2025-05-30 コメント投稿する ▼
小渕優子氏が石破首相に提言 沖縄戦の記憶継承と県民所得向上を訴え
小渕優子氏、沖縄の未来へ提言 戦後80年を節目に歴史継承と振興を訴え
30日、自民党沖縄振興調査会の小渕優子会長(衆院議員)が首相官邸を訪れ、石破茂首相に対し、沖縄戦の記憶を風化させず県民生活の底上げにつなげるよう求める提言を手渡した。小渕氏は戦後80年という節目に際し、「沖縄が経験した戦争の記憶は、私たち全国民が共有し、未来に語り継いでいくべきものだ」と強調。特に若い世代に向けて、平和の尊さを学ぶ場の拡充を政府に強く求めた。
返還跡地活用と所得向上をセットで要望
小渕氏が今回の提言で柱としたのは、米軍施設の返還が進む中、その跡地の開発支援を通じて沖縄の経済基盤を強化するという考え方だ。観光業や先端産業だけに依存せず、多様な産業育成と地元雇用の創出を促す仕組みを求めた。また、沖縄県民の平均所得が依然として全国水準に届いていない現状を指摘し、「単なる振興策ではなく、自立的に経済が成長できる構造を支援すべきだ」と語った。
石破首相は「非常に重く受け止めている」と述べ、提言に前向きな姿勢を示した。「県民の所得水準をしっかり引き上げることは、国家としての責任」とも言及し、今後の政策に反映させる考えを示した。
ひめゆり展示巡る発言に波紋 小渕氏も憂慮
提言の背景には、最近物議を醸している自民党の西田昌司参院議員の発言もある。西田氏が「ひめゆりの塔」の展示内容に対して「歴史の書き換え」と発言した件については、沖縄県内で強い反発が広がっており、小渕氏も懸念を表明。「歴史をどう語り継ぐかは非常に繊細な問題であり、地元の声をしっかり聴くべきだ」と述べた。
小渕氏は、単に振興策を推し進めるだけでなく、心の復興、歴史への敬意、そして本土と沖縄の「理解の架け橋」としての役割を果たす必要があると訴えた。
ネット上では共感と賛否の声
SNSでは、小渕氏の姿勢に一定の共感が集まる一方、西田議員の発言への反発が依然として強い。
「小渕さんのように丁寧に地元と向き合う政治家がもっと必要」
「戦後80年、歴史をどう伝えるかが問われている」
「所得向上の話はいいが、根本的に基地問題にも触れてほしい」
「西田議員の発言は火に油。党として処分すべきでは?」
「観光だけに頼らない産業振興の提案には期待したい」
沖縄政策の再構築へ 小渕氏がリード役に
小渕氏は今後も調査会を通じて沖縄との対話を重ねる方針で、提言が実効性のある政策に結びつくよう尽力する考えだ。沖縄戦の歴史継承と経済振興を一体的に進めるアプローチは、戦後80年を迎える日本にとって、地方と中央の新たな関係構築を示唆している。
小渕氏の主導する政策提言が、実際に予算や法整備にどのように反映されるのか。沖縄の未来に向けた真の再出発となるかが注目されている。