2025-11-13 コメント投稿する ▼
上野賢一郎厚労大臣マイナンバー活用で苦しい答弁 猪瀬直樹議員追及に「35%」数字で反論
この指摘は、証券口座の90%がマイナンバーと紐づいている現状において、金融所得の情報をマイナンバーで把握し、医療費負担に反映させることが技術的に可能であることを前提としています。
2025年11月13日の参議院予算委員会で、上野賢一郎厚生労働大臣が日本維新の会の猪瀬直樹議員からマイナンバー活用による医療費負担の是正について厳しく追及され、システム上の課題を理由に慎重な姿勢を示しました。金融所得のある高齢者の医療費負担格差を巡る論戦で、上野大臣の答弁は役所的で踏み込みに欠け、議場内から笑いが起きる場面もありました。
医療費負担の深刻な格差が浮き彫りに
猪瀬議員は質疑の冒頭から、現在の医療費負担制度の不公平さを鋭く指摘しました。「年間500万円の配当収入の人が確定申告の有無で、年間の医療保険料は僅か1.5万円で片や52万円と大きく異なるわけですね。確定申告していない窓口負担1割の人、500万円で1割の人と3割の人とこういうふうに違ってきてるんです。よくこんな不公平を放置してきたなと思いますよ」と述べ、医療費を負担できるのに払っていない高所得の高齢者がいることを問題視しました。
この指摘は、証券口座の90%がマイナンバーと紐づいている現状において、金融所得の情報をマイナンバーで把握し、医療費負担に反映させることが技術的に可能であることを前提としています。現役世代の社会保険料負担を減らすため、負担能力のある高齢者により適切な負担を求めるという维新の主張の核心部分です。
「マイナンバーがあるんだから、なんでこんなに複雑になるの」
「確定申告してない人だけ優遇されるのはおかしいでしょ」
「システムの問題って言い訳にしか聞こえない」
「役所の都合より国民の公平性を優先してほしい」
「これじゃあマイナンバーの意味がないじゃないか」
上野大臣が明かした深刻なシステム問題
これに対し、上野厚生労働大臣は具体的な数字を示しながら回答しました。「(税務署に提出する)法定調書にマイナンバーが記載されていたとしても、それを現在オンラインで国税庁に提出されている割合が35%にとどまっておりまして、そのほかは紙であったり光ディスクで提出をされているというふうにお伺いをしております」と述べ、デジタル化の遅れが根本的な問題であることを認めました。
この35%という数字は、マイナンバー制度導入から約9年が経過した現在でも、多くの企業や金融機関が従来通りの紙ベースでの提出を続けていることを示しています。特に、証券会社から国税庁への支払調書提出において、デジタル化が予想以上に進んでいない実態が明らかになりました。
上野大臣はさらに「まずそこからシステムを見直していくことが必要でありますので一定の時間がかかるのではないかと考えております。ただ我々としては当然先延ばしをしようと考えているわけではなくて、きちんとしたシステムをできるだけ早急に導入すべきではないかというそういった発想のもとで取り組ませていただきたい」と答弁し、改善への意欲は示したものの、具体的な時期については言及を避けました。
縦割り行政の弊害も露呈
猪瀬議員が「システム上の問題とか言ってるけど、役所同士の問題はあるんですか。縦割りの弊害みたいなあるんだったらおっしゃっていただきたい」と追及すると、上野大臣は縦割り行政の問題も認めざるを得ませんでした。
「まず証券会社から国税庁のほうに情報提供していただく必要があります。それから国税庁からその情報を今度は自治体あるいは広域連合に提示をしなければ、例えば負担割合の決定などはできませんし保険料算定にも使えないということになりますので、役所間それから国と自治体間、このシステムを上手に作っていくことが必要であります」と説明し、複数の機関にまたがる情報連携の複雑さを認めました。
この答弁は、マイナンバー制度が目指していた「ワンストップ行政サービス」が、実際には各省庁や自治体間の壁によって十分に機能していない現実を浮き彫りにしました。証券会社→国税庁→自治体・広域連合という複数段階の情報伝達が必要で、それぞれの段階でシステムの非対応や手続きの遅れが生じています。
猪瀬議員の厳しい追及が続く
猪瀬議員は「すいません、あのねマイナンバーがあるんだからその話っていうのはそんなに複雑になるんですか、よく分からないんですよそこが」と再度質問し、マイナンバー制度の根本的な意義について疑問を呈しました。
この指摘は的を射たもので、マイナンバー制度導入時に政府が掲げた「効率的な行政運営」や「公平な負担」という理念が、実際の運用段階では様々な技術的・制度的障壁に阻まれている状況を端的に表現しています。
上野大臣は最後に「いずれにいたしましても紙でのやり取りということになりますと突合が非常に難しくなりますので、やはりオンライン上でのやり取りという形になろうかと思っております。システムの問題でありますので、その点我々も十分勉強して詳細を見極めたうえで自民・維新の協議体の方にしっかりと情報提供できるように務めさせていただきたいと思います」と答弁し、マイナンバーがあっても医療費負担への反映には時間がかかるという見方を示しました。
高市政権の社会保障改革に影
この問題は、高市早苗政権が掲げる「全世代型社会保障の構築」にとって重要な課題となっています。上野大臣は就任時に「能力に応じて全世代が支え合い、社会保険料の負担軽減を図りながら、制度の持続可能性を高めることが重要な課題だ」と述べており、今回の論戦はその実現の困難さを示すものとなりました。
特に、自民党と日本維新の会の連立政権では、維新が重点政策として掲げる社会保険料削減について、具体的な協議体を設置することが合意されています。今回明らかになったシステム上の課題は、こうした改革の実現を大幅に遅らせる可能性があります。
一方で、マイナンバー制度を活用した医療費負担の適正化は、現役世代の負担軽減を図る上で避けて通れない課題でもあります。2025年度には社会保障費の自然増が4100億円と見込まれる中、負担能力に応じた公平な制度設計が急務となっています。
上野大臣の今回の答弁は、マイナンバー制度の理想と現実のギャップを浮き彫りにしたものとして、今後の社会保障改革議論に大きな影響を与えそうです。政府には、技術的課題の早急な解決とともに、より実効性のある制度改革への取り組みが求められています。
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