2025-11-12 コメント投稿する ▼
厚労省事務連絡により期限切れ保険証でも通常負担受診継続、マイナ保険証普及低迷で暫定措置2026年3月まで
従来の健康保険証が2024年12月2日に廃止された後も、期限切れの保険証を持参すれば医療費の10割負担を避けることができます。 2024年12月2日以降、従来の健康保険証の新たな発行は行われなくなったものの、医療現場では期限切れの保険証を持参する患者への対応が課題となっていました。
健康保険証の有効期限切れでも通常負担で受診可能
厚労省が暫定措置を通知、2026年3月まで延長で医療現場に安堵の声
従来の健康保険証が2024年12月2日に廃止された後も、期限切れの保険証を持参すれば医療費の10割負担を避けることができます。厚生労働省は紙やプラスチックカードの従来型の健康保険証について、有効期限が切れた後でも保険診療を認めると発表しました。この措置は2026年3月末まで暫定的に対応するとされ、マイナ保険証への移行期間における混乱防止策として注目を集めています。
期限切れ保険証も3割負担で受診継続
2024年12月2日以降、従来の健康保険証の新たな発行は行われなくなったものの、医療現場では期限切れの保険証を持参する患者への対応が課題となっていました。厚生労働省は12月12日付で全国の医療関係団体に事務連絡を出し、患者が期限切れの保険証や「資格情報のお知らせ」のみを医療機関の窓口に持参した場合でも、医療費を全額負担とせず、通常の負担割合で受診可能とするよう求めています。
この措置により、医療機関がオンライン資格確認システムを通じて資格を確認した上で、適切な負担割合による受診ができるようになりました。期限が切れた健康保険証や「資格情報のお知らせ」のみを持参した場合でもオンラインで資格確認を前提に認める対応です。
「期限切れの保険証でも3割負担で受診できるなら安心です」
「マイナ保険証がうまく使えない時もあるので助かります」
「高齢の母は新しいシステムが分からないので、この措置はありがたい」
「病院で10割負担になったらどうしようかと心配でした」
「政府は現場の混乱をもっと考慮してほしい」
マイナ保険証普及の現実と課題
2024年9月末時点でのマイナンバー保有率は国民の75.2%、そのうち保険証利用登録が81.2%という状況ですが、マイナ保険証の利用率は13.87%と低水準にとどまっています。政府は5000億円規模の予算を投じて普及促進を図ったものの、国民の利用は進んでいません。
マイナ保険証は、資格情報が正しく表示されないなどのトラブルが絶えない状況が報告されています。厚労省が7月の中医協に示した医療機関等のヒアリング結果でも、顔認証ができない、カードリーダーがエラー、マイナ保険証の方が時間を要するなどの声が寄せられているのが実情です。
マイナ保険証エラーで「いったん全額負担」1720件という事例も報告され、医療現場では従来の保険証との併用が現実的な選択肢となっています。
政治的背景と国民世論
政府が現行保険証の廃止の方針を示したのは、2022年10月13日。河野太郎デジタル相が記者会見で、「2024年度秋に現在の健康保険証の廃止を目指す」と表明したものの、この重大な政策変更の決定過程は不透明なままです。東京新聞は今年6月、厚生労働省とデジタル庁に、「完全廃止」を決めるまでの政策決定のプロセスが分かる文書の開示を求めたところ、記録が残されていない状況が明らかになっています。
国民の間では反対世論が根強く、「任意のはずのマイナンバー(個人番号)カードを、健康保険証と一体化し、事実上強制するなんて許せない」という声が上がっています。マイナ保険証の解除申請は3カ月で5.8万人に達しており、制度への不信が数字にも表れています。
今回の暫定措置は、こうした医療現場の混乱と国民の不安に配慮したものと言えます。政府は医療アクセスの確保を最優先に、マイナ保険証の安定運用に向けた改善を急ぐべきです。一方で、デジタル化の推進と国民の選択権をどう両立させるかが、今後の重要な課題となりそうです。