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活動報告・発言

公約がついているタイトルは公約に関連する活動です。

国保保険料軽減「高校生年代まで」拡大へ、子育て世帯に朗報

2025-11-26
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厚生労働省が国民健康保険の保険料軽減措置を高校生年代まで拡大する方針を固めたことが明らかになりました。現在は未就学児のみが対象となっている軽減措置を18歳まで広げることで、子育て世帯の経済負担を大幅に軽減する狙いがあります。 子育て支援の新たな一手 厚生労働省は、自営業者らが加入する国民健康保険の保険料について、現在未就学児を対象に実施している軽減措置を「高校生年代まで」に拡大する方向で検討に入りました。この措置により、子育て世帯の保険料負担を軽減し、少子化対策の一環として位置づけられています。 現在の制度では、子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、国・地方の取組として、未就学児の均等割保険料を軽減する制度が2022年4月から開始されており、未就学児に係る均等割保険料について、その5割が公費により軽減されています。 今回の拡大案は、27日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会に提示される予定です。同省は来年の通常国会で関連法案を提出し、早ければ2027年4月の実施を目指しています。 >「高校生まで軽減されるのは助かります」 >「自営業の家計負担が少しでも軽くなれば」 >「子育て支援として良い政策だと思う」 >「公費負担が増えるのは心配です」 >「もっと早く実施してほしかった」 対象者拡大で大幅な負担軽減 厚生労働省の調査によると、2023年9月末時点の国民健康保険加入者は、6歳以下が約50万人、7~18歳が約130万人となっています。同省は所得にかかわらず、高校生年代までに拡大したい考えで、100万人超が新たに対象となる見通しです。 国民健康保険の保険料は、世帯の加入者数に応じて課される「均等割」や、加入者の所得に応じて支払う「所得割」などを組み合わせて決まります。子どもの数が多いほど世帯ごとの均等割の負担が重くなるため、2022年4月から未就学児に関する均等割の負担額の半分を公費で賄う制度を始めていました。 現在の軽減措置では、国保に加入している未就学児(6歳に達する日以後の最初の3月31日までの被保険者)に係る保険料について均等割額が5割減額されており、すでに減額が適用されている未就学児には本減額が上乗せされています。 財源確保と実施効果 対象を高校生年代まで拡大すれば、減額措置に必要となる国・地方の公費は今年度の約80億円から250億円前後に増えると見込まれています。これは約170億円の追加財源が必要となることを意味します。 保険料は自治体によって異なり、国は低所得世帯への減額措置も講じています。低所得ではない子育て世帯の場合、今年度の水準でみると、子ども1人あたりの保険料負担は、さいたま市なら年約2万6000円、鳥取市なら年約1万5000円が減る計算となります。 この軽減効果は家計に与える影響が大きく、特に子どもの多い世帯ほど恩恵を受けることになります。均等割額が3万円、国保の加入者が3人なら9万円になり、未就学児1人あたりの均等割は現在2万円に軽減されていますが、高校生年代まで拡大されれば、より多くの子どもがこの恩恵を受けられます。 制度の背景と課題 国民健康保険は会社員が加入する健康保険と異なり、扶養という概念がないため、子どもも一人ひとりが被保険者となり保険料が発生します。子どもでも1人あたり年間約4万円~8万円かかる場合が多く、親族を扶養に入れるシステムがないため、子どもでも保険料がかかります。 この仕組みが子育て世帯の経済的負担となっており、少子化対策としても問題視されていました。今回の軽減措置拡大は、こうした課題に対する政府の具体的な対応策となります。 現在の軽減措置では、世帯の国保加入者数と加入者の所得金額により設定された基準に基づき、均等割額と平等割額の合計金額が7割・5割・2割軽減される仕組みがあり、これに加えて未就学児の追加軽減が適用されています。 高校生年代までの拡大が実現すれば、子育て世帯の経済負担が大幅に軽減される一方、公費負担の増加により財政への影響も懸念されています。2027年4月の実施を目指すとされており、今後の国会審議や予算確保の動向が注目されます。

生活保護費 全額補償を求める 抗議と司法判断の波紋

2025-11-25
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生活保護費「全額補償を」 中央社保協が厚労省前で抗議行動 行動のきっかけと要求内容 11月25日、中央社会保障推進協議会(中央社保協)は、厚生労働省(厚労省)前で抗議行動を行い、2025年6月に最高裁判所が過去に実施された生活保護費の引き下げを「違法」と判断したことを受けて、すべての生活保護受給者に対して「基準額の全額を補償せよ」と迫りました。 参加者は「生活保護基準額の全額を補償せよ!」「政府は原告と生活保護利用者を差別するな!」とのコールを行い、実際の減額によって生活に打撃を受けた受給者の声を政府に突きつけました。原告である武田新吾さんは「原告には補償案が出されているが、他の利用者にはわずか10万円では到底足りない。私たちはもっと大きな被害を受けている」と訴え、全利用者への真の救済を求めました。 また、中央社保協の 林信悟 事務局長は「全員に全額補償を求める」と断言し、他の福祉団体の代表も「一部補償だけでは差別と分断を生む」「国は全国どこでも公平な福祉を提供すべきだ」と強く批判しました。 最高裁判決の意味と厚労省の対応案 そもそも問題となったのは、2013〜2015年に施された生活保護の「生活扶助」の大幅な引き下げでした。国は物価の下落などを理由に削減を行い、当時で約670億円規模のコスト削減を図っていました。 しかし今年6月27日、最高裁はこの引き下げについて「違法」と判断。補助基準の根拠となる統計処理や手続きが客観性や妥当性を欠いており、憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」を脅かすものと認定しました。これは引き下げを撤回し、国による支払いの義務を認めたことを意味します。 これを受け、厚労省の専門委員会は補償案を検討。その中では「全額補償」「一部補償」の両案を報告書の選択肢に挙げました。だが最終的に厚労省は、いわゆる「一部補償」で対応する方向を打ち出したとされます。具体的には、原告ら一部には補償を上乗せするが、一般の受給者には限定的な補償とする案です。これに対して支援団体や原告側からは「違法判決への応答として不十分」「事実上の差別だ」と強い反発が出ています。 受給者・市民の視点:裁判勝訴でも不安続く この問題に対して、ネット上や市民の間では「裁判で勝っても補償が不十分なら意味がない」との声が少なくありません。 > 「裁判で違法と言われたのに、なぜ全額戻さないの?」 > 「一部だけじゃ、やっぱり生活できない」 > 「こんなやり方じゃ、不安だけが残る」 > 「本当に国は弱い立場を守る気あるのか」 > 「補償ありきじゃなく、人として尊重してほしい」 こうした声には、「裁判が認めるべき最低ラインなら、国は守る義務がある」「受給者の命と暮らしがかかっている」という切実さがにじみ出ています。たとえ判決で勝っても、補償が不十分なら「勝利」は形だけだ、との不満も根強いようです。 なぜ全額補償が必要か:社会保障の理念と実態 支援団体や社会福祉学の専門家は、補償を一部にとどめることを「制度としての矛盾」と批判します。生活保護は国の責任で生活の最低基準を保証する制度であり、最高裁が不当と断じた引き下げ分を放置すれば、法律違反の状態が延々と続くことになるからです。 また、補償が限られた人にしか行われないなら、受給者間に不公平が生まれ、生活保護そのものへの社会的偏見や分断を助長しかねません。多数の人が補償を待ち望んでおり、裁判勝訴から事実上の救済までに時間がかかれば、生活苦に苦しむ人々が救われないままとなります。 今後の焦点と政府の責任 現在、厚労省がどのような補償スキームを最終的に採るかが最大の焦点となっています。全額補償か、それとも一部のみか――この選択が、制度の公平性と国民の信頼を大きく左右します。支援者や原告側は、「補償とともに国としての謝罪」「再発防止策」も併せて求めています。 一方で、国の財政や他制度との兼ね合いを理由に限定的な対応を主張する声もあるでしょう。しかし、そもそも違法とされ、元の水準に戻す必要がある以上、「経費節約」の論理を先行させるのは制度の理念に反します。 今後、政府は裁判の結果を受け止め、実効性ある救済措置と、生活保護制度の信頼回復に真摯に取り組む必要があります。社会保障の根幹にかかわる今回の問題を、単なるコストの問題で片付けることは許されません。

