2025-10-27 コメント投稿する ▼
介護保険改悪案に反対続出 厚労省部会で議論白熱
ケアプランの有料化、要介護1・2の高齢者への保険給付外し、利用者負担の2割への拡大など、具体的な改正案が示されましたが、会議では反対意見が相次ぎ、議論が白熱しました。 厚労省は、介護保険制度の持続可能性を確保するために、いくつかの改悪案を提案しました。 主な改案は、ケアプランの有料化、要介護1・2の高齢者への保険給付の外し、利用者負担の拡大です。
介護保険改悪の具体案 厚労省部会で反対意見続出
2025年10月27日、厚生労働省は介護保険部会を開催し、制度の持続可能性を確保するための改悪案を提示しました。ケアプランの有料化、要介護1・2の高齢者への保険給付外し、利用者負担の2割への拡大など、具体的な改正案が示されましたが、会議では反対意見が相次ぎ、議論が白熱しました。制度改悪案は高齢者とその家族に深刻な影響を与える可能性があり、今後の方向性を巡る議論が重要となっています。
制度改悪の具体案
厚労省は、介護保険制度の持続可能性を確保するために、いくつかの改悪案を提案しました。主な改案は、ケアプランの有料化、要介護1・2の高齢者への保険給付の外し、利用者負担の拡大です。ケアプランは現在、全額給付が行われているものの、有料化することが検討されています。また、要介護1・2の高齢者に対する訪問・通所介護を介護給付から外し、市町村主体の「総合事業」に移行する方針が示されています。さらに、利用者負担を現在の1割から2割に引き上げる案も提案されました。
これらの改案は、介護サービスの利用者にとって負担が大きくなる可能性があり、反対意見が多数上がっています。特に、高齢者やその家族にとっては、生活に直結する問題となるため、慎重に議論する必要があるとされています。
反対意見と懸念
改悪案に対しては、各団体や委員から反対の声が続出しました。まず、ケアプランの有料化について、複数の団体から「公正中立性を保つために現行の10割給付を維持すべきだ」との意見が出されました。日本医師会の委員も「介護保険財政が厳しいからといって、自己負担を導入するのは説得力に欠ける」と批判し、有料化の導入に疑問を呈しました。
また、要介護1・2の高齢者への訪問・通所介護の保険給付外しについても反対の意見が相次ぎました。全国市長会や「高齢社会をよくする女性の会」、「認知症の人と家族の会」などからは、「制度整備が不十分な自治体が多く、拙速な移行は避けるべきだ」との懸念が示されました。自治体ごとのサービス提供能力に差があり、急激な制度変更が地域の高齢者に不利益をもたらす恐れがあるため、慎重な対応が求められています。
さらに、利用者負担を2割に引き上げる案については、「年金が微増したばかりであり、サービス利用料の増加によりサービスを控える高齢者が出ている」との指摘がありました。「生活や健康に直結する問題であり、慎重に議論すべきだ」という声が多く、負担増の影響を最小限に抑えるべきだとの意見が多数を占めました。
公費投入の割合を見直す提案
また、連合や全国老人保健施設協会の委員からは、介護保険財政の持続性を確保するためには、国の公費負担割合を見直し、現行の50%を引き上げるべきだとの提案もありました。公費の割合を引き上げることで、介護保険制度の負担を軽減し、利用者に対するサービスの質を維持することができると考えられています。この提案には賛同する声もあり、今後の議論で重要なポイントとなるでしょう。
今後の展開と課題
厚労省は、年末までに介護保険改正案の結論を出す意向を示しており、今後の議論の進展に注目が集まります。制度改悪案は高齢者にとって大きな影響を与える問題であり、負担増やサービスの質低下を招く懸念があります。その一方で、介護保険制度の持続可能性を確保するためには、一定の改革が必要であるという立場もあります。
今後、さらに詳細な議論を重ねる必要があり、特に高齢者福祉における最適な負担のあり方や、制度改革が地域ごとの実情に適合するかどうかが重要なテーマとなるでしょう。また、改悪案に対する反対意見を受けて、どのように制度を調整し、バランスを取っていくかが鍵となります。