2025-12-12 コメント投稿する ▼
厚労省妊婦現金給付案、帝王切開格差で出産費用無償化に課題浮上
この方針により、分娩方法による経済格差が生じる可能性が指摘されています。 今回の制度案では、正常分娩は保険適用により無償となる一方、医療行為である帝王切開は従来の3割負担が継続されます。 この仕組みにより、分娩方法による新たな経済格差が生まれる懸念があります。
出産無償化の新たな課題
厚生労働省は12月12日、出産費用無償化の一環として、現在の出産育児一時金50万円に代わる妊婦への現金給付制度案を社会保障審議会医療保険部会に提示しました。この制度は2027年度以降の実施を見込んでいますが、制度設計の複雑さが浮き彫りになっています。
政府は正常分娩の費用全額を公的医療保険で賄う新制度を検討中ですが、帝王切開などの医療行為については従来通り3割の自己負担を継続する方針です。この方針により、分娩方法による経済格差が生じる可能性が指摘されています。
現在も保険適用となっている帝王切開は、妊婦が費用の3割を負担する仕組みが継続される見通しです。高額療養費制度を利用しても約8万円から10万円程度の自己負担が残ることから、経済的支援を求める声が上がっていました。
「自然分娩は無償で帝王切開は有料って不公平すぎる」
「一人目を帝王切開で産んだら、二人目も手術になるのに負担増とか酷い」
「産み方で費用が変わるのは納得できない。選択できないのに」
「無償化のはずなのに、なぜ医療的に必要な帝王切開が有料なの?」
「制度が複雑すぎて、妊婦が混乱するだけじゃないか」
制度の複雑化が招く新たな格差
今回の制度案では、正常分娩は保険適用により無償となる一方、医療行為である帝王切開は従来の3割負担が継続されます。この仕組みにより、分娩方法による新たな経済格差が生まれる懸念があります。
特に問題となるのは、一度帝王切開で出産した女性の多くが、次回の出産でも帝王切開を選択せざるを得ないという医学的特性です。いわゆる「反復帝王切開」により、第二子以降も手術費用の自己負担が発生することになります。
現在の出産育児一時金50万円は、帝王切開の際の自己負担分もある程度カバーしてきました。しかし、この一時金が廃止または新制度に統合されれば、帝王切開を行う妊婦のみが手術代の3割負担を強いられることになりかねません。
無償化という名目でありながら、医学的に必要とされる処置に対して費用負担が残るという矛盾が、制度への疑問を生んでいます。
医療現場からの懸念の声
出産費用の保険適用に対しては、産科医療の現場からも慎重な意見が出されています。日本産婦人科医会が2024年に実施した調査では、正常分娩の費用が保険適用になれば「分娩取り扱いをやめる」との回答が785施設中60施設、「制度内容により中止を考える」も426施設に上りました。
現在、分娩は自由診療として医療機関ごとに独自の価格設定が可能です。しかし、保険適用により全国一律の診療報酬が設定されれば、都市部などでは採算割れする医療機関が増える可能性があります。少子化で分娩施設が減少する中、さらなる医療機関の撤退は周産期医療体制の崩壊を招きかねません。
また、現在多くの医療機関が提供している「お祝い膳」やエステなどの付帯サービスが、保険適用の枠組みでどう扱われるかも不透明です。こうしたサービスの提供が困難になれば、医療機関の収益性はさらに悪化する恐れがあります。
根本的な課題への取り組み不足
今回の出産費用無償化案は、確かに経済的負担の軽減という点で意味のある政策です。しかし、制度の複雑さや分娩方法による格差の創出など、新たな問題を生み出している側面も否定できません。
真に効果的な少子化対策を実現するためには、単なる給付金の拡充ではなく、若い世代の雇用環境の改善や将来への安心感の醸成が重要です。現金給付による支援も必要ですが、それ以上に安定した雇用と継続的な賃金上昇こそが、若い世代が出産・子育てに前向きになれる基盤となります。
また、産科医療体制の維持・充実も欠かせません。無償化により医療機関が経営難に陥り、分娩を取り扱う施設が減少すれば、結果的に妊婦の選択肢が狭まることになります。
制度設計の見直しが急務
厚生労働省は今回の現金給付案により帝王切開の負担問題に対応しようとしていますが、根本的には分娩方法による格差をなくす制度設計が求められます。
医学的に必要な帝王切開についても、正常分娩と同様に無償とするか、少なくとも現行の出産育児一時金相当額は確実に給付される仕組みを構築すべきです。また、医療機関の経営実態を十分に考慮した診療報酬の設定により、周産期医療体制の維持を図る必要があります。
複雑で不公平な制度よりも、誰もが安心して出産できるシンプルで公平な仕組みを目指すことが、真の少子化対策につながるのではないでしょうか。2027年度の制度実施まで残された時間で、より良い制度設計への見直しが強く求められます。
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