東京都と23区が墓地埋葬法改正要望 火葬料金9万円の独占状態に行政指導権限強化求む

2025-11-25
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火葬料金高騰で東京都と23区が法改正要望 民間独占に行政の指導権限強化求む 東京都と23区の区長でつくる特別区長会は2025年11月25日、民間火葬場の火葬料金高騰問題を受け、墓地埋葬法の改正を国に要望しました。栗岡祥一副知事と特別区長会会長の吉住健一新宿区長が、厚生労働省を訪れ、上野賢一郎厚労相に要請したものです。 都内、特に23区内の火葬料金は全国でも突出して高額で、深刻な社会問題となっています。この問題は単なる料金高騰にとどまらず、民間企業による事実上の独占状態と、それに対する行政の指導力不足が背景にあります。 突出する東京23区の火葬料金 東京23区の火葬料金の高さは全国的に見ても異常な水準です。23区の火葬場は9カ所あり、このうち、最大手の東京博善(港区)が6カ所を担う。料金は4年前は6万円を切っていたが、近年は値上げを続け、今は9万円に達する状況となっています。 一方で、厚労省の通知では、火葬事業について「原則として経営主体は地方自治体」とする。全国の火葬場のうち99%が自治体などの公営で、料金は1万~2万円となっており、東京23区の料金は全国平均の約4倍という異常な水準です。 この高額な料金設定により、深刻な問題が発生しています。都内のある区では昨年、親戚の遺体の引き取りを住民が拒否する事例があった。区は引き取り手がない「行旅死亡人」として火葬を引き受けたという、「費用が高くて火葬できない」という事態まで発生しています。 現行法の限界と法改正の必要性 今回の要望の核心は、現行の墓地埋葬法では民間火葬場の料金設定に対する行政指導の権限が不明確であることです。都と特別区長会は以下の内容を求めています。 火葬料金に関する指導権限を明確にするよう国に要望した。民間火葬場の料金設定に行政が関与できる仕組みづくりも求めたほか、火葬料金の設定の考え方に関するガイドラインを国が示すよう要望。民間火葬場が火葬以外の事業を行っている場合は、火葬事業の経費に関し、内訳の公表を義務付けることも求めたとしています。 厚生労働省側は、現行法でも区市町村が民間火葬場の火葬料金について指導できるとの立場をとっており、10月には、火葬料金が法外な料金設定になっていないかを確認するなど、指導監督を行うよう自治体に通知を出したとしていますが、実効性に疑問があります。 >「火葬代が9万円って正気か、死ぬのにも金がかかりすぎる」 >「民間独占をなんとかしろよ、これじゃぼったくりと同じ」 >「他県では1万円なのに東京だけ異常すぎる」 >「公営火葬場を増やしてくれ、民間に任せるからダメなんだ」 >「法改正は当然、行政が指導できないなんておかしい」 民間独占の弊害と構造的問題 東京23区の火葬料金高騰の背景には、民間企業による事実上の独占状態があります。23区に民間の火葬場が多いのは、人口密集地で火葬場を新規に建設することが難しかった事情がある。東京博善は、寺院など古くからあった火葬場を買収して事業を拡大してきました。 料金値上げの推移を見ると、その急激さが分かります。結果、2021年1月には、一般向けのもっとも安い「最上等」の大人料金を5万9000円から7万5000円と、1万6000円の値上げを実施した後、さらに値上げを重ね、現在は9万円台に達しています。 この値上げについて業界関係者は、「通常、値上げする場合は業界内で『1年後に値上げします』といった根回しをして、業界各所の同意を取ったうえでおこないます。しかし、東京博善はそういった慣習をいっさい無視して、2020年秋ごろ、いきなり『3カ月後に値上げします』と、一方的な通達を出したんです」と証言しており、独占的地位を背景とした一方的な値上げが問題視されています。 厚生労働大臣の反応と今後の展望 上野賢一郎厚生労働大臣は要望に対し、「現行の火葬料金が適切かどうか判断するのは難しい。条例で基準を設定できるのではないか」としつつ、「現行法でどこまでできるか、料金に関して国として何ができるか研究したい」と回答しました。 しかし、都と特別区長会は、墓埋法に火葬料金を含む経営管理に関する事業者の責務など具体的な規定がないことから、「指導の実効性を担保することができない」と主張。あくまで同法の改正を求める方針を堅持しています。 この問題は東京都だけでなく、全国の自治体にとっても重要な先例となります。公共性の高い火葬サービスが民間独占により適正価格から大きく乖離する現状は、法的枠組みの整備が急務であることを示しています。 少子高齢化が進む中で、火葬需要は今後も増加が見込まれます。誰もが必要とする最後のセーフティネットともいえる火葬サービスの適正価格確保は、行政の重要な責務といえるでしょう。今回の法改正要望が、全国の火葬料金適正化に向けた重要な一歩となることが期待されます。

障害福祉職員月給4.5%増も全産業格差7万円 2026年度報酬臨時改定で処遇改善

2025-11-25
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深刻化する人材不足に歯止めを 障害福祉職員月給4.5%増も全産業との格差拡大 2026年度臨時改定で処遇改善強化へ 厚生労働省とこども家庭庁が11月25日に発表した調査結果によると、障害福祉施設・事業所で働く職員の2025年7月平均月給は26万730円となり、2024年9月比で4.5%の増加を記録しました。しかし、全産業平均の33万400円との格差は約7万円に及び、人材確保の困難さが浮き彫りになっています。 処遇改善効果は限定的、格差は拡大傾向 今回の調査は、全国約7000カ所のグループホームや重度訪問介護事業所のうち、職員の賃上げ時に障害福祉サービス報酬が加算される制度を利用した事業者を対象に実施されました。月給26万730円という水準は、2024年の賃金構造基本統計調査での全産業平均33万400円と約7万円の開きがあります。 特に深刻なのは、この格差が縮小されていないことです。福祉新聞の報道によると、2024年の障害福祉職員賃金は30万8000円で全産業平均38万6000円より7万8000円低く、2023年の6万5000円差から1万3000円も差が拡大しています。 2024年度には「福祉・介護職員等処遇改善加算」が創設され、従来の3種類の処遇改善加算が一本化されましたが、まだその効果が十分に現れていない状況です。 事業所の経営状況も厳しさ増す 調査では事業所の経営実態についても明らかになっています。2024年度の全サービス平均利益率(収支差率)は4.6%となり、前年度から0.4ポイント減少しました。物価高騰や人件費上昇の中で、事業所の経営も厳しさを増している状況が確認されています。 東京商工リサーチの調査では、2024年1月から8月における介護事業者の倒産件数は114件となり、前年同期比44.3%増となっています。新型コロナウイルス感染拡大の影響に加え、物価高の直撃を受けた結果です。 >「4.5%上がったといっても、まだまだ他業界との差は大きい」 >「処遇改善加算があっても、事業所の経営が苦しくて十分に活用できない」 >「人手不足で一人あたりの負担が増えている。給料も上がってほしい」 >「障害福祉の仕事にやりがいを感じているが、生活を考えると転職も考える」 >「報酬改定が頻繁すぎて事務負担が重い。現場に集中したい」 2026年度臨時改定で抜本的改善目指す この状況を受け、政府は2026年度に障害福祉サービス報酬の臨時改定を実施する方針を固めています。通常は3年に1度の改定サイクルですが、次回予定の2027年度を前倒しして、処遇改善に特化した緊急措置を講じることになります。 2024年度の報酬改定では、2024年度に2.5%、2025年度に2.0%の職員ベースアップを可能にする措置が盛り込まれましたが、今回の調査結果を踏まえ、さらなる対策が必要と判断されました。 厚生労働省は、2024年6月施行の「福祉・介護職員等処遇改善加算」の効果が調査に十分反映されていないことや、同加算未取得の事業所も含まれていることが影響していると説明していますが、根本的な解決には報酬水準の抜本的見直しが不可欠です。 人材確保策の充実が急務 障害福祉分野の人材不足は深刻な状況が続いています。独立行政法人福祉医療機構の2023年度調査では、障害福祉事業所の52.6%が「職員が不足している」と回答し、2020年度調査から2.4ポイント上昇しています。 特に訪問系サービスの人材不足は深刻で、2024年度改定では訪問系サービスに高い加算率が設定されましたが、根本的な処遇改善なしには人材確保は困難な状況です。 国は制度改正を重ね、2025年度を大きな節目として福祉・介護職員の処遇改善を推進する方針ですが、事業所が安定的に人材を確保し質の高いサービスを提供するためには、処遇改善加算の取得促進と適切な運用が欠かせません。

厚労省が受動喫煙対策見直し議論開始 加熱式タバコ規制強化も視野

2025-11-25
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改正健康増進法 施行5年の転換期 加熱式タバコも受動喫煙規制の対象へ 厚労省が見直し議論開始 2020年4月の改正健康増進法施行から5年が経過し、厚生労働省は受動喫煙対策の抜本的な見直し議論を開始しました。これまで例外扱いされてきた加熱式タバコについても、新たな研究結果を踏まえて規制強化が検討されることとなりました。 改正健康増進法施行から5年の検証が本格化 改正健康増進法は2020年4月に全面施行され、多くの人が利用する施設での受動喫煙防止対策が本格化しました。法律では学校や病院などの第一種施設を敷地内禁煙とし、飲食店やホテルなどの第二種施設を原則屋内禁煙と定めています。 しかし、紙巻きタバコの喫煙には専用室が必要とされる一方、加熱式タバコについては健康影響のデータが不十分として、分煙されていれば飲食を伴う喫煙が認められてきました。改正法の附則には、施行から5年を経過した段階での検討条項が盛り込まれており、今回の見直し議論はこれに基づくものです。 この5年間で受動喫煙を巡る状況は大きく変化しており、特に加熱式タバコの利用拡大と健康影響に関する研究の蓄積が議論の焦点となっています。 >「加熱式タバコなら安全だと思っていたのに、規制されるなんて」 >「飲食店でやっと分煙できていたのに、また厳しくなるの?」 >「受動喫煙の害がはっきりしたなら、当然規制すべきでしょ」 >「喫煙者にとって、どんどん肩身が狭くなる」 >「子どもの健康を考えたら、全面禁煙が理想」 加熱式タバコの健康影響研究で新知見 見直し議論の背景には、加熱式タバコによる健康影響に関する研究成果の蓄積があります。2024年に実施された厚生労働科学研究「加熱式タバコの能動喫煙・受動喫煙の健康影響に関する総合的検証研究」では、重要な知見が得られています。 調査結果によると、過去1か月間に加熱式タバコによる受動喫煙を受けた人は全体の37.3%、非喫煙者の29.1%に上ることが判明しました。さらに、熊本大学の研究では、加熱式タバコを吸う父親がいる家庭で、家族の尿中からニコチン代謝物が検出され、受動喫煙のリスクが実証されています。 横浜市立大学の研究グループは、アイコス(イルマ)のタバコスティックからの抽出物に、がん細胞の増殖に関係する物質が含まれていることを報告しており、加熱式タバコの毒性についても従来の認識を覆す研究結果が相次いでいます。 日本学術会議は2023年の報告書で、加熱式タバコの有害性について明確な警告を発しており、国際的にも米国や英国では厳格な規制が導入されています。 国際基準からの遅れと政策課題 世界保健機関(WHO)が2022年に発表した日本のタバコ対策評価では、受動喫煙対策は「可(最小限の対策)」、広告規制は「不可」という厳しい評価を受けています。特に加熱式タバコを例外扱いしている現状は、国際基準からの大幅な遅れとして指摘されています。 現行制度では、加熱式タバコ専用の喫煙室では飲食が認められており、完全な受動喫煙防止が実現していません。これは、たばこ規制枠組条約で求められている屋内全面禁煙の理念とも乖離している状況です。 また、既存の小規模飲食店については2025年をめどとした見直しが予定されており、大阪府では2025年4月から独自の受動喫煙防止条例により、より厳格な規制が導入される予定です。こうした自治体レベルでの先行した取り組みも、国レベルでの見直し議論を後押ししています。

