「直美」問題で露呈した医師養成への公費投入と社会還元のバランス調整が急務

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「直美」問題で露呈した医師養成への公費投入と社会還元のバランス調整が急務

研修を終えた若手医師が美容医療に直進する「直美」問題が国会で議論されています。 上野賢一郎厚生労働相は「多くの医師が特定の診療科を選択するのは好ましくない」との認識を示し、医療法改正案を通じて美容医療の質向上を図る方針を示しました。

研修を終えた若手医師が美容医療に直進する「直美」問題が国会で議論されています。上野賢一郎厚生労働相は「多くの医師が特定の診療科を選択するのは好ましくない」との認識を示し、医療法改正案を通じて美容医療の質向上を図る方針を示しました。

「年収2000万以上も珍しくないと聞いて美容外科に興味を持ちました。でも手術の経験がなくて不安です」
「形成外科の研修は大変すぎる。美容クリニックなら働きやすいし高収入だから直接行こうかな」
「直美って言葉、最近よく聞くけど本当に問題なの?医師の自由じゃないの?」
「友人の医師が美容クリニックに転職したけど、技術不足で患者とトラブルになってた」
「保険診療は激務で給料も安いし、若い医師が美容に流れるのは当然だと思う」

若手医師が美容医療に直進する背景


2025年12月1日の参院本会議で、日本維新の会の新実彰平氏が「直美」問題を取り上げました。新実氏は医師1人を養成するのに1億円ともいわれる公費が投じられる中、未来ある医師がその国家資格を人の命と健康を守る医療の根幹に使おうとしないことは社会的な損失だと指摘しました。

「直美」とは「直接美容医療」の略語で、初期研修2年を終えた若手医師が形成外科などでの専門研修を経ずに美容クリニックに就職することを指します。厚生労働省の統計によると、20代から30代の美容外科医師数は2022年時点で659人と、10年前の約4倍に急増しています。

この現象の背景には保険診療の厳しい労働環境があります。一般診療科では当直やオンコール対応が避けられず、慢性的な人手不足から長時間勤務が常態化しています。一方で美容医療では時給7000円から1万円の求人も珍しくなく、年収2000万円近くも可能とされています。

政府が示す規制強化の方向性


上野賢一郎厚生労働相は「医師がどのような診療科を選択するかは医師個人の自由だが、多くの医師が特定の診療科を選択することで、そのほかの必要な診療科で医師不足となることがあれば、好ましい状況ではない」と述べました。

政府は現在審議中の医療法改正案に、美容医療を行う医療機関による定期的な報告・公表制度を創設し、都道府県などが専門医資格の有無や安全確保措置の実施状況などを把握し公表する内容を盛り込んでいます。この制度により適切な美容医療が提供される環境整備を図るとしています。

さらに厚生労働省は2024年11月に「美容医療の適切な実施に関する検討会」で報告書を取りまとめ、美容クリニックに年1回の安全管理状況報告を義務付ける方向性を示しました。将来的には「保険診療の経験義務化」も検討されており、美容医療への転職が制限される可能性があります。

医療現場から上がる懸念の声


2日の参院厚生労働委員会では、皮膚科医で美容医療にも関わった参政党の岩本麻奈氏が問題提起を行いました。岩本氏は悪性腫瘍や膠原病を見抜く医師が最低限持つべき病理の目は当然の前提。形成外科、救命救急、麻酔科などで修羅場をくぐった医師はリスクをあらかじめ想定し、発生時も適切な対応が可能だと指摘しました。

さらに岩本氏は「直美と呼ばれる若い医師の多くは、この経験が圧倒的に不足している」と述べ、技術的な未熟さが患者の安全を脅かすリスクがあることを強調しました。

実際に美容医療では、ヒアルロン酸やボツリヌストキシンの注射で血管閉塞や神経麻痺などの重篤な合併症を引き起こすケースがあります。経験豊富な医師であれば回避できるリスクも、基礎的な臨床経験が不足した「直美」医師では対処が困難な場合が多いとされています。

社会全体への影響と今後の課題


「直美」問題は単なる医師の進路選択の問題ではありません。本来であれば一般医療機関に配置されるはずの人材が美容医療に流れることで、地域医療や基幹病院の人手不足がさらに悪化する構造的な問題を抱えています。

厚生労働省は2025年に美容医療関連学会によるガイドライン整備を求め、医療機関の質を担保する仕組み作りを進める方針です。また問題が発生した場合の立入検査を可能にするなど、規制強化も検討されています。

医療法改正案は12月4日の参院厚生労働委員会で可決されており、今後の国会審議を経て成立すれば2026年から2027年にかけて施行される見込みです。美容医療業界の健全化と、医師偏在問題の解決に向けた取り組みが本格化することになります。

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2025-12-05 10:50:31(植村)

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