入れられない」
「人手不足で復旧工事も遅れがちになっている」
輪島塗と和倉温泉の復興状況
視察では輪島市の伝統工芸である輪島塗の復興状況も確認されました。輪島塗は能登の代表的な伝統産業ですが、震災により工房や販売店に甚大な被害が発生しています。職人の高齢化に加えて震災による人口流出により、技術継承の担い手確保が一層困難になっています。
七尾市の和倉温泉では、1200年の歴史を持つ温泉地としての再建が進められています。しかし21軒ある旅館のうち、2024年12月現在で営業再開できたのは4軒にとどまっています。護岸崩壊などの甚大な被害により、多くの施設で詳細な安全性調査が必要となり、復旧作業が長期化しています。
なりわい再建支援補助金の課題
金沢市で行われた馳浩知事との面談では、重要な支援制度である「なりわい再建支援補助金」について話し合われました。馳知事は制度の継続と、大規模施設の再建に関連する補助の上限引き上げを求める要望書を提出しました。
現在の制度では中小企業などの施設・設備復旧費用を最大15億円まで、補助率4分の3で支援していますが、被災地の実情に合わせた制度改善が求められています。特に大規模な観光施設や製造業の工場復旧には現在の上限額では不足するケースが指摘されており、より柔軟な対応が必要とされています。
政府の復興支援体制強化
赤沢氏は「機動的にできる対応を全力でやっていきたい」と述べ、政府として迅速な支援を継続する姿勢を明確にしました。経済産業省では事業再建や雇用確保に向けた各種支援策を展開していますが、人口流出対策については新たなアプローチも検討される見通しです。
能登半島地震では、2024年1月1日の発生から1年近くが経過した現在も、完全な復興には程遠い状況が続いています。死者は災害関連死を含め618人に上り、住宅の全壊は6273棟、特に輪島市朝市周辺では約240棟が焼失する大規模火災も発生しました。
復興の遅れは複合的要因によるもので、9月の奥能登豪雨による二重災害、超高齢化社会における防災体制の脆弱性、広範囲に散在する被災地域での効率的な復旧作業の困難さなどが挙げられています。また、伝統文化の担い手不足により、400年以上続く「御陣乗太鼭」や「キリコ祭り」などの継承も危機に瀕しています。