上野厚労相が生活保護減額違法判決巡り一部補償方針に理解要請

2025-11-25
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上野厚労相、生活保護減額補償で一部支給方針に理解求める 上野賢一郎厚生労働相は2025年11月25日の記者会見で、2013年から2015年の生活保護費引き下げを違法とした2025年6月の最高裁判決を受けた政府対応について、減額分の一部にとどまる補償方針への理解を求めました。同相は専門委員会の報告書などを踏まえた決定だと説明し、「広く国民に改めておわびを申し上げる」と述べました。 最高裁判決で違法性が確定、12年ぶりの司法判断 最高裁第3小法廷は2025年6月27日、厚労省が2013~15年に実施した生活保護費のうち食費や光熱費などの「生活扶助」の基準を平均6.5%引き下げ、670億円を削減した措置について違法と判断しました。判決では「デフレ調整」と呼ばれる物価変動率を指標とした手法が、専門家の議論を経ていないとして厚労相の判断に裁量の逸脱・乱用があったと結論付けました。 この判決により、29都道府県で1000人を超える原告が起こした「いのちのとりで裁判」で原告側の勝訴が確定しました。生活保護基準の引き下げを違法とする最高裁の統一判断は初めてで、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の意義を改めて示す画期的な判決となりました。 ネット上では判決への賛同と政府対応への批判が多く見られます。 >「違法と判決が出たのに、なぜ全額補償しないのか理解できません」 >「最低限度の生活を保障するのが国の責任なのに、財政を優先するのはおかしい」 >「裁判で12年も苦労した原告の方々への誠意を示すべきだ」 >「生活保護は最後のセーフティネット、削減ありきは間違っている」 >「高市首相が謝罪したのは評価するが、補償は中途半端すぎる」 原告に特別給付、総額2000億円規模の対応策 厚生労働省は11月21日、最終的な補償方針を発表しました。原告に対しては違法とされた引き下げ分を全額支給し、一方で生活保護基準については当時の消費動向などの新たな指標も加味し、従来の基準と比べ約2.5%減額改定した上で、原告以外も含め一律に適用すると発表しました。 原告には改定前の支給水準と今回の改定基準との差額分を特別給付として支給し、支給額は原告が約20万円、原告以外は約10万円となります。この措置により、長期間の訴訟負担を強いられた原告への配慮を示しつつ、財政負担の抑制を図る方針です。 上野厚労相は25日の会見で、原告に上乗せする対応について「裁判の争いを繰り返さないことに留意が必要だとの指摘があった」と理由を説明しました。しかし、原告側が求めていた直接の謝罪には言及せず、慎重な姿勢を維持しています。 300万世帯対象、2025年度補正予算に計上へ 補塡にかかる費用は2000億円程度を見込み、すでに保護の対象から外れた人も含め約300万世帯が対象となります。政府は2025年度の補正予算案への計上を調整しており、来年度から段階的な支給を開始する予定です。 厚労省は18日に自治体との協議を開催し、減額分の補塡について申請などの問い合わせに対応する相談窓口を国が設置する方針を示しました。支給事務を担う地方自治体の負担軽減も重要な課題となっています。 ただし、原告側からは「一部補償は司法判断を軽視するもの」として強い反発が出ており、新たな訴訟の可能性も指摘されています。生活保護制度の適正な運用と司法判断の尊重をいかに両立させるかが、今後の大きな課題となりそうです。

厚生労働省が裁量労働制を上限規制適用外と不正確説明 自民会合で働かせ放題誤解拡大の恐れ

2025-11-25
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厚生労働省が自民党の会合で裁量労働制について「時間外労働の上限規制が適用されない」との不正確な説明を行っていたことが明らかになりました。実際には裁量労働制も上限規制の対象であり、この誤解は「働かせ放題」との認識を広げる恐れがあります。 厚労省が自民会合で不正確説明 2024年10月7日、厚生労働省労働基準局長らが自民党雇用問題調査会に出席した際、時間外労働の上限規制を説明する資料で、裁量労働制を高度プロフェッショナル制度と同列に「上限規制が適用されない」と説明していました。この会合は冒頭以外非公開で行われており、詳細な議論内容は明らかにされていません。 しかし実際には、裁量労働制は2019年から順次施行された働き方改革関連法による時間外労働の上限規制の適用対象です。原則として月45時間・年360時間を上限とし、休日労働を含めても月100時間未満、複数月平均で月80時間以内とする規制が、みなし労働時間制度にも適用されています。 >「裁量労働制なら残業し放題って思ってたけど、実は上限規制があるのか」 >「厚労省の説明が間違ってるって、どういうこと?労働者を守るべき立場なのに」 >「これじゃあ企業側も混乱するし、働く側も不安になるよ」 >「正しい情報を伝えるのが行政の責任なのに、信頼失うよこれは」 >「裁量労働制の誤解がさらに広がったら、長時間労働が増えちゃう」 裁量労働制の実態と上限規制 裁量労働制は、実際の労働時間にかかわらずあらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度です。専門業務型と企画業務型の2種類があり、厚生労働省の調査では専門業務型を導入している企業は2.2%、企画業務型は0.6%にとどまっています。 裁量労働制でも残業代は発生し、みなし労働時間が法定労働時間の8時間を超える場合は、超過分について時間外労働として割増賃金の支払いが必要です。また、深夜労働や休日労働についても一般労働者と同様の割増賃金が発生します。 2021年の厚生労働省実態調査では、裁量労働制適用労働者の1か月平均労働時間は171時間36分と、非適用事業場の169時間21分より長時間労働となっていることが判明しています。このため2024年4月には制度見直しが行われ、労働者本人の同意取得や健康確保措置の強化が図られました。 誤解招く説明の背景と影響 今回の厚労省の不正確な説明には、経済界や政府・自民党で労働時間規制緩和を求める動きが強まる中、裁量制を適用外と説明することで上限規制そのものの見直し圧力をかわす意図があったとみられています。 しかし、このような説明は制度への誤解を深刻化させる恐れがあります。裁量労働制が「働かせ放題」の制度だという誤った認識が広がれば、長時間労働の温床となりかねません。実際、裁量労働制は適用できる業務が法律で限定されており、労働者の健康確保や適正な運用が求められている制度です。 厚労省は正確な情報提供と制度の適切な運用指導により、労働者の権利保護と企業の適正な労務管理を両立させる責任があります。今回のような不正確な説明は、労働行政への信頼を損ねるものであり、今後の改善が求められます。

厚生労働省、生活保護基準再改定で2.49%減額方針。特別給付金支給も

2025-11-21
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生活保護費再減額方針に疑問の声 厚生労働省が生活保護基準の再改定を決定 厚生労働省は2025年10月21日、生活保護基準に関する「いのちのとりで裁判」の最高裁判決を受け、国が過去に行った生活保護基準引き下げに関する対応方針を決定しました。これにより、2013年から2015年にかけて行われた大幅な引き下げが違法であるとされた最高裁の判決を受け、生活保護基準を再度減額することとなりました。再改定後の基準は2.49%の減額となり、その差額分を全利用者に支給することが決まりました。また、原告に限り、追加の「特別給付金」が支給される予定です。 生活保護基準引き下げの背景 厚生労働省によると、2013年から2015年にかけて、物価の下落率を元にした「デフレ調整」が実施されました。この調整により、生活保護基準は一律で4.78%の減額が行われました。しかし、最高裁はこの引き下げが違法であると判断し、過去にさかのぼってその適用を無効としました。 今回の再改定において、厚生労働省は基準を2.49%減額した新たな数字を導入し、過去に引き下げた部分を補う形で約10万円を支給する方針を決定しました。これにより、約300万世帯、2000億円規模の支援が実施される予定です。しかし、この新たな基準に対しては強い批判もあります。 批判の声と問題点 再改定に関して、専門家や弁護団は強い懸念を示しています。最高裁の判決が指摘した「デフレ調整」を基にした引き下げを再び適用することは、物価下落を反映させた不当な措置を再度取り入れることになり、利用者に対してさらに負担を強いる結果を招くとしています。 特に「紛争の蒸し返し」になるとの指摘があります。引き下げを巡っては、すでに法的な結論が下されており、改めてその差額を支給することが無意味だとの批判です。国の専門委員会の委員からも、再改定が「公平性を欠く」結果を招くとの反発の声が上がっています。 さらに、今回の対応方針では、全利用者に対して平等に支給されるべき生活保護費が、原告に対してのみ追加で支給される「特別給付金」という形で区別されています。これもまた、生活保護の無差別平等原則に反するものとして、一部から厳しく指摘されています。 > 「政府は再び生活保護受給者を分ける判断をしている。法律で決まった基準を無視してまで、平等でなく不公平な支援をする意味があるのだろうか」 > 「結局、生活保護を受ける人々はどれだけ苦しんでいても、政治家たちは口先だけで支援をしているという印象が拭えない」 > 「社会的弱者を救うのは当然だが、支援が不公平に扱われるのは納得できない。制度自体の見直しが必要だ」 > 「生活保護を受けるのは本当に苦しい人たちだからこそ、支援が公平であるべき。特別給付金を原告だけに与えるのは理解できない」 > 「再改定がなぜ必要なのか、誰も納得できない理由が多すぎる。もっと生活保護に対する根本的な改革が必要だ」 国の対応と今後の課題 厚生労働省は、今回の再改定により、2025年度の補正予算案に生活保護費として2000億円を計上する意向を示しています。これにより、補償額が利用者1世帯あたり約10万円となる見込みです。しかし、この再改定に対しては引き続き多くの疑問と反発が予想されます。 特に、原告に対する特別給付金の支給がどれほど効果的であるか、またその実施方法が適切かどうかは今後の焦点となるでしょう。さらに、生活保護制度の根本的な見直しが必要だという意見も多く、今後の議論に注目が集まります。 厚生労働省の再改定方針は、過去の生活保護基準引き下げを受けた最高裁判決を踏まえたもので、生活保護利用者への支援を一定の形で補償しようという試みです。しかし、その方法については、平等性や公平性を欠くとの強い批判が上がっています。特に、原告とその他の利用者を区別する形で支給が行われることについては、制度自体の改善が必要だという声が高まっています。 生活保護制度の改善が今後どのように進められていくのか、その方向性に注目する必要があります。

