2025-10-23 コメント投稿する ▼
70歳以上の医療費負担見直しへ 厚労省が能力に応じた負担求める方針
後期高齢者医療制度では、2022年10月から一定以上の所得がある75歳以上の方の窓口負担が1割から2割に引き上げられました。 急激な負担増を防ぐため、1か月の外来医療費の負担増加額を3000円までに抑える配慮措置が講じられていましたが、この措置は2025年9月30日で終了しています。 しかし実質的な負担増は避けられず、高齢者からは不安の声が上がっています。
70歳以上の負担見直しが本格化
部会では、1人当たり医療費は高齢者ほど高い傾向にあるのに対し、自己負担額は低く抑えられているとのデータが示されました。70歳以上の医療費のうち、窓口負担を除いた約4割は現役世代が負担する構造になっており、今後も負担が増えていくことが見込まれています。
委員からは「能力に応じた全世代の支え合いの観点から、低所得高齢者への影響を極力抑制しつつ、70歳以上固有の制度である外来特例の見直しを行うべき」との意見が出されました。一方で、負担増となる可能性もあり、低所得層への配慮が必要だとする慎重意見も出ています。
厚労省は、市販薬と効能が似たOTC類似薬への公的医療保険の適用見直しなど、他の論点とともに年内に方向性をまとめ、医療制度改革に反映させたい考えです。
「また高齢者の負担増か。年金は減るのに医療費は上がる一方だ」
「現役世代の負担軽減は必要だけど、低所得の高齢者が困る」
「能力に応じた負担は当然。年齢だけで優遇するのはおかしい」
「70歳以上でも裕福な人はいる。一律1割負担は不公平だ」
「外来特例の見直しって、結局病院に行きづらくなるってこと?」
2割負担の配慮措置は終了済み
後期高齢者医療制度では、2022年10月から一定以上の所得がある75歳以上の方の窓口負担が1割から2割に引き上げられました。急激な負担増を防ぐため、1か月の外来医療費の負担増加額を3000円までに抑える配慮措置が講じられていましたが、この措置は2025年9月30日で終了しています。
配慮措置終了後も、高額療養費制度により外来の自己負担上限額は月1万8000円年間14万4000円までとなっています。しかし実質的な負担増は避けられず、高齢者からは不安の声が上がっています。
厚労省の推計によれば、2割負担となったのは後期高齢者医療制度の被保険者の約20パーセント約370万人です。課税所得が28万円以上で、年金収入とその他の合計所得金額の合計が単身世帯で200万円以上、複数世帯で320万円以上の方が対象となっています。
OTC類似薬の保険適用除外も検討
今回の部会では、OTC類似薬への公的医療保険の適用見直しも議題となりました。OTC類似薬とは、湿布薬、目薬、ビタミン剤、漢方薬、胃腸薬など、市販薬と同様の有効成分や効能を持つ医療用医薬品を指します。
医師委員からは「患者の自己判断により重篤疾患の早期発見・治療の機会逸失を懸念し、時期尚早であり反対」との意見が出ました。一方、保険者委員などからは「医療保険は個人では対応できない大きなリスクに備える仕組み。OTC類似薬は保険給付の在り方を変えることも検討すべき」との声が上がっています。
自民党、公明党、日本維新の会の3党は2025年春の合意文書で、社会保障改革による国民負担の軽減を実現するため、3党の協議体を設置することで合意しました。OTC類似薬の保険適用除外は、この改革の一環として検討されています。
現役世代の負担軽減が急務
2022年度以降、団塊の世代が後期高齢者となり始めることで、後期高齢者の医療費の増大が見込まれています。現役世代の負担上昇を抑えるためには、少しでも多くの方に支える側として能力に応じた負担をしていただくことが不可欠です。
厚労省は高額療養費の自己負担上限を平均層で7.5から12.5パーセント引き上げることで、保険料の1人当たり負担が1300から5300円軽減されると試算しています。ただし高齢者の負担増は避けられず、低所得層への配慮が課題となっています。