2025-11-18 コメント投稿する ▼
立憲民主党安保政策で政権担当能力に疑問符、岡田克也氏「これから党内議論」の悠長さ露呈
台湾有事における「存立危機事態」をめぐる議論で、踏み込んだ答弁を求めながらその内容を批判する姿勢や、安保法制見直しを「これから党内で議論」とする悠長な認識は、政権担当能力への疑問を抱かせるものでした。
立憲民主党の安保観に露呈した「政権担当能力」への疑問符
党内議論先送りで「10年後も無為」の懸念
11月7日の衆院予算委員会で展開された高市早苗首相と立憲民主党・岡田克也元外相の質疑は、同党の安全保障政策に対する根深い課題を浮き彫りにしました。台湾有事における「存立危機事態」をめぐる議論で、踏み込んだ答弁を求めながらその内容を批判する姿勢や、安保法制見直しを「これから党内で議論」とする悠長な認識は、政権担当能力への疑問を抱かせるものでした。
岡田氏は質疑で「私も『絶対にない』というつもりはないが、どういう場合に存立危機事態になると考えたのか」と高市首相に詳細な説明を要求しました。首相が「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、存立危機事態になり得る」と具体例を示すと、中国政府が激しく反発し、外交問題に発展しています。
踏み込み求めて批判する矛盾した対応
この一連のやり取りで注目すべきは立憲民主党の矛盾した姿勢です。岡田氏は台湾海上封鎖という具体的状況を想定して政府見解を問いただし、踏み込んだ答弁を引き出したにもかかわらず、野田佳彦代表は「かなり軽率だ」と首相の発言を批判しました。
「多くの法制局長官経験者とか著名な憲法学者が『違憲ではないか』と疑義を呈した」
「あれから10年がたって色々な事実が積み重なっていることも事実だ」
「白紙でゼロから議論をし直すことはできないことも分かっている」
「どういう対応をすべきかはこれから党の中でしっかり議論していきたい」
「踏み込んだ答弁を求めておきながら、その中身を問題視する立民の姿勢には違和感」
岡田氏自身も後にYouTubeで「高市さんには『認定は限定的に』という答弁を期待したが非常に踏み込んだ答弁をされた。なぜ慎重な答弁をされなかったのか」と述べており、質問しておきながら答弁内容に不満を示すという一貫性のない態度を露呈しました。
10年経っても決まらない安保政策
より深刻なのは、岡田氏が安保法制について「これから党の中でしっかり議論していきたい」と述べたことです。2015年9月の安保法制成立から既に10年が経過しており、この間に日本を取り巻く安全保障環境は著しく悪化しています。
ロシアのウクライナ侵攻、中国の台湾への軍事的圧力強化、北朝鮮のミサイル発射の常態化など、現実的な脅威が目前に迫る中で「これから議論」という悠長な姿勢は、国民の生命と安全を守る責任を担う政党として適切とは言えません。
立憲民主党は政策集で「現行の安保法制については、立憲主義および憲法の平和主義に基づき、違憲部分を廃止する等、必要な措置を講じる」と明記していますが、具体的にどの部分をどのように見直すかは曖昧のままです。
他党からの厳しい指摘と政権協力の破綻
この姿勢は他党からも厳しく批判されています。国民民主党の玉木雄一郎代表は「立憲民主党は未だに安保法制には違憲の部分があり廃止すべきとの主張を続けている。この点を曖昧にしたまま政権を担えると本気で考えているのか」と痛烈に指摘しました。
「交渉して譲ったり譲られたりする問題ではない」として、安全保障政策での一致なくして政権協力はあり得ないとの立場を明確にしています。実際に、立憲民主党と国民民主党の安保政策を巡る溝は埋まらず、野党3党による首相指名選挙協力は破談となりました。
現実的な安保政策への転換が急務
立憲民主党内では、政権交代には政策の継続性を重視すべきだとの声も出ています。前身の民主党政権時代の普天間基地移設問題での迷走が日米関係を悪化させた反省から、外交・安保分野での現実的な政策転換を求める意見も存在します。
しかし、党の基本方針として「違憲部分廃止」を掲げ続ける限り、現実的な安全保障政策への転換は困難です。中国の脅威が高まる中で、集団的自衛権の限定行使や米軍との連携強化は不可欠な要素となっており、これらを否定する姿勢では国民の安全を守り抜くことはできません。
日本の安全保障環境が一刻の猶予も許さない状況にある中、立憲民主党には「次の10年も無為に過ごす」ことのないよう、現実に即した安保政策の早期確立が求められています。政権担当能力を示すためには、理念だけでなく実効性のある安全保障戦略の構築が急務です。