要介護1・2 訪問・通所介護の総合事業移行を厚労省が“見送り検討” 審議会で慎重論相次ぐ

2025-11-20
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訪問・通所介護 軽度者移行見送りへ 厚生労働省は、要介護1・2の高齢者を対象とした訪問介護・通所介護サービスを市町村の「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」へ移管する構想について、次期制度改正(2027年度)での断行を見送る案を検討しています。20日に開催された社会保障審議会・介護保険部会で、「まずは包括的に検討すべき」という厚労省の提示に対し、委員の支持が相次ぎました。 この構想は、サービス費用の伸びを抑制し、重度高齢者に資源を振り向けることを狙いとしていました。にもかかわらず、総合事業の整備状況が地域により大きく遅れているため、移行の実現性に疑問が呈されてきました。 背景と構想の本質 「要介護1・2」対象の訪問・通所介護を総合事業に移す構想は、給付費が膨らむ介護保険制度に対して、財務省が累次求めてきた改革メニューです。移行が実現すれば、国が主導する給付制度から市町村主体の支援へと“軽度者ケア”の枠が替わることになります。 しかし、現実には総合事業を運営する市町村の能力・財源・人材に地域差があり、全国一律で移行を実施できる状況には至っていません。審議会では「専門職による支援が必要な軽度者も多く、移行は慎重にすべきだ」との意見が目立ちました。 現場・有識者の受け止め 介護現場からは、見送り案に安堵する声が聞かれます。訪問・通所サービスを移管された場合、「地域支援に回せる仕組みや事業所の体力が整っていない」「軽度者でも専門ケアが重要」という声が強く、サービスの質低下を恐れた反対論が根強い状況です。 一方で、有識者からは「見送りは制度改革を断念したわけではない。むしろ準備期間として捉えるべきだ」との指摘があります。移行の必要性自体を否定せず、「質の確保」「自治体間格差の解消」「専門職関与の継続」という長期課題をどう整理するかが今後の鍵になります。 今後の論点 厚労省は部会後、「年末に取りまとめを行い、2027年度改正に向けて議論を継続する」としています。今後注視すべきポイントは以下の通りです。 1. 市町村ごとの総合事業受け皿の成熟度と差異の是正 2. 要介護1・2対象でも専門職による支援を維持する制度設計 3. 給付費抑制圧力とサービス維持のバランス維持 4. 見送りが“議論リセット”にならず、明確な結論に向けたプロセスになるか 政策的には、軽度高齢者のサービス移行というテーマが、単なるコスト削減ではなく、介護保険制度の持続可能性を左右する構図であることが浮き彫りとなっています。今回の「見送り検討」は改革の停滞ではなく、制度設計の“地盤固め”と評価する必要があるでしょう。

ケアマネ資格更新制廃止決定 上野厚労相が負担軽減明言で現場歓迎 深刻人材不足に対策

2025-11-19
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ケアマネ資格更新制廃止へ 厚労相「負担軽減を最優先」現場から歓迎の声続出 深刻な人材不足に歯止めかかるか 厚生労働省は2025年10月27日の社会保障審議会介護保険部会で、ケアマネジャーの資格更新制を廃止する方針を正式に提示し、大筋で了承を得た。上野賢一郎厚労相は2025年11月19日の衆議院厚生労働委員会で、廃止後の研修について「できるだけ負担を軽減する」と明言し、現場の声に応える姿勢を鮮明にした。 現行制度では5年ごとの更新研修受講が義務付けられており、これがケアマネジャーの大きな負担となって離職の一因となっていた。現在のケアマネジャーの年齢構成では60歳以上が約30%を占めており、10年以内には担い手が急激に減少することが見込まれている状況の中で、今回の更新制廃止は人材確保の切り札として期待されている。 研修は義務として継続 オンライン化で負担軽減へ 厚労省老健局の黒田秀郎局長は、資格更新と紐付けられた既存の更新研修は廃止されるが、研修を受講する義務は残ると説明した。ただし、負担軽減のため大幅な見直しを行う。 上野厚労相は研修の改革について、全国統一的な教材の作成、時間数の縮減、オンライン化の推進、任意のタイミングでの分割受講を実現すると表明した。5年間など長い期間をかけて、個々のケアマネジャーが自由なタイミングで研修を分割して受講していける環境をつくる計画も示された。 従来の更新研修では32時間の研修があり、1回でも欠席すれば認められないため、現場からは「負担が重すぎる」との声が相次いでいた。新しい制度では、こうした硬直的な運用を抜本的に見直す方向だ。 >「5年ごとの更新が本当にストレスでした。これで安心して仕事を続けられます」 >「研修は必要だけど、もう少し柔軟にならないかと思っていました」 >「オンラインで受けられるなら、移動時間も節約できて助かります」 >「分割受講ができれば、現場の業務に支障が出にくくなりそうです」 >「更新の心配をせずに利用者さんに向き合える環境になってほしい」 施行時期は「速やかに」も準備期間確保が課題 更新制廃止の施行時期について、上野厚労相は「速やかに実施する必要がある」との認識を示した一方で、明確な時期は避けた。実施主体が都道府県であるため、十分な準備期間を確保する観点も大事として、関係者との十分な意見交換を経て実施時期を丁寧に検討したいと慎重な姿勢を見せている。 厚労省は2026年の通常国会に介護保険法などの改正案を盛り込む予定で、審議会が報告書をまとめる年末か、政府が国会に法案を提出する年明け以降に、施行時期を含む詳細が明らかになる見通しだ。 事業所減少に歯止めかかるか 人材確保は急務 居宅介護支援事業所数は6年連続で減少しており、2024年4月時点で3万6459件と、前年同期から738件も減少している。この背景には、ケアマネジャーの処遇の問題と更新制による負担が大きく関わっているとされる。 日本介護支援専門員協会の小林広美副会長は「5年ごとの更新が離職を決断するタイミングになっている」と指摘し、精神的な重圧を強調した。一方で、法定研修を分割すれば時間的な負担が軽減されるとして、今回の方針に賛成の意向を示している。 ただし、全国老人保健施設協会の東憲太郎会長からは「賃金の低さを是正しない限り、ケアマネの減少に歯止めがかからないのでは」との指摘もあり、処遇改善の必要性も同時に議論されている。 資格取得要件も緩和へ 多様な人材確保目指す 更新制廃止と合わせて、ケアマネジャーの受験に必要な実務経験も5年から3年に見直し、受験資格の対象となる法定資格に公認心理師や救急救命士も加える方針も示された。これにより、多様な背景を持つ人材の入職を促し、人材確保を図る狙いがある。 厚生労働省のシミュレーションによると、ケアマネジャーの人員は2025年までに2万7千人、2040年までに8万3千人が不足すると予測されており、資格取得のハードルを下げることで新規参入を促進したい考えだ。 今回の改革は、ケアマネジャーを取り巻く厳しい環境を改善し、利用者と向き合う時間を増やしてもらうことが最大の狙いとされている。高齢化が進む中で、介護の要となるケアマネジャーの確保・定着は喫緊の課題となっており、今回の制度見直しが現場にどのような変化をもたらすか注目される。

生活保護減額違法で国に責任 補償拒否する厚労省と自治体の対立

2025-11-18
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生活保護減額問題が再燃する背景 生活保護基準を国が大幅に引き下げた2013〜2015年の決定は、最高裁で違法と判断されました。この判断を受け、2025年に入り利用者への補償の在り方が焦点になっています。国と自治体は厚生労働省で協議を行いましたが、自治体は国の責任を明確に認めた補償制度を求めた一方、厚生労働省は特別立法による救済を拒んだとされています。補償対象の範囲や手続きが不透明なままでは、生活保護受給者の不安が解消されず、現場の混乱も避けられません。 自治体側は、基準引き下げによって生じた事務負担や新規人員が必要になった現実を強調しました。特に小規模自治体では職員の数が限られ、国の判断ミスによる追加業務は重大な圧迫となっています。国が示した対応案は補償を一部に限定する内容で、被害の全体像を踏まえた救済になっていないとの批判が自治体から上がっています。 自治体が訴える「国の違法行為による負担」 全国市長会副会長である東大阪市長の野田義和氏は、法の支配に基づいて補償の枠組みを整えるべきだと主張しました。生活保護は国の制度であり、基準改定は国の決定です。その判断が最高裁で違法とされた以上、国が利用者だけでなく自治体にも責任を負うべきだという考えです。こうした主張は極めてまっとうであり、行政の信頼回復にも不可欠です。 全国町村会の白石祐治氏も、国の違法な基準改定によって「本来発生するはずのない事務が生じた」と指摘しました。人手不足の町村役場では、生活保護関連の業務が増えることは深刻な負担です。自治体は法律に基づいて国の制度を運用しているにすぎず、誤った政策による後片付けまで担わされるのは筋が通りません。 現場の混乱と国の姿勢 今回の補償は、自治体が保有する世帯情報や最低生活費の情報を使って進められます。しかし窓口業務を担当するのは自治体であり、遅延や混乱が起きる可能性は高いです。それにもかかわらず国が特別立法を拒む姿勢は、自治体任せと言われても仕方がありません。国の制度の誤りは国の責任で正すべきであり、自治体に負担を押し付ける現在の対応はあまりに不誠実です。 その一方で、生活保護制度は国民の生活と直結する基盤です。制度への信頼は不可欠であり、利用者の権利が損なわれれば社会全体の安全網が揺らぎます。生活保護に対する偏見を助長しないためにも、国が責任を認め、誤った行政判断を正す姿勢を示す必要があります。 国民の声と政治の責任 > 「結局いつも弱い立場の人だけが不利益を受ける気がする」 > 「国の判断ミスなら国がしっかり補償するのが当たり前」 > 「自治体に任せたら現場がパンクするのは目に見えている」 > 「特別立法を拒む理由が理解できない」 > 「生活保護の補償問題は政治の誠実さが問われていると思う」 国の誤った政策判断が司法で違法とされた以上、政治の責任は明確です。自治体だけでなく受給者も被害を受けており、制度への信頼を取り戻すためには特別立法を含む抜本的な対応が必要です。減税を優先すべき今の状況でも、生活保護基準の誤った運用の後始末を軽視することはできません。国が責任を回避すれば、財政効率も公平性も損なわれます。制度を支えるのは最終的に国民の信頼であり、その信頼は政治の姿勢によって左右されます。 今回の協議で浮き彫りになったのは、国と自治体の温度差です。国は部分的な補償で済ませたい意向ですが、自治体は違法判断の重さを踏まえ、より広い補償と制度の立て直しを求めています。生活保護制度は社会の基礎であり、誤りがあれば確実に正す姿勢こそ政治の責任です。国が逃げ腰の姿勢を改め、被害者救済と自治体支援の両輪で問題に向き合うことが必要です。

