2025-11-12 コメント投稿する ▼
中国のレアアース輸出規制受け、政府が重要鉱物確保支援へ 高市首相「危機管理投資」で調達先多角化
中国によるレアアースの輸出規制強化を受けて、政府は2025年11月12日、日本企業による重要鉱物の鉱山開発や製錬事業への支援強化に乗り出すことを明らかにしました。 経済産業省の関係者によると、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じた出資や助成金により、企業の資金面を支援する方向で検討が進められています。
この取り組みは高市早苗首相が掲げる「危機管理投資」の一環として位置づけられ、月内に策定予定の経済対策に盛り込まれる予定です。経済産業省の関係者によると、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じた出資や助成金により、企業の資金面を支援する方向で検討が進められています。
中国のレアアース規制が産業界に深刻な影響
半導体や自動車などの製造に使われる重要鉱物は、その多くを中国など海外からの輸入に依存しているのが現状です。中国は世界のレアアース精製能力の約85%、生産量の約70%を占める圧倒的な地位を築いており、この支配力を政治的な武器として活用する事態が続いています。
2025年5月には、中国の輸出規制によりスズキが主力車種「スイフト」の生産停止に追い込まれるという深刻な事態が発生しました。レアアースを使用する部品の調達が滞ったためで、日本の自動車メーカーで中国の輸出規制による生産停止が明らかになったのは初めてのことです。
中国政府は2025年4月4日、米国による相互関税への報復措置として、サマリウムやテルビウムなど7種類のレアアースに対する輸出管理を強化しました。さらに10月9日には、レアアースの採掘技術や製錬技術についても輸出規制の対象に追加し、規制の範囲を大幅に拡大しています。
「中国のレアアース規制で部品調達が困難になっている」
「今後さらに生産停止が広がる可能性がある」
「安定した調達先の確保が急務だ」
「国内メーカーは代替技術の開発を急いでいる」
「日本の技術力で中国依存を脱却できるはず」
高市首相の危機管理投資戦略
高市首相は所信表明演説で、経済安全保障と成長戦略を同時に進める「危機管理投資」の重要性を強調しました。この戦略は、官民連携によって様々なリスクや社会課題に先手を打って対応し、課題解決に資する製品やサービス、インフラを世界に展開することで日本の成長につなげるものです。
危機管理投資の対象分野には、経済安全保障、食料安全保障、エネルギー安全保障、国土強靭化対策などが含まれ、レアアース確保はその中核をなします。政府は「責任ある積極財政」の下で戦略的に財政出動を行い、強い経済の実現を目指しています。
今回の重要鉱物確保支援策は、この危機管理投資の具体的な施策として位置づけられ、物価高対策・成長投資・防衛力強化を三本柱とする10兆円超規模の経済対策の一部として実施される見通しです。
JOGMECを通じた支援策強化
政府は独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じて、日本企業のレアアース確保を積極的に支援してきました。2025年3月には、岩谷産業とJOGMECがフランスのカレマグ社に最大110百万ユーロを出融資し、重希土類の日本向け長期供給契約を締結するなど、調達先の多角化を進めています。
また、2023年にはオーストラリアのライナス社への追加出資により、重希土類のジスプロシウムとテルビウムの最大65%を日本向けに供給する契約を結んでいます。こうした既存の取り組みをさらに拡大し、民間企業による鉱山開発や製錬事業への資金面での支援を強化する方向です。
経済産業省は、今後も米国などとの協力を通じて調達先の確保を急ぐとともに、国内での技術開発や代替材料の研究開発も並行して進める方針を示しています。特にレアアースを使用しない技術の開発や、リサイクル技術の向上により、中国依存度の低減を図る考えです。
政府は月内に経済対策を正式に決定し、来年度予算編成に向けた具体的な支援策の詳細を詰める予定です。この取り組みにより、日本の産業界がレアアース供給リスクに対してより強靭な体制を構築することが期待されています。