2025-09-06 コメント投稿する ▼
米関税引き下げも負担残る 赤沢亮正氏「医薬品・半導体は決着せず」対米投資81兆円の影響分析へ
赤沢氏は、医薬品や半導体について「大統領令は出ていない。 トランプ大統領が署名した大統領令には、自動車関税引き下げだけでなく、日本に対する相互関税の特例措置、日本側による5,500億ドル(約81兆円)の対米投資、さらに米国産コメの輸入拡大も含まれている。 赤沢氏が示した「影響分析と必要な対応」は、日米関税交渉の不確実性を反映している。
米関税引き下げも残る負担 赤沢経済再生相が影響分析を表明
赤沢亮正経済再生担当相は6日、関税交渉のため訪米した後に帰国し、羽田空港で記者団に応じた。ドナルド・トランプ米大統領が日本車の関税を15%に引き下げる大統領令に署名したことを受け、赤沢氏は「引き下げになったとは言え関税はかかり続ける」と強調。日本経済への影響分析を進め、必要な対応を検討する考えを示した。
自動車は日本の基幹輸出産業であり、米国市場の動向は国内経済に直結する。関税が依然として高水準に設定されていることから、価格転嫁や投資判断への影響は避けられない。今回の措置に盛り込まれた「相互関税」の特例は、将来的に関税が上下し得る不確実性を内包しており、企業は柔軟な戦略構築を迫られている。
「15%に下げたと言っても依然重い」
「相互関税は取引環境を不安定にする」
「市場は安心できない」
「自動車だけでなく部材や関連産業も影響する」
「日本の交渉力が試される局面だ」
医薬品・半導体の合意は未決着
赤沢氏は、医薬品や半導体について「大統領令は出ていない。決着はついていない」と述べ、他国より高い関税を課さないとの合意が未確定であることを明らかにした。半導体はサプライチェーン全体の安定に直結し、医薬品は国民生活や安全保障にも影響する。これら戦略分野での不確実性は、企業の投資計画を慎重化させる要因となる。
政府は米国との交渉を継続し、正式な合意形成を急ぐ方針だが、最終的な着地点は見通せない。特に半導体を巡っては世界的な需要競争が激化しており、関税の有無が供給体制に大きな影響を与える可能性がある。
相互関税と対米投資 国益の可視化が課題
トランプ大統領が署名した大統領令には、自動車関税引き下げだけでなく、日本に対する相互関税の特例措置、日本側による5,500億ドル(約81兆円)の対米投資、さらに米国産コメの輸入拡大も含まれている。巨額の投資や輸入拡大は日米関係の安定に一定の役割を果たす一方、国内の産業や農業への影響をどう調整するかが問われている。
日本政府は、こうした取り組みが国益にどのように資するのか、国民に対して透明性を持って説明する責任を負っている。特に投資の実効性や国内経済への波及効果を明確に示さなければ、「ポピュリズム外交」との批判を招きかねない。
「81兆円の投資に見合う効果はあるのか」
「米国産コメの輸入拡大で国内農業が影響を受ける」
「国益の説明が不十分だ」
日米交渉の行方と今後の対応
赤沢氏が示した「影響分析と必要な対応」は、日米関税交渉の不確実性を反映している。自動車、半導体、医薬品といった基幹分野での課題は残されており、国内産業の安定に向けた戦略的な判断が不可欠だ。
今回の関税引き下げは一見すると前進に見えるが、依然として負担は大きく、また新たな不安定要素も生じている。政府は交渉の全体像を国民に明確に示しつつ、国内産業への支援や国際競争力強化策を同時に進める必要がある。