厚労省が金銭解雇制度を検討再始動 雇用破壊の暴走懸念

2025-11-18
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有識者検討会設置で唐突な「金銭解雇」議論再燃 労働者軽視の雇用破壊が加速 労政審、金銭解決制度を議論入り 厚生労働省は2025年11月18日、労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)・労働条件分科会で、「解雇の金銭解決制度(以下、金銭解決制度)」の導入を視野に、有識者による検討会を設置する方針を確認しました。これは、違法な解雇でも、使用者が一定の金銭を支払えば労働契約を終わらせられる仕組みで、不当解雇を実質的に合法化する懸念があります。批判の声が労働界から強まっています。 金銭解決制度とは何か 金銭解決制度とは、本来無効とされる解雇に対し、職場復帰ではなく金銭を支払って解決する選択肢を認める制度です。厚労省は、2022年12月の分科会でおこなった「解雇等経験者への調査」や「諸外国の制度調査」の結果を示し、解雇経験がある労働者の15.9%が金銭救済を選択肢と考えていたと説明しました。 また、有識者会議では、法学や経済学の専門家を交えて議論を深める方針が示され、山川隆一分科会長(明治大学教授)は「制度設計には慎重な議論が必要」と述べました。 懸念の声が強まる:労働側の反発 労働者側の委員からは、金銭解決制度導入への強い拒否感が出ています。彼らは「不当解雇を正当化する制度になりかねない」「使用者が安易に解雇を選べる口実を与えてしまう」と主張。裁判や労働審判による地位確認権を軽視させ、解雇を促進する懸念があります。 特に、示談による“解決金8割”など、使用者側が金銭をちらつかせて示談を迫る構図が指摘され、これが結果的にリストラや退職勧奨を増やす構造を生むのでは、との危惧があります。 制度設計の難しさ、過去検討の経緯 金銭解決制度は、実は10年以上前から議論されてきたテーマです。2003年の労政審から話が持ち上がり、2005年には研究会が報告書をまとめました。 その後、2018年には「解雇無効時の金銭救済制度に関する法技術的検討会」が設置され、2022年に報告書が取りまとめられました。 しかし、金銭の水準や運用方法に関して濫用の懸念が根強く、労働界からの反発もあって、制度化には慎重論が強かった歴史があります。 問題点:働く人へのリスクが甚大 今回浮上している制度案には、以下の深刻な問題があります。 1. 解雇促進のリスク 使用者が「金銭さえ払えばいい」という認識になれば、解雇が安易になる可能性があります。元々違法・不当とされる解雇でも金銭で解消できてしまえば、解雇規制の意味が大きく損なわれます。 2. 労働者の選択圧 裁判を起こす時間やコストを考えれば、「金銭でさっさと解決したほうがいい」と示談に応じざるを得ない労働者が出てくるおそれがあります。示談の条件が不利でも拒否しづらい構図が生まれるかもしれません。 3. 最低支払い額の基準設計の難しさ 支払われる「労働契約解消金」の水準をどう定めるかは大きな論点です。低すぎれば労働者の救済にならず、高すぎれば使用者にとって負担が重く、逆に制度が広がりにくくなります。学者や有識者も慎重な議論の必要を指摘しています。 4. 既存制度との整合性 労働審判や民事訴訟など、すでに存在する紛争解決制度との関係をどう整理するかも課題です。金銭解決が「簡易で迅速な手段」と位置づけられるなら、既存制度が空洞化する恐れもあります。 雇用破壊・改革の加速か 今回の検討会設置は、高市早苗政権下で進む「労働規制緩和」の流れの一環とも見られています。労働時間規制の緩和や、雇用の流動性を高める政策と合わせて、解雇をしやすくする制度が導入されれば、企業側のコストが下がる一方で、労働者の雇用は不安定化する可能性があります。 また、制度を導入すれば企業献金など経営者団体からの圧力が強まり、政治が企業側に有利な制度を正当化する構図を生むかもしれないとの懸念も根強いです。 今後の見通しと市民の役割 厚労省の検討会は今後、専門家による議論を本格化させます。制度設計の段階で、労働者側の声をどこまで反映できるかが重要です。国民やメディア、市民運動は、透明性ある議論を求め続ける必要があります。 労働者保護は根幹の人権問題です。金銭解決制度の導入は、一部「選択肢」として機能する可能性がありますが、それが「解雇を安く合法にする穴」にならないよう、強い監視が欠かせません。

中国資本が火葬場独占で9万円の暴利 厚労省は基準示さず事実上容認

2025-11-18
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中国資本が火葬場を「法外料金」で独占 厚労省は基準示さず事実上の放置 厚生労働省が2025年11月18日、火葬場の「法外な料金設定」について各自治体に確認を求める通知を出したことが明らかになった。東京23区の民間火葬場で火葬料金が4年間で約5割も高騰している問題を受けた措置だが、肝心の「法外」の基準は示されていない。背景には、東京23区の火葬場シェア7割を握る「東京博善」が中国資本の影響下に入って以降の料金高騰がある。 中国人実業家が仕掛けた火葬場支配戦略 問題の中心にいるのは、中国人実業家の羅怡文氏である。羅氏は1963年上海市生まれで、1989年に来日した後、東京大学大学院を経て起業し、2009年にラオックス社長に就任した人物だ。「爆買い」ブームの仕掛け人として知られ、2015年にはユーキャン新語・流行語大賞の年間大賞を受賞している。 この羅氏が2020年から2022年にかけて、印刷業大手の廣済堂ホールディングスの株式を段階的に取得し、40%超の筆頭株主となった。これにより、廣済堂の完全子会社である東京博善が実質的に中国資本の傘下に入ることになった。 東京博善は明治時代創業の老舗で、東京23区内9カ所の火葬場のうち桐ケ谷、代々幡、落合、町屋、四ツ木、堀ノ内の6カ所を運営し、約7割のシェアを独占している。公営火葬場はわずか2カ所という特殊な状況の中で、東京博善の動向は都民の「最後の尊厳」を左右する決定的な影響力を持っている。 >「人の死まで金儲けの道具にするのか」 >「中国に生死まで握られるなんて異常だ」 >「公営化するしかないでしょ、これは」 >「政府は何をやってるんだ、放置するな」 >「火葬料金9万円なんて海外より高いじゃないか」 中国資本化と連動した料金高騰の実態 中国資本の影響下に入って以降、東京博善の料金設定は劇的に変化した。2020年まで5万9000円だった火葬料金は段階的に引き上げられ、2023年6月には9万円に達した。わずか3年半で約5割もの値上げという異常なペースである。 さらに深刻なのは、2025年3月末で低料金の「区民葬儀」制度からの離脱を決めたことだ。区民葬では火葬料金5万9600円で利用できたが、離脱後は8万7000円となり、実質2万7400円の値上げとなる。これは都民にとって最後のセーフティネットの喪失を意味する。 東京博善は値上げの理由を「エネルギーコスト上昇と人件費高騰」としているが、全国平均の火葬料金が1万円から2万円程度である現実を考えれば、9万円という料金設定の妥当性には大きな疑問が残る。 厚労省通知の限界 基準なき「法外」判定 今回の厚労省通知は、火葬場を「公共的な施設」と位置づけ、「利益追求の手段となって、利用者が犠牲になるようなことがあってはならない」と明記している。確認事項として「法外な料金設定となっていないか」を挙げているが、具体的な基準は示されていない。 これは事実上、東京博善の料金設定を容認することに等しい。自治体が「法外」と判定するための客観的根拠がなければ、指導監督は机上の空論に過ぎない。羅氏のような海外資本にとって、このような曖昧な規制は実質的な制約にならないのが現実だ。 移民・難民・外国人労働者は法文化順守するべきで法整備が必要である。羅氏のケースのように、日本の法制度の隙間を巧妙に利用した企業買収により、公共性の高いインフラが外国資本に支配される事例は他分野でも頻発している。 岩屋外相の「祝電」が示す政治の迷走 問題はビジネス面にとどまらない。2025年8月7日、羅氏を名誉会長に据えた「日本華人上場協会」の設立式で、岩屋毅外務大臣が祝電を送っていたことが判明している。火葬場という公共インフラを握る外国人実業家に政府高官が「お墨付き」を与えるような行為は、国民感情を逆撫でするものだ。 こうした政治の無神経さが、企業・団体献金に依存する政治構造から生まれていることは明らかだ。国民の利益よりも特定業界や外国勢力との関係を優先する姿勢では、真の国益を守ることは不可能である。 公営化と法整備で国民の尊厳を守れ 火葬場は誰もが避けて通れない公共インフラである。それが外国資本の利益追求の対象となっている現状は、国家の安全保障にも関わる深刻な問題だ。東京都は直ちに火葬場の公営化を検討すべきであり、国は外国資本による公共インフラ取得を規制する法整備を急ぐべきである。 高市早苗首相が示した国益優先の姿勢を支持するなら、この分野でも外国資本への安易な依存から脱却し、日本国民の生死に関わる尊厳を守る政策転換が必要だ。厚労省の曖昧な通知ではなく、明確な料金上限設定と外資規制の法制化こそが求められている。 人の死まで商品化する中国資本の暴走を許してはならない。

