2025-07-29 コメント投稿する ▼
笹川博義氏が自民党両院議員総会の署名提出を見送り 再生への布石か
笹川博義氏、署名提出を見送り 自民再生へ静かな覚悟
参院選敗北に危機感、笹川氏が署名活動を主導
自民党内で再生を求める声が高まる中、旧茂木派に所属する笹川博義農林水産副大臣が注目を集めている。参院選での与党過半数割れという歴史的敗北を受け、党内に危機感を訴えてきた笹川氏は、両院議員総会の開催を求める署名活動を若手・中堅議員とともに主導。その数は120人を超え、党則が定める「議員の3分の1以上」というラインを優に超えていた。
しかし29日、笹川氏は有村治子・両院議員総会長と党本部で面会し、署名の正式提出を見送ると伝えた。これは、同日開かれた自民党役員会が、近く両院議員総会を開催する方針を固めたことを受けての判断だ。
笹川氏は面会後の取材に対し、「われわれの思いを受け、森山幹事長が英断を下した。署名の提出にはならない」と語った。党の対応を一定程度評価したかたちだが、同時に「危機は続いている」との認識もにじませた。
「変わらなければ、自民党は終わる」笹川氏の危機意識
笹川氏が今回の動きに踏み切った背景には、「このままでは自民党が信頼を失い続ける」という強い危機感がある。参院選での大敗にもかかわらず、党執行部から明確な責任の所在や再生に向けた方針が打ち出されていないことに、同氏は深い懸念を抱いている。
「総会は1回で終わるとは限らない。その時のために署名は預かっておく」と語る笹川氏の言葉には、党内改革を長期的な視点で捉える冷静さがある。また、「総裁選のリコールを求める署名活動については、まずは総会の中身と執行部の対応を見極めたい」と述べ、感情に流されることなく、戦略的に次の一手を探る姿勢を示している。
面会には麻生派の今枝宗一郎衆院議員も同席しており、派閥の枠を超えた連携も視野に入れていることがうかがえる。
署名提出見送りの裏にある「静かな圧力」
今回、笹川氏はあえて署名を提出しなかったが、それは単なる撤回ではない。自らが集めた120人以上の議員の意思を盾に、「党執行部はすでに追い詰められている」という現実を静かに突きつけた格好だ。
森山幹事長が開催を決めたことで、表向きは一旦の成果を得た形だが、署名提出の「保留」は次なる揺さぶりに備えた布石とも言える。「提出しない」という選択によって、逆に党執行部に対する政治的プレッシャーは強まったとの見方もある。
党則上、正式な署名提出があれば、執行部は総会開催を拒めない。笹川氏はそのカードを温存したまま、まずは執行部の誠意ある対応を待つという構えだ。だが、総会の中身次第では、再び行動に出る可能性も十分にある。
有権者の視線「笹川氏の冷静さに期待」「次こそ行動を」
SNS上では、笹川氏の一連の動きに対して様々な声が寄せられている。
「ここで引かずに署名出してほしかったけど、戦略的なのかも」
「120人の署名を集めたのはすごい。本気で変えようとしてるんだと思う」
「静かな怒りを感じる。次に動くときは一気に来そう」
「党内の空気が少しずつ変わってきてる。笹川氏の役割は大きい」
「『総会やるからOK』で終わらせないで。中身を見てるよ」
市民や有権者の関心は高く、形式的な開催ではなく、どこまで本質に切り込む議論ができるのかに注目が集まっている。笹川氏がどのような姿勢で今後の党再建に関わるのか、その言動が自民党の進む道を大きく左右しそうだ。