2025-11-18 コメント投稿する ▼
生活保護減額違法で国に責任 補償拒否する厚労省と自治体の対立
国と自治体は厚生労働省で協議を行いましたが、自治体は国の責任を明確に認めた補償制度を求めた一方、厚生労働省は特別立法による救済を拒んだとされています。 生活保護は国の制度であり、基準改定は国の決定です。 その判断が最高裁で違法とされた以上、国が利用者だけでなく自治体にも責任を負うべきだという考えです。 制度を支えるのは最終的に国民の信頼であり、その信頼は政治の姿勢によって左右されます。
生活保護減額問題が再燃する背景
生活保護基準を国が大幅に引き下げた2013〜2015年の決定は、最高裁で違法と判断されました。この判断を受け、2025年に入り利用者への補償の在り方が焦点になっています。国と自治体は厚生労働省で協議を行いましたが、自治体は国の責任を明確に認めた補償制度を求めた一方、厚生労働省は特別立法による救済を拒んだとされています。補償対象の範囲や手続きが不透明なままでは、生活保護受給者の不安が解消されず、現場の混乱も避けられません。
自治体側は、基準引き下げによって生じた事務負担や新規人員が必要になった現実を強調しました。特に小規模自治体では職員の数が限られ、国の判断ミスによる追加業務は重大な圧迫となっています。国が示した対応案は補償を一部に限定する内容で、被害の全体像を踏まえた救済になっていないとの批判が自治体から上がっています。
自治体が訴える「国の違法行為による負担」
全国市長会副会長である東大阪市長の野田義和氏は、法の支配に基づいて補償の枠組みを整えるべきだと主張しました。生活保護は国の制度であり、基準改定は国の決定です。その判断が最高裁で違法とされた以上、国が利用者だけでなく自治体にも責任を負うべきだという考えです。こうした主張は極めてまっとうであり、行政の信頼回復にも不可欠です。
全国町村会の白石祐治氏も、国の違法な基準改定によって「本来発生するはずのない事務が生じた」と指摘しました。人手不足の町村役場では、生活保護関連の業務が増えることは深刻な負担です。自治体は法律に基づいて国の制度を運用しているにすぎず、誤った政策による後片付けまで担わされるのは筋が通りません。
現場の混乱と国の姿勢
今回の補償は、自治体が保有する世帯情報や最低生活費の情報を使って進められます。しかし窓口業務を担当するのは自治体であり、遅延や混乱が起きる可能性は高いです。それにもかかわらず国が特別立法を拒む姿勢は、自治体任せと言われても仕方がありません。国の制度の誤りは国の責任で正すべきであり、自治体に負担を押し付ける現在の対応はあまりに不誠実です。
その一方で、生活保護制度は国民の生活と直結する基盤です。制度への信頼は不可欠であり、利用者の権利が損なわれれば社会全体の安全網が揺らぎます。生活保護に対する偏見を助長しないためにも、国が責任を認め、誤った行政判断を正す姿勢を示す必要があります。
国民の声と政治の責任
「結局いつも弱い立場の人だけが不利益を受ける気がする」
「国の判断ミスなら国がしっかり補償するのが当たり前」
「自治体に任せたら現場がパンクするのは目に見えている」
「特別立法を拒む理由が理解できない」
「生活保護の補償問題は政治の誠実さが問われていると思う」
国の誤った政策判断が司法で違法とされた以上、政治の責任は明確です。自治体だけでなく受給者も被害を受けており、制度への信頼を取り戻すためには特別立法を含む抜本的な対応が必要です。減税を優先すべき今の状況でも、生活保護基準の誤った運用の後始末を軽視することはできません。国が責任を回避すれば、財政効率も公平性も損なわれます。制度を支えるのは最終的に国民の信頼であり、その信頼は政治の姿勢によって左右されます。
今回の協議で浮き彫りになったのは、国と自治体の温度差です。国は部分的な補償で済ませたい意向ですが、自治体は違法判断の重さを踏まえ、より広い補償と制度の立て直しを求めています。生活保護制度は社会の基礎であり、誤りがあれば確実に正す姿勢こそ政治の責任です。国が逃げ腰の姿勢を改め、被害者救済と自治体支援の両輪で問題に向き合うことが必要です。