上野賢一郎厚労大臣マイナンバー活用で苦しい答弁 猪瀬直樹議員追及に「35%」数字で反論

2025-11-13
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上野厚労大臣が苦しい答弁 マイナンバー活用「システムが課題」猪瀬議員の追及に困惑 2025年11月13日の参議院予算委員会で、上野賢一郎厚生労働大臣が日本維新の会の猪瀬直樹議員からマイナンバー活用による医療費負担の是正について厳しく追及され、システム上の課題を理由に慎重な姿勢を示しました。金融所得のある高齢者の医療費負担格差を巡る論戦で、上野大臣の答弁は役所的で踏み込みに欠け、議場内から笑いが起きる場面もありました。 医療費負担の深刻な格差が浮き彫りに 猪瀬議員は質疑の冒頭から、現在の医療費負担制度の不公平さを鋭く指摘しました。「年間500万円の配当収入の人が確定申告の有無で、年間の医療保険料は僅か1.5万円で片や52万円と大きく異なるわけですね。確定申告していない窓口負担1割の人、500万円で1割の人と3割の人とこういうふうに違ってきてるんです。よくこんな不公平を放置してきたなと思いますよ」と述べ、医療費を負担できるのに払っていない高所得の高齢者がいることを問題視しました。 この指摘は、証券口座の90%がマイナンバーと紐づいている現状において、金融所得の情報をマイナンバーで把握し、医療費負担に反映させることが技術的に可能であることを前提としています。現役世代の社会保険料負担を減らすため、負担能力のある高齢者により適切な負担を求めるという维新の主張の核心部分です。 >「マイナンバーがあるんだから、なんでこんなに複雑になるの」 >「確定申告してない人だけ優遇されるのはおかしいでしょ」 >「システムの問題って言い訳にしか聞こえない」 >「役所の都合より国民の公平性を優先してほしい」 >「これじゃあマイナンバーの意味がないじゃないか」 上野大臣が明かした深刻なシステム問題 これに対し、上野厚生労働大臣は具体的な数字を示しながら回答しました。「(税務署に提出する)法定調書にマイナンバーが記載されていたとしても、それを現在オンラインで国税庁に提出されている割合が35%にとどまっておりまして、そのほかは紙であったり光ディスクで提出をされているというふうにお伺いをしております」と述べ、デジタル化の遅れが根本的な問題であることを認めました。 この35%という数字は、マイナンバー制度導入から約9年が経過した現在でも、多くの企業や金融機関が従来通りの紙ベースでの提出を続けていることを示しています。特に、証券会社から国税庁への支払調書提出において、デジタル化が予想以上に進んでいない実態が明らかになりました。 上野大臣はさらに「まずそこからシステムを見直していくことが必要でありますので一定の時間がかかるのではないかと考えております。ただ我々としては当然先延ばしをしようと考えているわけではなくて、きちんとしたシステムをできるだけ早急に導入すべきではないかというそういった発想のもとで取り組ませていただきたい」と答弁し、改善への意欲は示したものの、具体的な時期については言及を避けました。 縦割り行政の弊害も露呈 猪瀬議員が「システム上の問題とか言ってるけど、役所同士の問題はあるんですか。縦割りの弊害みたいなあるんだったらおっしゃっていただきたい」と追及すると、上野大臣は縦割り行政の問題も認めざるを得ませんでした。 「まず証券会社から国税庁のほうに情報提供していただく必要があります。それから国税庁からその情報を今度は自治体あるいは広域連合に提示をしなければ、例えば負担割合の決定などはできませんし保険料算定にも使えないということになりますので、役所間それから国と自治体間、このシステムを上手に作っていくことが必要であります」と説明し、複数の機関にまたがる情報連携の複雑さを認めました。 この答弁は、マイナンバー制度が目指していた「ワンストップ行政サービス」が、実際には各省庁や自治体間の壁によって十分に機能していない現実を浮き彫りにしました。証券会社→国税庁→自治体・広域連合という複数段階の情報伝達が必要で、それぞれの段階でシステムの非対応や手続きの遅れが生じています。 猪瀬議員の厳しい追及が続く 猪瀬議員は「すいません、あのねマイナンバーがあるんだからその話っていうのはそんなに複雑になるんですか、よく分からないんですよそこが」と再度質問し、マイナンバー制度の根本的な意義について疑問を呈しました。 この指摘は的を射たもので、マイナンバー制度導入時に政府が掲げた「効率的な行政運営」や「公平な負担」という理念が、実際の運用段階では様々な技術的・制度的障壁に阻まれている状況を端的に表現しています。 上野大臣は最後に「いずれにいたしましても紙でのやり取りということになりますと突合が非常に難しくなりますので、やはりオンライン上でのやり取りという形になろうかと思っております。システムの問題でありますので、その点我々も十分勉強して詳細を見極めたうえで自民・維新の協議体の方にしっかりと情報提供できるように務めさせていただきたいと思います」と答弁し、マイナンバーがあっても医療費負担への反映には時間がかかるという見方を示しました。 高市政権の社会保障改革に影 この問題は、高市早苗政権が掲げる「全世代型社会保障の構築」にとって重要な課題となっています。上野大臣は就任時に「能力に応じて全世代が支え合い、社会保険料の負担軽減を図りながら、制度の持続可能性を高めることが重要な課題だ」と述べており、今回の論戦はその実現の困難さを示すものとなりました。 特に、自民党と日本維新の会の連立政権では、維新が重点政策として掲げる社会保険料削減について、具体的な協議体を設置することが合意されています。今回明らかになったシステム上の課題は、こうした改革の実現を大幅に遅らせる可能性があります。 一方で、マイナンバー制度を活用した医療費負担の適正化は、現役世代の負担軽減を図る上で避けて通れない課題でもあります。2025年度には社会保障費の自然増が4100億円と見込まれる中、負担能力に応じた公平な制度設計が急務となっています。 上野大臣の今回の答弁は、マイナンバー制度の理想と現実のギャップを浮き彫りにしたものとして、今後の社会保障改革議論に大きな影響を与えそうです。政府には、技術的課題の早急な解決とともに、より実効性のある制度改革への取り組みが求められています。

厚労省事務連絡により期限切れ保険証でも通常負担受診継続、マイナ保険証普及低迷で暫定措置2026年3月まで

2025-11-12
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健康保険証の有効期限切れでも通常負担で受診可能 厚労省が暫定措置を通知、2026年3月まで延長で医療現場に安堵の声 従来の健康保険証が2024年12月2日に廃止された後も、期限切れの保険証を持参すれば医療費の10割負担を避けることができます。厚生労働省は紙やプラスチックカードの従来型の健康保険証について、有効期限が切れた後でも保険診療を認めると発表しました。この措置は2026年3月末まで暫定的に対応するとされ、マイナ保険証への移行期間における混乱防止策として注目を集めています。 期限切れ保険証も3割負担で受診継続 2024年12月2日以降、従来の健康保険証の新たな発行は行われなくなったものの、医療現場では期限切れの保険証を持参する患者への対応が課題となっていました。厚生労働省は12月12日付で全国の医療関係団体に事務連絡を出し、患者が期限切れの保険証や「資格情報のお知らせ」のみを医療機関の窓口に持参した場合でも、医療費を全額負担とせず、通常の負担割合で受診可能とするよう求めています。 この措置により、医療機関がオンライン資格確認システムを通じて資格を確認した上で、適切な負担割合による受診ができるようになりました。期限が切れた健康保険証や「資格情報のお知らせ」のみを持参した場合でもオンラインで資格確認を前提に認める対応です。 >「期限切れの保険証でも3割負担で受診できるなら安心です」 >「マイナ保険証がうまく使えない時もあるので助かります」 >「高齢の母は新しいシステムが分からないので、この措置はありがたい」 >「病院で10割負担になったらどうしようかと心配でした」 >「政府は現場の混乱をもっと考慮してほしい」 マイナ保険証普及の現実と課題 2024年9月末時点でのマイナンバー保有率は国民の75.2%、そのうち保険証利用登録が81.2%という状況ですが、マイナ保険証の利用率は13.87%と低水準にとどまっています。政府は5000億円規模の予算を投じて普及促進を図ったものの、国民の利用は進んでいません。 マイナ保険証は、資格情報が正しく表示されないなどのトラブルが絶えない状況が報告されています。厚労省が7月の中医協に示した医療機関等のヒアリング結果でも、顔認証ができない、カードリーダーがエラー、マイナ保険証の方が時間を要するなどの声が寄せられているのが実情です。 マイナ保険証エラーで「いったん全額負担」1720件という事例も報告され、医療現場では従来の保険証との併用が現実的な選択肢となっています。 政治的背景と国民世論 政府が現行保険証の廃止の方針を示したのは、2022年10月13日。河野太郎デジタル相が記者会見で、「2024年度秋に現在の健康保険証の廃止を目指す」と表明したものの、この重大な政策変更の決定過程は不透明なままです。東京新聞は今年6月、厚生労働省とデジタル庁に、「完全廃止」を決めるまでの政策決定のプロセスが分かる文書の開示を求めたところ、記録が残されていない状況が明らかになっています。 国民の間では反対世論が根強く、「任意のはずのマイナンバー(個人番号)カードを、健康保険証と一体化し、事実上強制するなんて許せない」という声が上がっています。マイナ保険証の解除申請は3カ月で5.8万人に達しており、制度への不信が数字にも表れています。 今回の暫定措置は、こうした医療現場の混乱と国民の不安に配慮したものと言えます。政府は医療アクセスの確保を最優先に、マイナ保険証の安定運用に向けた改善を急ぐべきです。一方で、デジタル化の推進と国民の選択権をどう両立させるかが、今後の重要な課題となりそうです。

