2025-06-30 コメント投稿する ▼
温泉をユネスコ無形文化遺産に 2028年登録を目指す動きが本格化、地方経済への波及効果に期待
温泉文化を世界遺産に
全国の知事で構成される「温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録を目指す知事の会」は6月30日、石破茂首相と首相官邸で面会し、2028年の登録実現に向けた支援を直接要望した。
中心となって動くのは群馬県の山本一太知事。「登録されれば、全国の温泉地が沸き上がる。地方経済にも確実にプラスになる」と語り、観光業を軸とした地域振興の切り札として温泉文化の価値を再確認したいと訴えた。
石破首相も「温泉は一種の総合芸術のような存在」と述べ、理解を示した。日本が世界に誇る文化資産としての温泉。その保護と活用を同時に進める方針が見えてきた。
「温泉は観光資源だけじゃなく、地域の誇り」
「登録されたら、今ある温泉街の景観保全にも本腰入るのでは?」
「海外からの注目も増えるだろうけど、地元優先で進めてほしい」
「無形文化って、具体的に何を保護するの?」
「地元住民が恩恵を実感できる制度にしてくれ」
地方創生の起爆剤となるか
日本全国に点在する温泉地は、観光業だけでなく、医療・美容・飲食など幅広い産業に関連しながら地域を支えている。こうした複合的な文化を「総合芸術」と位置づけ、無形遺産として認定されれば、国内外の注目が集まり、地域振興の新たな足掛かりとなることが期待されている。
実際、観光庁のデータでは、訪日外国人観光客のうち温泉を目的とする割合は年々増加。特に欧米圏からの旅行者は「日本的体験」を求めており、温泉はその代表格だ。
だが、温泉地が抱える課題も多い。老朽化した宿泊施設や、若者離れによる人材不足、過疎化など、観光需要の波にうまく乗れない地域もある。登録が実現すれば、こうした地域の再生に向けた「起爆剤」としての効果も見込まれている。
文化継承の鍵は“生活の中の温泉”
無形文化遺産とは、単なる観光地としての評価ではなく、人々の生活や風習、信仰、知恵などが対象となる。温泉文化の登録を目指すならば、「湯治」「共同浴場」「地元行事と結びついた風習」など、日常の中に息づく温泉の存在をどう記録し、保護していくかが問われる。
特に地域住民の協力なくしては実現は難しい。温泉を「観光客のための施設」としてのみ扱えば、遺産登録の本来の趣旨と離れてしまう。地元の人々が誇りをもって守ってきた文化として、記録・伝承・教育の面でも取り組みを広げる必要がある。
登録までのプロセスは長期戦になる。文化庁への申請、政府としての推薦、そしてユネスコの審査。今回の要望では、温泉文化の保存団体設立が7月に予定されており、2028年の登録を目指すスケジュールがようやく本格始動した形だ。
“観光バブル”にならぬよう地元優先で
過去にも無形文化遺産登録によって、一時的に観光客が殺到し、地元住民の生活が圧迫された例が国内外に存在する。温泉文化の登録が実現したとしても、観光客優先の運用や、外資系資本の進出によって本来の文化が変質するような事態は避けなければならない。
温泉とは、ただ湯に浸かるだけではない。湯を守り、湯に感謝し、共同体とともに歩んできた日本人の暮らしそのものだ。知名度や収益性ではなく、「地域の文化として残す」ことを最優先に据えた取り組みこそ、国として応援すべきだろう。
「また一部の観光地だけが得をする流れにならなきゃいいけど」
「地元のじいちゃんばあちゃんが安心して入れる湯を守って」
「登録されたら値上げとか施設の高級化進むんじゃ…」
「若者が湯守として地元に戻ってくるきっかけになれば良いな」
「文化っていうなら、まず地元の声を聞いてくれ」