2025-09-09 コメント: 2件 ▼
赤沢亮正経済再生相「格下発言は戦術」発言に批判 日本に不利な条件で何を得意げに語るのか
米国からの関税引き下げ要求に対して、日本だけが応じなかったと主張しつつ、「私は格下も格下」との発言は交渉戦術だったと説明した。 赤沢氏は「最終的に大統領とディール(取引)をすることになり、結果が出たことは印象に残っている」と強調した。 赤沢氏の説明は「国益を守った」ではなく、「国益を削って米国の要求を呑んだ」結果にすぎないのではないか、という批判が強まっている。
赤沢経済再生相「対米交渉で米国を押し切った」 格下発言は戦術と説明も批判拡大
赤沢亮正経済再生担当相は9日の閣議後会見で、対米関税交渉について「関税より投資(の立場で)一貫して最後まで米国を押し切った」と述べ、日本が一定の成果を得たとの認識を示した。米国からの関税引き下げ要求に対して、日本だけが応じなかったと主張しつつ、「私は格下も格下」との発言は交渉戦術だったと説明した。
「格下発言」の真意と交渉術
赤沢氏は4月、初めての閣僚協議で訪米し、トランプ大統領と会談。その際に発した「格下発言」について、「大統領の耳に入るだろうと思って、相手の懐に飛び込むために大事だと思ってやった」と述べ、自らを低く見せることで交渉を優位に運ぶ狙いがあったと説明した。
「あの発言は失言かと思ったが、戦術と言われても納得できない」
「国益を守るためならプライドを捨てるのは理解できるが、日本に不利なら意味がない」
「交渉術と胸を張る前に、成果を数字で示すべきだ」
「へりくだり外交が結果的に譲歩につながったのでは」
「得意げに語るのは国民感情を逆なでする」
交渉結果と不利な条件
赤沢氏は「最終的に大統領とディール(取引)をすることになり、結果が出たことは印象に残っている」と強調した。しかし、具体的に日本が得た利益は不透明で、むしろ米国の投資拡大を優先させることで日本の産業に不利な条件が課されたのではないかという懸念も広がっている。
「関税引き下げ要求をかわした」という一点だけが強調される一方、農産物やエネルギー関連分野での米国優遇措置が進められているのではないか、との疑念が野党や専門家から指摘されている。赤沢氏の説明は「国益を守った」ではなく、「国益を削って米国の要求を呑んだ」結果にすぎないのではないか、という批判が強まっている。
「戦術」の実態と批判
「私は格下」と語った発言を赤沢氏は「戦術」と説明したが、批判の多くは「その戦術で実際に得られた成果が乏しい」という点に向けられている。戦術は結果とセットで評価されるものであり、日本が不利な条件を抱え込んだまま「押し切った」と言うのは矛盾しているとの声が上がる。
赤沢氏が得意げに語った交渉結果が、実際には米国主導のディールに引き込まれ、日本側の譲歩を積み重ねただけなら、国益を損なうどころか外交戦略の失敗とも言える。
対米交渉の評価と説明責任
赤沢氏の発言は、外交交渉における「柔軟さ」と「国益を守る責任」とのバランスを問うものとなった。仮に「戦術」があったとしても、それが日本にとって不利な結果を招いたなら、交渉術と誇る資格はない。むしろ詳細な交渉過程と成果を国民に説明し、国益がどのように守られたのかを明らかにすることが不可欠である。
今回の赤沢氏の会見は、交渉人としての評価を求めるどころか、「何を得意げに語っているのか」という国民の不信を招いた。今後の国会審議では、具体的な成果と国益への実効性が厳しく問われることになりそうだ。