厚労省「もにす認定制度」見直しで大企業も対象に、質向上重視へ評価基準を客観化

2025-11-11
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厚生労働省は2025年11月11日、障害者雇用の質向上を目指し、中小企業向けの「もにす認定」制度の見直し案を発表しました。現在は従業員300人以下の企業が対象の同制度を大企業にも拡大するとともに、より客観的で統一性のある評価基準への変更を提案しました。 中小企業向けから全企業対象への拡大 現在、「もにす認定」は障害者雇用の促進や雇用の安定に関する取組の実施状況が優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度として2020年4月から実施されています。2025年6月30日時点で認定事業主は545社となっており、着実に拡大を続けています。 厚労省は11日、今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会で、対象を従業員300人以下の中小企業から、大企業も含む全企業に拡大する案を示しました。これまで中小企業のみに限定されていた同制度を、障害者雇用のさらなる推進を図るため、企業規模の制限を撤廃する方針です。 >「もにす認定の対象拡大は企業規模を問わず障害者雇用を推進する良い取り組みだ」 >「大企業も含めることでより多くの企業が質の高い障害者雇用に取り組むきっかけになる」 >「認定制度の見直しは必要だが、中小企業への負担増にならないよう配慮してほしい」 >「客観的な評価基準への変更で企業間の比較がしやすくなるのは良いことだ」 >「OJTなど具体的な取り組みが評価されるようになれば、より実効性が高まるはず」 評価基準の客観化と質重視への転換 現行制度では、「満足度・ワークエンゲージメント」項目について企業側が自己評価していましたが、厚労省はより客観的で統一性のある内容への変更を提案しました。新基準では、障害者雇用の質で重視する要素として、OJT(職場内訓練)などにより障害者が能力を発揮できるよう促し、その成果を事業に生かして正当に評価することを明確化しました。 さらに、障害特性に配慮した雇用管理を行い、安定的に働けるようにすることも重要な評価要素として位置付けられます。これらの要素は障害者雇用促進法に新たに規定され、具体的な実践方法についてはガイドラインの作成が検討されています。 法定雇用率への影響は回避 一方で厚労省は、質の評価結果については法定雇用率の算定には反映させない考えも併せて示しました。これは、質の向上への取り組みが雇用率制度に直接的な影響を与えることで、企業の負担が過度に増加することを避ける狙いがあります。 財政支援の充実も検討 質を高める取り組みには企業負担が伴うため、厚労省は障害者雇用納付金制度における報奨金や助成金の活用も提案しています。これにより、企業が質の高い障害者雇用に取り組みやすい環境整備を図る方針です。 現在のもにす認定では、取組5点以上、成果6点以上、情報開示2点以上の合格最低点を達しつつ、合計で50点満点中20点(特例子会社は35点以上)の獲得が必要ですが、見直し後はより質的な要素を重視した評価体系に変更される見込みです。 研究会では年末の取りまとめを目指し、今後も議論を継続する予定です。この見直しにより、企業の障害者雇用がより質の高いものへと発展し、障害者の能力発揮と安定就労の実現が期待されます。

シベリア抑留犠牲者「レゲスミタ」を「耳田」と特定、厚生労働省調査資料室の専門家集団が解読

2025-11-11
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「レゲスミタ」は誰?旧ソ連抑留日本人犠牲者特定の専門家集団 第二次世界大戦後、旧ソ連に抑留された約57万5千人の日本人のうち、約6万人が極寒の地で命を落としました。厚生労働省では、ロシア側から提供された資料を基に犠牲者の特定作業を続けていますが、その中には「レゲスミタ」と記された謎の日本人名がありました。東京都千代田区霞が関の中央合同庁舎5号館4階で、パズルを解くような分析を重ねながら、80年前の記録から一人一人の犠牲者を突き止める専門家集団が日夜奮闘しています。 10人の専門チームが挑む「応用問題」 厚生労働省社会・援護局調査資料室の池田真之室長補佐は「特定しやすい抑留者の照合は終わり、今の作業は〝応用問題〟だ」と語ります。1991年にロシアから資料提供を受けて以来、これまでに4万人以上の犠牲者を特定しましたが、「保留案件」と呼ばれる未特定の犠牲者は約1万4千人にも上ります。 同室の調査係では、係長以下10人が特定作業や遺族との調整に従事しています。基本的な作業はロシア政府などの資料と日本側資料を突き合わせるというものですが、その困難さは想像を絶します。当時のソ連の混乱した状況が、80年を経た今でも調査を阻んでいるのです。 最新の公表では2025年11月7日に9人の身元が明らかにされました。厚生労働省は月1回程度のペースで特定済み犠牲者の氏名を公表しており、これまでにシベリア・モンゴル地域で4万966人、その他地域で1040人、計4万2006人の個人特定を完了しています。 >「80年経ってもまだ見つからない家族がいるなんて」 >「こんな地道な作業をしている人たちがいるんだ、頭が下がる」 >「戦争の悲惨さを改めて感じる。二度と繰り返してはいけない」 >「ロシアとの関係が悪化している今、こういう人道的な作業は大切」 >「最後の一人まで見つけ出してほしい」 官僚国家の「悪しき一面」が困難を生む ロシア側資料には、当時のソ連の体質を物語る奇妙な文書が数多く散見されます。犠牲者の文書に、当人と縁もゆかりもない日本の住所が記されているケースが典型例です。「監査の目をごまかすためではないか」と池田補佐は分析します。事実よりも書類を残すことを優先した結果、虚偽の記録が作成されたというのです。 当時のソ連では資材不足が深刻で、紙やペンに窮していました。そのため新聞紙の活字の上に記載された書類まで残されています。受け入れ段階で調書を取れないまま抑留者が死亡した場合でも、別人の調書から転記して体裁だけを整えたケースもあったと推察されます。 17年間にわたって特定作業を進めてきた古参係員は「書類を残すということへの執念を感じる」と語ります。これは官僚国家としての悪しき一面をのぞかせるエピソードでもあります。抑留者を管理する兵士の中には、人手不足もあって十分な教育を受けられていない者も含まれており、単語のつづり間違いも多いといいます。 筆記体との格闘が生んだ「レゲスミタ」解読 最も係員の頭を悩ませるのが筆記体での記述です。一般名詞であれば文脈から類推できますが、人名はそうではありません。同じ文字でもいくつもの表記パターンがあり、他の字との判別に苦心します。当時のソ連人兵士も判読に苦労していたようで、元資料から転記する際に間違えたとみられる記述が資料には散見されます。 こうした困難な読み解きで係員たちが武器にしているのが、十数年前に池田補佐が作成した「キリル文字筆記体一覧」という資料です。実際の資料から筆記体として使われた文字1760パターンを抽出して並べたもので、特定作業の重要なツールとなっています。 同じように文字を書いてみたり、一旦書き起こしたものを音読して語感から実際の記述を探ったりする方法も頻繁に使われます。その成果として語り草になっているのが「レゲスミタ」と記された日本人犠牲者の事例です。何度も書き直しや日本兵士の部隊行動履歴との突き合わせを重ねることで、「ミミタ(耳田)」という姓であることを突き止めました。 遺族の感激が支える使命感 池田補佐は、ある遺族男性の体験を思い起こします。その男性の父親は子供の出産を見ることなく出征し、抑留死しました。「自分の妊娠すら知らなかったのではないか」と長年思っていた男性が老齢になって、厚労省から届いた父の文書の家族欄に自分の存在が記されていたことを知り、深く感激したのです。これもまた、調査係の成果の一つです。 このような遺族との出会いが、専門家集団の使命感を支えています。シベリア抑留では、スターリンが戦争による労働力不足を補うため、1945年8月に日本人将兵の抑留方針を決定しました。その後1956年に公式の帰還が完了するまでの11年間、飢えや寒さ、感染症で約6万人が死亡し、即決裁判によって処刑された抑留者の記録も残されています。 戦後80年が経過し、抑留者やその直系の遺族の高齢化が進む中、時間との競争でもあります。現在も約3万3000人の遺骨が現地にあるとされ、身元特定の重要性はますます高まっています。DNA鑑定による身元確認も進められていますが、2010年までに特定されたのは約828名に留まっています。 古参係員は「事実を知るためには、最後まで疑い続けることが大事。これからもそのための知見を他の職員に共有しながら、1人でも多く、1日でも早く特定を進めたい」と語りました。中央合同庁舎の一室で続けられるこの地道な作業は、戦争の記憶を風化させず、遺族に真実を届ける重要な使命を担っています。

旧ソ連抑留死者新たに9人判明、厚生労働省が身元特定し遺族に通知

2025-11-07
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厚生労働省は2025年11月7日、終戦後に旧ソビエト連邦によって抑留された日本人のうち、新たに9人の死亡者を特定したと発表しました。この9人はシベリア地域で7人、モンゴル地域で2人が死亡したことが確認され、出身地とともに同省ホームページで公開されました。 特定されたのは宮城県の加藤誠治氏、福島県の村田芳一氏と鹿目誠士氏、長崎県の小道正彦氏、大阪府の村本省悟氏、北海道の三木次郎市氏、山形県の奥山鈴夫氏、長野県の関金次氏、岩手県の小原舜吉氏の9人です。これで抑留死亡者の特定はシベリア・モンゴル地域で4万1167人、その他地域で1040人となりました。 戦後80年を迎えても続く身元調査 シベリア抑留は第二次世界大戦終了時、旧満州や樺太、千島列島でソ連軍に拘束された日本兵や民間人約57万5000人が、シベリアやモンゴルなどの強制労働収容所に送られた出来事です。厚生労働省の推計によると、約5万5000人が極寒の環境や過酷な労働により命を落としたとされています。 厚生労働省は1991年以降、ロシア連邦政府やモンゴル政府から提供された抑留中死亡者の名簿と日本側資料を照合し、死亡者の身元特定作業を継続しています。遺族が親族の死亡経緯を確認できるように、2007年3月からホームページで氏名や死亡年月日などを掲載しており、身元が判明した場合は都道府県を通じて遺族に関連資料を提供しています。 >「父の最期を知ることができて本当に良かった」 >「戦後80年経っても調査を続けてくれてありがたい」 >「もう生きている家族はいないけど、供養ができます」 >「祖父の名前が見つかって涙が止まりません」 >「せめて故郷で眠らせてあげたかった」 遺族への継続的な支援体制 今回特定された9人についても、厚生労働省は自治体を通じて遺族の調査を実施し、所在が判明した場合は名簿の記載内容をお知らせする予定です。提供される資料には、抑留者の氏名、生年月日、死亡年月日、埋葬場所などの情報が含まれています。 しかし、厚生労働省の推計する抑留中死亡者約5万3000人と比較すると、未だ約1万2000人分の名簿が提供されておらず、情報不足などにより約9000人が身元特定に至っていません。同省では、未特定者約2万1000人分の名簿をロシア政府に提供し、さらなる調査と資料提供を要請しています。 抑留者支援団体では、毎年8月23日を「シベリア抑留開始の日」として千鳥ヶ淵戦没者墓苑で追悼の集いを開催しており、遺族や関係者約150人が参加して犠牲者を追悼しています。また、舞鶴引揚記念館が収蔵する抑留資料は2015年にユネスコ「世界の記憶」として登録され、平和の尊さを伝える貴重な記録として保存されています。 平和への教訓として次世代に継承 シベリア抑留の実態解明は、単なる歴史的事実の確認にとどまらず、戦争がもたらす悲劇を風化させずに次世代に伝える重要な意味を持っています。極寒のシベリアで強制労働に従事し、故郷の土を踏むことなく命を落とした多くの日本人の記録は、平和の尊さを改めて認識させる貴重な教訓となっています。 厚生労働省は今後もロシア政府との協力関係を維持しながら、抑留に関する資料収集と分析を継続していく方針です。戦後80年という節目を迎えても、遺族からの相談に丁寧に対応し、一人でも多くの抑留死亡者の身元を明らかにする取り組みを続けています。 抑留者の高齢化が進み、体験者の証言を直接聞くことが困難になる中、こうした地道な調査活動は戦争の記憶を後世に継承する貴重な取り組みとして位置づけられています。今回の9人の身元特定も、長い時を経てようやく家族のもとに帰ることができた象徴的な出来事といえるでしょう。

生活保護減額補償で政府判断分かれる 最高裁違法認定受け厚労省は一部支給方針

2025-11-06
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厚生労働省が生活保護減額分の全額補償見送り 最高裁判決受けた対応で一部にとどめる方針 厚生労働省は2025年11月6日、生活保護費の2013年から2015年にかけての引き下げを違法とした最高裁判決への対応について、当時の減額分の追加支給を全額ではなく一部にとどめる方向で調整に入ったことが明らかになりました。同省は当時の一般低所得世帯の消費実態を踏まえると、全額支給は難しいと判断したとしています。 原告側は全額補償を求めており、反発が出るのは必至です。当時の受給者は約200万人に上り、減額は累計で数千億円規模になると見られています。 最高裁判決が認めた違法性 2025年6月27日の最高裁第3小法廷(宇賀克也裁判長)は、2013年から15年にかけて国が生活保護費のうち食費や光熱費など日常生活を維持するための「生活扶助費」を最大10%引き下げたことについて、基準額引き下げの大きな根拠となった「デフレ調整」に裁量権の範囲の逸脱や乱用があり、生活保護法に違反すると認定しました。 国は13年から15年にかけて生活保護費を約670億円削減し、うち約580億円は厚労省が独自に算出した08年から11年の物価下落率(4.78%)を踏まえた「デフレ調整」によるものでした。判決では、基準額を改定する際に物価下落率を指標の一つとするのは許容されるものの消費実態を把握するには限界があると指摘し、これまで別の方式を用いて基準額を改定していたにもかかわらず、専門部会による審議を経なかったことを問題視しました。 しかし、最高裁判決は基準引き下げの根拠のうち物価下落を反映するデフレ調整を違法とする一方、受給者間の公平を図った、ゆがみ調整は違法ではないとしました。厚労省は今回の一部補償方針の根拠として、この点を重視していると見られます。 支援団体と当事者からは強い懸念の声 >「保護費が引き下げられ物価高も加わり、何のぜいたくもしていないのに苦しい。食べる量を減らす以外なく、冷房も暖房も使えない」 >「基準減額と物価高騰で生活が苦しい。服、下着は買えていない状況が続いている」 >「今年の夏は猛暑と物価高で、とんでもなく地獄を見ている。電気代が怖くてエアコンが使えない」 >「私たちの生存権が侵害された状態を解消するため、速やかに差額を払ってほしい」 >「最高裁判決を骨抜きにしようとしているのではないかと懐疑的に見ている」 原告の新垣敏夫さん(71歳・大阪)は「私たちの生存権が侵害された状態を解消するため、速やかに差額を払ってほしい」と述べ、専門委員会については「あらを探して最高裁判決を骨抜きにしようとしているのでは」と懐疑的な見方を示しています。 日本弁護士連合会が2024年12月3日を中心に実施した「全国一斉生活保護ホットライン」では、「保護費が低すぎて生活できない」などの相談が、生活保護利用中の者からの相談190件中49件(約26%)を占めました。物価高騰の中で、生活保護受給者の生活困窮が深刻化している実態が浮き彫りになっています。 厚労省の対応と今後の課題 厚労省は2025年8月以降、行政法などの識者による専門委員会で対応を協議してきており、近く取りまとめ議論に入る予定です。これまでの専門委では追加支給の是非や、支給する場合の水準などについて議論が行われています。 厚労省は既に死亡している人は追加支給の対象外とする案なども提示していました。原告弁護団によると、裁判が10年以上の長期間に渡ったため、原告の2割を超える232名がすでに亡くなり、勝訴判決を聞くことはできませんでした。 政府、与党内では「当時の受給者全員に追加支給せざるを得ない」との認識が広がっている一方で、立法措置が必要との指摘があり、国会への法案提出も視野に入れています。 物価高騰の中で続く基準額据え置き 現在の物価高騰は生活保護受給者の生活をさらに厳しくしています。消費者物価指数は2020年以降連続して上昇し続け、2020年を100とした2024年10月分の消費者物価指数は109.5(前年同月比2.3%上昇)で、中でも光熱・水道は111.1(同3.2%上昇)、食料は120.4(同3.5%上昇)となっています。 厚労省は2025年度の生活保護費について月500円程度の引き上げを調整していますが、物価高騰に追いついていないのが実情です。支援団体は抜本的な基準額の引き上げを求めていますが、財務省は11月に支給額の引き下げを求めており、政府内でも意見が分かれています。 生活保護の基準は5年おきに見直しが行われており、2013年に続き、2018年にも引下げが強行されました。2023年見直しでは急激な物価高騰を踏まえ、特例的な加算を行い引下げを回避しましたが、2025年度以降の基準については改めて検討するとの方針が示されています。 最高裁が国の政策決定を裁量権の逸脱として違法と認めることは珍しく、画期的な判決と評価される一方で、厚労省の今回の方針は判決の趣旨に反するとの批判も予想されます。受給者の生存権保障と国の財政負担のバランスをどう取るかが、今後の大きな焦点となります。

外国人保険料未納対策、27年6月開始へ 滞納者は在留更新不可能に

2025-11-04
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外国人保険料未納対策、27年6月から実施へ 出入国在留管理庁と連携、滞納者は在留資格変更認めず 保険料納付義務の徹底へ 上野賢一郎厚生労働相は、2027年6月から外国人の国民健康保険料未納対策を開始すると発表しました。政府は出入国在留管理庁との情報共有システムを構築し、保険料を滞納している外国人に対し、原則として在留資格の変更や更新を認めない方針です。外国人の不公平な保険料未納問題の解決に向け、制度的な枠組みの整備を進めることとなります。 この対策は、2025年11月4日に上野厚生労働相が記者会見で発表したものです。現在、出入国在留管理庁と厚生労働省のシステムが別々に管理されているため、外国人の保険料納付状況は在留資格審査に反映されていません。しかし、政府は2026年度にシステム改修を行い、2027年6月から、外国人の保険料の納付状況に応じて在留資格の更新・変更の審査を行う新たな制度を導入する方針を示しました。この制度改革は日本に滞在する外国人にとって、保険料納付に向けたハードルが高まる可能性があります。 保険料未納問題の深刻度 厚生労働省の調査によると、2023年時点で、外国人の国民健康保険の平均月額保険料は、1人あたり約13,000円(換算時:1ドル=150円)と試算されています。しかし、2023年に支払われた保険料は約1,000億ドル(約15兆円)であり、同年の加入者は225万人に上ります。これは、2019年の150万人から42%増加しており、外国人の未納問題が深刻化していることがうかがえます。 2023年度の外国人の保険料滞納額は、1世帯あたり平均13万5,200ドル(約203万円、換算時)で推移。滞納が継続する世帯の多くは、長期にわたって日本で生活している傾向が見られます。国民健康保険は日本の公的医療保険制度の一つで、会社員が加入する社会保険に比べて負担が重いものの、未納の外国人世帯数は増加傾向にあります。保険料の未納が一定期間続くと、資格証明書の発行や診療報酬の負担増など、医療面での制限が加えられます。一部の自治体では外国人の国籍や在留資格すら把握できていない状況もあり、保険料未納問題は大きな課題となっています。 厚生労働省は、この問題に対処するため、国保加入者の未納額軽減に向けた対策として、特定公的機関の情報連携システム(旧自治体ゼロベースプロジェクト)において、外国人の医療機関受診歴や所属医療機関情報を確認できるシステムを構築し、外国人の未納対策に向けて本格的な取り組みを開始しました。このシステムでは、入国審査時における保険料納付状況の確認や、勤務先企業の保険料納付状況確認を通じ、外国人の国保未納額を削減することを目指しています。 在留資格審査への影響拡大 近年、日本政府は在留資格の審査基準を厳格化し、外国人に対して適正な保険料納付を求める方針を示しています。在留外国人の数は、2025年6月時点で309万4,556人に達しており、そのうち約3割が国民健康保険に加入しています。しかし、保険料納付率が43.4%に留まっている状況にあり、未納問題が恒常化している実態も指摘されています。 将来的には、出入国在留管理庁と厚生労働省との間で保険料納付状況に応じて在留資格審査を厳格化する方向性が示されており、2027年6月からは保険料滞納者は在留資格の更新が認められない仕組みとなります。これにより、外国人の保険料納付に関する責任はより明確化され、制度の根幹に位置付けられます。一方で、外国人にとっては負担の大きい制度ともなるため、国民の意識向上と合わせ、政府は制度の根幹となる教育機関の整備にも注力しています。 これまでの入管法違反歴や保険料未納に関する情報は在留審査に反映されていませんでしたが、政府は保険料納付状況を審査材料とするシステムを導入することで、外国人の保険料未納問題に対処していく考えです。具体的には、自治体における外国人の在留資格や未納情報の正確な把握に向けたシステム構築と、滞納防止に向けた対策強化が進められます。特定公的機関との連携を通じ、外国人の保険料未納と在留資格の連動を実現し、社会的課題の解決に向けて取り組みを進めます。

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